終戦後の一時期、高校を卒業した叔母は、日本に駐留した米軍(占領軍)の通訳をしていましたが、その時の出会いが叔母の運命を決めてしまいました。
敗戦で荒れ果てた日本より米国で学んだ方がいいと、その才能を支援してくれた兵士たちが義援金を出し合い、それによって叔母は米国に渡り、努力の末、カンザス州立大学を主席で卒業し、当時の地方新聞の一面におおきく紹介されました。
小学生だった私は、祖母が鼻高々と叔母がのった新聞を見せてくれたのを覚えています。
その後叔母はどうなったかというと、大学の図書館でデートを重ねた彼氏と結婚し、アメリカ市民となりドクターとなり、今でもNYとニュージャージーの大学で教鞭をとっています。
大変な努力家ではありますが、いつもユーモアにあふれ、私をかわいがってくれ、日本に来たり私がアメリカに訪ねて行った時にはよく冗談を言い合って笑ったものです。
その叔母から先日、私宛にプレゼントが届き、開けてみると缶詰が入っていました。「Dolmas」と書かれているその缶詰の中身は何でもギリシャ、トルコあたりの田舎料理で、ブドウの葉にくるんだご飯と松の実などをオリーブオイルで浸けてあり、食べてみると大変素朴で味わい深い食べ物でした。
一昨年来日した折は、「パクチー(コリアンダー)」の種を私の好物だとピタリと当てて持って来てくれたので、この缶詰もきっと私が喜ぶと思ったのでしょう。
どんな時に味わう物なのかは分かりませんので、とりあえず、白ワインなど飲みながら食してみました。
写真は「Dolmas」の缶詰と中身。
最近叔母はアメリカ製の毛生え薬を試しに眉毛につけたら、顔中毛だらけになって娘が驚いたそうです。
叔母の5人の子供(私のいとこ)はアメリカのあちこちに散らばっています。いつか「いとこ」を訪ねるアメリカ横断の旅をしてみたいと思っています。