検証・電力システムに関する改革方針

「自然エネルギーですべての電力をまかなう町」の第2部です。

公共建物に太陽光発電とりつけたい 連載小説281

2013年05月07日 | 第2部-小説
 このとき、町長の大平公平は3月議会に提案する施策の目玉に思案していたが「これで行こう」と決断すると松本博副町長に内線電話をかけ、町長室に呼んだ。
 「3月議会に本庁舎をはじめ、保育所、学校に太陽光発電パネルを設置したいと思います。どう思いますか」
「それは良いかと思いますが議会に提案する前に事前調査が必要かと思います」
「事前調査とは何ですか」
「いくらかかるのか費用見積もり、それと設置できるのかどうか」

「予算はわかりますが設置できるかどうかというのはどういうことですか」
「既存の屋根や屋上に設置する場合、屋根の強度に問題はないかどうか、専門業者に診断してもらう必要があると思います」
「なるほど、それじゃすぐ手配をしていただけますか」
「承知しました。それではすぐ手配します」
そういって退室しょうとする松本に「まあ、そう急がず、ちょっと話をしましょう。予定はどうですか」

「いま町長からお伺いしました事の手配をまずしたいと思います。手配が終わってからこちらに参るということではダメでしょうか」
「分かりました、じゃそうしてください」
 地方自治体職員の服務規程は首長を頂点として、上司の指示に従うのが課せられた原則である。副町長は職員ではなく特別公務員だから服務規程にしばられることはないが松本の意識は根っから職員だった。首長から受けた指示をただちに実行する。その手配を急いだ。