空の日誌

設計室「空」のブログ

文屋さんの本

2009-11-18 11:56:12 | うんちく・小ネタ

信州の北、小布施町と言う所に、「文屋」という屋号の出版社があります。経営者は木下さんと言いいまして、私のお友達ですが、今度新しく出版した「世界一のパン・チェルシーバンズ物語」という本を贈ってくれました。

この絵本の物語や絵もなかなかのものですが、私は後半の「チェルシーバンズ」という名のパンと、「こやたさん」と言うパン職人さんの紹介に始まる小布施町の中心的施設、「新生病院」の歴史にすっかり引き込まれてしまい、ああそうだったのか・・もっと早く知っていればなあ・・と思ったのでした。

というのも、私は「新生病院」の院長をされていた方のご自宅を数年前設計し、奥様をはじめその病院に勤められていた大勢の方と知り合いになり、その方々が皆すばらしい人ばかりだったので、不思議に思っていたからでした。(この住宅の丹精こめた庭は、いつでも入って見ることが出来ます)

この由緒ある病院の成り立ちを知っていたら、もっといい設計が出来たとは申しませんが、少なくとも何か別の火が自分の心に灯っていたのではないかと思います。

この絵本の主役は「こやたさん」と言うパン屋さんですが、もう一人の主役は「チェルシーバンズ」を伝授した「新生病院」の名看護婦長「ミス・パウル」さんです。

そして目に見えない主役が、数十年前に「新生病院」を作ったカナダの人々・・熱い信仰に支えられた医師や看護士、そして寄付をしてくださった方々だったのです。

「世界一のパン」はとてもいい本です。「チェルシーバンズ」は小布施のパン屋さん「小布施岩崎」で今でも買えますよ。文屋さんありがとう・・
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