何を見ても何かを思い出す

He who laughs last laughs best

我が主様 ワンコ

2016-04-20 09:51:25 | ひとりごと
ワンコが「我が主様」のもとへ出かけてから二か月、桜の時期まで過ぎてしまったよ ワンコ
ここ数年、桜が咲く度「来年の桜もワンコと一緒に見たい」と感傷的になっていたのは私達だけで、
ワンコが好きだったのはスズランだったね
金魚さんのいる睡蓮鉢のとなりのスズランが、今年最初の花を咲かせたよ ワンコ
明日は一緒にスズランの香りを楽しもう ワンコ・・・・・

ウリ²が家庭科だかクラブだかで覚えたフェルト細工で、ワンコを再臨させてくれたので、皆それぞれワンコを胸に語りかけているけれど、迷惑じゃないかい? ワンコ
それが心配になることが書いてある本を読んだよ ワンコ
「優しい死神の飼い方」(知念実希人)   (『 』「優しい死神の飼い方」より引用)
ワンコとそっくりなツンデレわんこレオが主人公の本だよ
きれいな表紙にかかる本の帯には『ツンデレわんこの死神が大奔走!』の大文字が記されているよ ワンコ
『(本の帯より)古い洋館を改装したホスピス「丘の上病院」。ゴールデンレトリバーの姿となって「我が主様」から地上に派遣された「死神」の私は、看護師の菜穂に保護され、「レオ」という名で丘の上病院に住むことに。そこには死神だけにわかる、この世への未練が放つ4人分の「腐臭」が漂っていた。
この洋館では7年前に謎の“吸血鬼家族”殺人事件が起きたという。事件は未解決、裏庭には地縛する3つの「魂」――。「言霊」を操り、相手の「魂」を浄化し、無事に「我が主様」の元に導くことを仕事とするレオ。洋館を調べまわるうちに隠された地下室を発見し、事態は思わぬ方向へ――!! 』


死神の役目が、「我が主様」の元への魂の案内だということも、21世紀の日本を担当する死神の成績があがらないことも、私と一緒に本を読んでいたワンコは知ってるね。
ある死神が、上手く魂を案内できない言い訳に「この時代の、この国に住む人々の生活に問題がある」「生きてるうちから接触しないかぎり困難だ」と言ったために、''ごおるでんれとりばあ''という犬の体に封じられ、犬の姿で末期患者の「未練」を断ち切り魂を救えとホスピスに送り込まれたのも、その死神が「レオ」と名付けられたことも、ワンコは知ってるね。

レオは寿命そのものを左右することはできないけれど、患者の意識に同調したり催眠をかけたり夢に潜り込んだりして、「未練」の原因を探り誤解を解き問題を解決し、「未練」を断ち切り安らかな魂へと導く。
そんなレオの奮闘ぶりはカッコ良かったね ワンコ
レオの言霊と語り合うことで、半世紀以上前に駆け落ちを誓い合った恋人の裏切りが「未練」となっていた元警察官や、「強盗殺人の罪をつぐなっていない」という後悔が「未練」となっていた宝石商や、ある少年との出会いと別れで自分の芸術(絵・色を描くこと)に生じた迷いが「未練」となっていた青年画家の魂が救われるのには感動したね ワンコ
物語の最後、レオが身を挺して大事件を解決するところはハラハラして読んだね ワンコ

一緒に本を読んだワンコはストーリーを知ってるから、ここは一つ、気になったところを書きだしてみるよ ワンコ

シュークリーム
レオはシュークリームが大好物で、それを見るだけで尻尾を振ってしまう自分を恥じているけれど、ワンコも好きだったな
ワンコもシュークリームが好きだったのに、高脂血症と中性脂肪が高いと注意されてたから、お預けにしていて申し訳なかったよ ワンコ
少しでも長生きしてほしくて、我慢ばかりさせたのかもしれないと 胸を痛めてるよ ワンコ

レオに魂を救われた人たちは、それでもレオを犬だと思っているから、言葉を完璧に理解しているレオのことを不思議がっていたけれど ワンコも言葉を完璧に理解していたね   「ワンコの愛 その2」
家族が喜んでいる時は、皆の真ん中ではしゃぎまわり、悲しんでいる誰かがいる時は、その人の側でそっと涙を舐めてあげていたね
喧嘩の仲裁をしてくれるのも ワンコだったね
ワンコは言葉だけでなく、言葉にできない人の心も完全に理解してたね

21世紀の日本人の魂は未練を抱えて生きていると書いてあるけれど、それは私にもいえることだね
それを知らせるために、ワンコはこの本に気付かせてくれたんだね
レオは言ってるよ
『自惚れるな「人間」!お前らは肉体という「仮住まい」を借りて、この世に存在しているに過ぎない。
 いつその「仮住まい」を返すかはお前たちが決めることではない。
 お前がすることは、残された時間の長さを嘆くことではなく、その限られた時間の中で精一杯生きることだけだ』
レオは私達の未練の原因についても語ってるよ
『(この国に未練が絶ち切れず地縛霊になる者が多い理由とは)きっと、この国は豊かになり過ぎたのだ。この国は豊かになり、そして「死」から目を背け始めた。飢えることもなくなり、生活環境が改善し、そして医療が大きく進歩したこの国では、人間誰もがいつかは迎える「死」を、特別なものと思い込んでしまった。「死」を不浄のもののように扱い、日常からできるだけ隔離し始めた。』
『「死」を意識せず、ただ漫然と与えられた時間を消費し続けてきた者達は、終わりが近づいて来たとき、自分の人生が有限だったことに初めて気付き、無為に過ごしてきた自らの人生を激しく後悔する。そこに「未練」が生まれるのだ。』
『ただ、そのことに気付くのに、遅いということはないのだろう。いくら死の間際になっても、人間は自らの存在意義を知り、残されたわずかな命を輝かせることが出来るのだ』

私の腕のなかで眠るように笑うように眠っていった ワンコ
きっと、人生は有限だからもっと頑張れと身をもって教えようとしてくれたんだね ワンコ
だけど不甲斐ない情けない私は、シュークリームの件を読んでは後悔し、桜を見ては落ち込み、未練タラタラで一歩も前に進めないままでいるよ ワンコ

レオは死神ではなくて、天の使いだったと判明するけれど、 
私にとっては、ワンコこそが「我が主様」だから、天にいる「我が主様」に認めてもらえるように なるべく頑張るよ
だから、見守っておくれよ ワンコ
でも、本には気になることが書いてあったんだよ ワンコ
『肉体を離れた剥き出しの魂にとって、この世界に長く留まることは、裸のまま寒空の下で過すようなものなのだ』 って。
そうだとすると、家族が其々しょっちゅうワンコに語りかけ、ワンコの魂を引き留めていたのでは苦しいのかい ワンコ

うん?レオと声をそろえて何か言ってるな ワンコ
『何を言っている。普通の犬などとは明らかに異なったこの高貴な雰囲気、お前は感じないのか?』

そうだった
犬の姿を借りた天使のレオが言霊を飛ばして、この世で人の魂を救い続けることになったのだから、
私の「我が主様」ワンコも、私達の心を救うために我が家に居続けてくれるに違いないはずだね ワンコ

私がウジウジだらだら無為に人生を消費しないように、厳しく見守っていておくれよ ワンコ


追記
レオをホスピタルで飼ってもよいと決定したのは、看護師の菜穂の父である院長先生だけど、院長先生は、こんなことを言っていたよ ワンコ
『動物は患者の精神に好影響を与える。飼うなら、患者と接触できる室内でだ』 だって ワンコ
皇太子御一家が飼われている由莉ちゃんは、動物介在療法のアニマルセラピーとしての訓練を受けたうえで、病院へボランティアで出掛けているそうだよ ワンコ
この度の大地震でも、夢之丞は災害救助にでかけたそうだよ ワンコ
「神聖な御力とともに」 「夢が生き 夢で生きる」 「ワンコと人の絆は永遠」

人間を助けてくれるワンコに負けないように私も頑張るよ ワンコ


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする