羊日記

大石次郎のさすらい雑記 #このブログはコメントできません

俺物語!! 1

2015-09-03 19:38:58 | 日記
『大和さん 先日はありがとうございました。大和さんと猛男くんのおかげで』ここからも長めの文が続く悠紀華からのメール。要は砂川と出掛ける時の服を選ぶの手伝ってくれよ、といった内容だった。待ち合わせると、「可愛いとか思われたいよね!」「あわよくば好きだと思われたいです!」相変わらずハミ出し気味の悠紀華だった。猛男に聞いてみようとメールすると猛男はそのまま砂川に服の好みを聞き、砂川は「普通で」と例によって気の無い回答。「普通の日本人に似合う服、和服かぁ!」「そこは洋服で」「誰にでも似合う洋服っつたら」猛男は考え、『制服だそうだ』と返信した。「制服にしますっ!」「きっと普通の服ってことだよぉ」察して、フォローする大和だった。
当日、悠紀華は制服ではなく、ふんわりしたワンピースに短袖のカーディガンといった服装。前髪はピンでぴっちり止め、毛先は両サイドで巻いて結んでいた。一同は悠紀華の提案で動物園に向かった。「どうして動物園にしたかっていうと小学校の遠足で」理由を猛男と大和に解説する悠紀華。当時、砂川が知らなかったキリンの名前の由来を知っているのに教えられなかったからだと語るが、当の砂川はなぜか別行動で聞かせられてない。「だからそれを砂に話せ!」猛男のツッコミに「ですよねっ」と焦る悠紀華。「今思うと、ドッジボールで庇って貰った時がPRIME TIMEでした。最高の時」「早過ぎんだろっ、PRIME TIME!!」猛男はツッコミが追い付かない程だったが、砂川とはどうにも上手く話せない悠紀華。
「あの鳥いいよね」と砂川が関心を示した目元が青く、羽先が黒の白い鳥の名前も、照れてしまって上手く教えることができなかった。園内を見て回る中、「おっ、悠紀華ちゃんっぽいのもいるぞ?」猛男がリスザル? を差すと悠紀華は落ち込んだが、
     2に続く

俺物語!! 2

2015-09-03 19:38:49 | 日記
「可愛いくねぇか?」と他意無かったことを知り、「悪い方に取ってしまってすいません」悠紀華すぐに謝ったが、猛男は何について謝られているのかよくわからず、砂川は少し笑っていた。ゴリラコーナーでは感心する猛男。ゴリラも猛男に注目。なぜお前だけ外にいる?「ゴリラは猛男君に似てますね」良い意味? で悠紀華が言うと、「似ててもゴリラには敵わねぇけどな」と猛男は意外と現実的なことを言い、砂川を笑わせた。その後、急に雨に振り込まれ、建物の中に皆で駆け込むと、「ただ雨宿りするだけで楽しいです、砂川君とだから」と猛男と大和に呟く悠紀華。「だから砂に言え!」何度目かのツッコミを入れる猛男。
「悠紀華ちゃん、このままじゃ小学校の時と同じだぞ?!」「あたし、話しますっ」猛男に諭され、悠紀華は土産物コーナーで一人ブラつく砂川の元へ向かった。「す、砂川君がいいって言ってた鳥のポストカード無いですね」「あんまり人気無さそう出しね」「残念ですね」そこまで話して猛男達の元へ戻る悠紀華。「やったぁ!」3人は他愛なく喜び合った。遠目に悠紀華の笑顔を見ている砂川。やがて雨も上がり、外でクイズ大会が開かれた。ペアを組んで参加することになり、流れで一時砂川に手を繋がれる悠紀華。「はあぁぁっ」顔が茹で上がりそうな悠紀華は、クイズでも大活躍だった。「本が好きなので」と恐縮する悠紀華。「幼稚園の時も読んでたもんね」「砂川君もいつも読んでますよね!」話が合い、見ていてくれたこを悠紀華は喜んだ。
夕方、駅で別れる四人。猛男は大和を送るという。「今日はありがとうございました」礼を言う悠紀華。「楽しかった。じゃあ、学校で」砂川は一人で帰って行った。「夢みたいでした」「夢じゃねぇぞ、大丈夫だぁ! 勇気出したからな」「人生で一番幸せでした」
     3に続く

俺物語!! 3

2015-09-03 19:38:40 | 日記
「スライムタイムか!」「PRIME TIMEです」何気に作中でまともに猛男と唯一掛け合いが成立している悠紀華。「今日、砂川君と何でもない話しました。笑ってくれました。ずっとそんな風にしてみたかったんです」悠紀華は満足して一人で帰って行った。
しかし、翌日砂川に話し掛ける悠紀華を見掛けた猛男は会話の後で浮かない顔をしているのに気が付いた。「悠紀華ちゃんどうした?!」泣き出す悠紀華に猛男は慌て、周囲も気付いて人が集まり出し、青春らしく屋上で話を聞こうと思ったら立ち入り禁止だった為、閉じられた扉の前で話を聞いた。「砂川君は優しいです。優しいから動物園言ってくれて、優しいから笑ってくれて、砂川君は私のこと嫌いじゃないと思います。でも、好きじゃないじゃないですか? 優しさだけなんですよ」(砂を見て、何かが違うと思ってたがそれだ。嫌いじゃねぇけど、好きじゃねぇんだ)「私、夜とか砂川君が何してるのかなって思うんです。逢いたいなって思うんです。偶然逢ったりしないかなって思うんです。でも、砂川君はそういう風に思ってないじゃないですか?」答えられない猛男。「すまん、わからねぇ」「わからないんですね。私の気持ちと差があり過ぎて心折れました。もう止めます、今までありがとうございました。砂川君にも伝えて下さい」階段を駆け降り出す悠紀華。「告白何てするんじゃなかった」涙を溢していた。
それから猛男は砂川と帰っていた。悠紀華の気配はもうしなかった。そこへ大和が走ってきた。悠紀華から礼と、もう会うことは無いと思います。などとメールが来て驚いていた。返信もしても応答無く、電話出てくれなかった。「砂が優しいのが、辛くなったんだそうだ」簡単に訳を話す猛男。「お前にありがとうって伝えてくれって言われたが」「あ、そう」砂川はあっさり
     4に続く

俺物語!! 4

2015-09-03 19:38:30 | 日記
一人で帰って行ってしまった。
翌日? 猛男はまた砂川と帰っていたが、悠紀華の気配を感じた!「砂、先に帰ってろ!」猛男は振り返って駆け出し、「悠紀華ちゃん!」「キャーッ!」ポストの陰にいた悠紀華に声を駆けた。悲鳴を上げて逃げる悠紀華!「大和! 悠紀華ちゃん見付けたぞ!」追いながら、電話で知らせる猛男!「何で逃げる! こんな風に、砂からも俺達からもフェードアウトは無ぇだろ?!」悠紀華は公園の女子トイレに逃げ込んだ!「卑怯だぞぉっ」さすがに追えない猛男。体力超人的でも軽く対応された。
「もういいじゃないですか?」「砂だって今は優しいだけかもしれないけど、これからじゃねぇのか?!」「辛くて話し続けられません! 私は猛男君と違って繊細何ですよ!」「だけど、俺は幼稚園の時、砂にやったチョコの手紙見てよぉ!」「見たんですか?!」「すまん! あの手紙見てよぉ、感動したんだ! 本命ってこういうことかって思ったんだ! 今でもいいと思ってる。砂だって、手紙を覚えてたんじゃねぇか。誰にでも優しくしてた訳じゃねぇと思うぞ! こんな風に終わらせたら、寂しいじゃねぇか?!」大和も駆け付けた。中へ入る大和。猛男は様子を見ていたが、巡査に見付かってしまった!「女子トイレの前で何してんのかね? 覗きか?」これに、悠紀華がすぐに飛び出してきた。「大事な話しをしてたんです!! その人は私の友人です!」何とか誤解は解けた。
「私の手紙、感動するような手紙でしたか?」「おう!」認められて、心動かされた悠紀華。「本当は、このまま砂川君と話せなくなったら寂しいです」泣き出していると、砂川から電話が入った。「あわはぁっ! 砂川君だ!」「出ろっ!」「頑張って!」何とか電話に出る悠紀華。「砂川です、天海さん?」「はい、私です。はい、はい、わかります。はい」
     5に続く

俺物語!! 5

2015-09-03 19:38:20 | 日記
何か話して電話を切る悠紀華。「今から会おうって言われました。私、逢ってきます!」悠紀華は駆け出した。「ウチら、ここで待ってるよ!」「行ってきます!」公園を出て街頭を走る悠紀華。
砂川はとあるビルの下に居た。「猛男から聞いた。呼び出してごめんね」「いえ!」砂川は小包を渡した。「今までチョコレートありがとう、ずっとお返しきたかったんで、ありがとう」そして、断りの言葉を述べた砂川。「今まで優しくしてくれてありがとうございました。本当に好きでした! また学校で会ったら、お話ししてくれますか?」砂川は頷き、悠紀華は涙を拭っていた。
悠紀華は公園に戻ってきた。砂川からのお返しは栞とブックカバー? だった。「超センスいいですよね、大好きです。10年分のお返しだってくれました。ごめんなさいって言われました」包装も畳んで持ってる悠紀華。「楽しかったです! 遅くまで相談したり、服選らんだり、砂川君と一緒に帰ったり、全然話せなかったけど、動物園行ったり、全然話せなかったけど、それでも私、幸せなこといっぱいありました! 砂川君と私の世界が繋がって、私、告白して良かったです!」「ふんっ」猛男は悠紀華を力付けるつもりで平手で背中を叩いたが、悠紀華はよろめき咳き込んだ。慌てる猛男。「痛いですよ、華奢何ですよ? わりと虚弱寄りの、死にますから」反省する猛男。微笑む悠紀華。「猛男君みたいになりたかったです。砂川君、猛男君のこと大好きじゃないですか? でも、咄嗟に川に飛び込んだりとか無理何で」「俺も、悠紀華ちゃんみたいな手紙は書けねぇ!」「因みに私も猛男君のこと好きです。砂川君に対するのとは全く違うけど」「砂に言いたいことは全部言えたのか?」「はい、10年間、ずっと伝えてました。何もいらないから、好きになってほしい。
     6に続く