Heal-log

つれづれなるままに。

映画を読む。

2005年11月01日 | 読書


<↑この映画を観ようと思う方、小説を読みたい方はご注意下さい。ネタばれ入ってます>


小説が映画になった時、その話を知らなくても、本から入るという悪い癖が、私にはある。
悪い癖と書いたが、これは大概、映画を観てがっかりすることが多いからである。

考えてみれば、これは当たり前のことなのだけれど。
活字を追って描くイメージは、かなり自分好みのものになっている。
これが映像化された時、監督さんと感性が異なれば、違和感を憶えるのは当然なのだから。

それでも、私は先に本を読む。
映画でイメージが固まってしまう前に自分の感想を持ちたいから。


そんな自分が珍しく、映画を観てから読んだのが「この胸いっぱいの愛を」。
特に理由があった訳ではなく、小説があるのを知らなかっただけだ。
映画を観た日の日記にみゃみさんからコメントを頂いたのがきっかけで小説を読んでみた。


個人的には、この順番で良かったと、そう思った。
根本的には話の筋は同じだけれど、結末が逆転しているのだ。
また(当たり前だが)小説の方が登場人物も多くて、映画の補完になったのも、満足だった。

お話はハッピーエンドであって欲しいと思う。
途中どれだけ辛い内容があっても、終わりが良ければ全て救われる気がするから。
現実の世の中は「救いようのない出来事が」多いからこそ、物語だけでも「めでたしめでたし」で終わってほしいと思うから。

映画を観ている間中、ずっと最後に奇跡が起こることを願っていた。
けれども、何も起こらなかった。
全てが丸く収まっていたらそれで、「こんなに上手く行く訳ない」なんて言っていたのだろうけど、それでも悲しくて泣きっぱなしだった。

でも、小説を読んだことで、救われた気がする。
2日遅れのハッピーエンド。

幸せな気分で眠りにつきながら、映画を先に観る方がいいのかもと、少しだけ思った。