長野県の北部、「野尻湖」の南側の小さな集落に「称名寺」というちいさなお寺さんがあります。
このお寺には釣り鐘がなく、代わりに大きな石が吊るしてあります。
何でも、太平洋戦争中に金属類を軍に供出することを強要されたため、やむなく村人は大切な梵鐘を軍に差し出し、以来この村にお寺の鐘がひびくことはなかったそうです。この鐘は何に使われたのかは分かりませんが、いずれにしても戦争の道具になったのでしょう。
そのことに何か平和への強いメッセージを感じるのは、戦争も平和も同じ人間が作り出すというその危うさに対し、自らへの戒めとして残したいという感情が働くためなのでしょうね。