検証・電力システムに関する改革方針

「自然エネルギーですべての電力をまかなう町」の第2部です。

行政単独から住民参加の取り組みへ 連載小説291

2013年05月18日 | 第2部-小説
  竹下の提案に、将太はぜひそうして欲しい。そうでないと委託事業にすることができない。どれだけの報酬が出せるか競争入札でなく随意契約で発注できるようにしたい。その場合、金額は30万円から50万円ほどにしかならない。今、返事はいらないが紺結末には返事が欲しいと言った。

「えっ、50万円ももらえるの?」
「いや、これをなんとか研究所に委託すると数百万円の見積もりになると思いますよ。いろいろな「答申」があるでしょ。あれはほとんど大学教授や研究機関に以来して委員会を立ち上げ、まとめてもらうのが普通です。占部町はお金がないからそういうことはしていませんが今回の自然エネルギーで電力自給をはかる。町おこしを図りたいと考えています。その基礎データーを作る必要があるので、ぜひ、みなさんのご協力をいただきたいと思います」

 将太はまたまたみんなに頭を下げた。
「みなさん、冨田さんのお話しはこの占部町まちおこしたいとして引き受けて欲しいというご要請のようです。私は受けたいと思いますがみなさんどうですか。町おこしたいとしてやりませんかこれ」

「さきほどの冨田さんの説明程度の調査であれば難しくなさそうね」
「そうです。難しくはないが訪問して資料を集める、聞き取りをする。その人手が必要なのです」
 将太の声は弾んでいた。自分だけ、行政だけの取り組みから、住民参加の取り組みに広がったと思うと、無性にうれしかった。20代の頃、初めて商談をまとめることができた時と喜びを思い出した。