検証・電力システムに関する改革方針

「自然エネルギーですべての電力をまかなう町」の第2部です。

50億円の自然エネルギーファンド 連載小説279

2013年05月01日 | 第2部-小説
「占部町自然エネルギー普及ファンドを立ち上げて、資金を集めたい。ついてはファンド設立と運営のいっさいを東方信金さんでお願いできないか。これが私の相談です」
 将太は用件を端的に告げた。片桐は心得たという表情を顔面に広げ、「なるほど、いいですね」と2つ返事で賛意を表わした。
「私どもでお引き受けしたいと思いますがその場合、私どもの手数料はお考えいただいているでしょうか」

「当然必要だと思っていますが出資者への利払いもありますから世間相場より低く、抑えていただきたいと思っています」
「分かりました。私の一存ではお答えできません。本店とも相談してお答えできるようにしますが募集金額はいくらほどお考えですか」
「50億円ほどを考えています」
「50億円!」

 片桐はびっくりたまげた声を上げた。ファンドと聞いたとき、片桐はせいぜい数千万円程度だろう値踏みした。ところが冨田室長の口から出たのは50億円。想像もしなかった金額だった。
「これはびっくりしました。何をなさるのですか。50億円とは大変な事業です」