空の日誌

設計室「空」のブログ

あなたは詩人?哲人?

2012-09-21 21:45:02 | アート・文化

先日見に行った
3年に一度のアート展、
「越後妻有トリエンナーレ」に
再び訪れた私は、
前回同様「キナーレ」という
大きなプール状の空間に作られた
「ボルタンスキー」の作品に
すっかり打ちのめされて帰って来ました。

人の着古した着物を使った作品は
ボルタンスキーの得意とするところですが、
今回は「詩人」のイメージから「哲学者」へと
私の中でボルタンスキーの位置が変りました。

同じような感慨をいただいたのは
カナダのバンクーバーで最近催された
写真家の「石内 都」さんの
「Dear HIROSHIMA」という写真展で、
こちらは生の着物ではなく、
原爆で亡くなられた方の遺品としての
着物の写真で、
悲惨な被爆写真とは違う
もっと優しく強く悲しい
メッセージをいただきました。

すぐれたメッセージというのは
とても寡黙なのかもしれません。

写真は「ボルタンスキー」の作品と
「石内 都」さんの作品
Photo


裕次郎は正しかった

2012-09-20 12:15:56 | アート・文化

「裕次郎の夢」と題して、
「黒部の太陽」という今から
50年近く前の大作が
全国でチャリティー上映されている。

長野市では、
長野グランドシネマズというシネコンで
現在上映中ですが、
「裕次郎」にはカッコづけだけの役者という
レッテルを貼った私には
あまり興味がありませんでしたが、
縁あって初日に見せていただき
そのトンネル工事場面のリアルな映像と
現場の人間の描き方に大変感心させられました。

土木工事ほど大きなスケールではないけれど、
建築に携わる私にも現場の苦労はよくわかります。

CGという技術が無かった頃にこの映画は
セットとは思えない臨場感を伝えてくれますが、
実はそれもそのはず、
「熊谷組」を始めとする日本の土木建設界を代表する
巨大ゼネコンが後押しし、
実際のトンネル(工事とは別の)を利用し、
実際の掘削風景を撮影したそうです。

出水場面では計算外の大量放水で
裕次郎始めスタッフが大怪我をするという
本当の工事現場のようなアクシデントもあったようです。

そんなわけで、彼が遺書にしたためた
「映画館のスクリーンでしか写すな。」という
遺言は正しかった。
TVの小さな画面ではとても
この映画の迫力は伝わらなかったでしょう。

映画のあと、
松本出身の撮影監督である
「金宇」さんという大変な情熱家のトークがあり、
夕方の食事会でもご一緒させていただいた私は
苦労した撮影の裏話をたくさん聞かせていただきました。
(映画のフィルムは、金宇監督が保管し、
安易なビデオ化DVD化から守ったそうです。
そのほかの苦労話は、私から直接聞いてね。)

「金宇」監督は帰宅したら裕次郎の墓前に報告するそうです。
「裕ちゃん、これで良かったんだろ。俺は約束をまもったぞ。」と・・

土木、建築関係者ならずともお奨めの映画です。
来週はニッサン車が世界的ラリーで躍進した活躍を描いた
実話に基づく「栄光への5000キロ」が上映されます。
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セミナー案内

2012-09-07 11:18:01 | ニュース

毎月一回開いている
住まいづくりセミナー、今回は
9月9日(日)、午後1:30~3:00
場所はいつもの長野市勤労者女性会館
「しなのき」3階です。

1:30~2:00過ぎまで
「子育てと住宅」について
私と、数年前住宅を新築された
久保田さんがお話をし、
後半は2:00過ぎから3:00まで
もと長野県林務部参事で
神奈川県ブランド戦略課長の
「河合博」さんが
「地元の森の木を使おう」と題して
住宅と森の関係を話してくださいます。

河合さんはユニークな経歴の持ち主で
今後の活動が楽しみな人です。

是非お出かけください。
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