羊日記

大石次郎のさすらい雑記 #このブログはコメントできません

デスノート 1

2015-09-07 21:20:25 | 日記
月と総一郎は車で受け渡し場所に到着した。ニアの指示で模木と相沢は裏口、松田は入り口からやや離れた特殊部隊を率いて『10分後』の突入に備えた。だが、この時点でニアは胸を押さえ咳き込む等、体に異変の兆候があった。「粧裕!」拘束された粧裕を見付け声を上げる総一郎。月も続く。誘拐一味の一人が銃を突き付けつつ粧裕の猿ぐつわを取った。「お父さん、お兄ちゃん、ごめんなさいっ」「粧裕」月が近付こうとすると、頭上から足元を銃撃された!「人質には近付かないで下さい。ノートを頂いてからです」上階の通路から日村がライフルで銃撃していた。「日村君、君はずっと欺いていたのか?」「いいからノートを!」「私の質問に答えろッ!」「いいですか夜神さん? 私達の目的はただ一つ、デスノートです。娘さんの命を奪いたい訳ではありません」アタッシュケースからビニール袋に包まれたデスノートを取り出す総一郎。「ノートはここにある」「ありがとうございます」日村が礼を言う中、デスノートを執着した目付きで見詰める月。「先にノートを頂いてから、娘さんを解放します」「俺が行くよ」月は名乗り出た。
「大丈夫ですかニア? 風邪かな?」対策室ではワタリが胸を押さえ具合の悪そうなニアの傍にミルクティーを置いていた。呼吸の荒くなるニア。「ニア?」「ううっ」ニアは机に突っ伏した。「ニア?! 大丈夫ですか?」顔を上げるニア。「ワタリ、手を出して」戸惑いつつ手を出すワタリ。「はい」ニアはワタリの片腕に手錠を掛けた!「あっ、え?」ワタリの腕を引いて近くの階段まで無言で歩くニア。「ニア? なっ」ニアは階段の格子に手錠のもう片方を掛けてワタリを拘束した!「何をするんですかニア?!」笑うニア、声が違う!「残念だったな、ワタリ。ついに乗っ取ったぜ!」「メロぉ!」
     2に続く

デスノート 2

2015-09-07 21:20:17 | 日記
「もうニアは出て来ねぇかもしれねぇなぁ」メロは回線を開き、ニアの声色で松田に通話した。「取引現場が変更になりました」「ええ?!」慌てる松田。「止めなさいメロ!」「うるせぇ! 黙ってろッ!」一時回線を切って罵倒するメロ。「松田さん、今から言う場所に向かって下さい。もう模木さん達も移動しています」これを全く疑わない松田。「了解です。移動です!」松田は特殊部隊を連れ、まんまと移動して行った。
デスノートの受け渡しは武器を置き、月が日村に、総一郎が粧裕に近付く度に粧裕に付いている男が遠ざかってゆくルールで行われることになった。「私の10カウントで、動いて貰います」日村は銃を置き、カウントし始めた。「10、9、8」既に『10分』経った為、松田の特殊部隊の増援を信じたまま模木達も建物に潜入し始めていた。「7、6、5」上階の通路に月がデスノートを持って上がってきた。「4、3」粧裕の傍に迫る総一郎。「2」日村に近付く月。「1」日村の目の前に来た月は袋入りのデスノートを掲げ、日村が受け取ろうとした。そこで、部屋の扉が開いた! 模木と相沢が後ろから誘拐一味に銃を突き付けられて入ってきた!
率いているのはメロ! 黒色のノースリーブに着替え、髪もストレートになっているメロ!「俺はメロ! ニアの中にいたもう一人の人格だッ!」事態と唐突な名乗りに固まる月と総一郎。「ニア?」「ニアじゃねぇっつうのっ!!」戸惑う総一郎に呼ばれ、腹を立てて銃を構えるメロ! 総一郎は粧裕を庇う構えを取った。「特殊部隊は来ない。デスノートは渡して貰うッ! 俺はL何て大っ嫌いだ。やり方がヌルいんだよ! だからキラに殺されたんだ。俺だったら怪しいと思ったヤツは、片っ端からぶっ殺してやるよッ!!」(何なんだコイツぅっ)意味がわからな過ぎて何も対応できない月。
     3に続く

デスノート 3

2015-09-07 21:20:08 | 日記
「夜神月、そのノートを日村に渡せ!」「仲間だったのか?」初めて笑みを浮かべる日村。「邪魔する奴は、全員ぶっ殺す!」模木達にも銃を向けるメロ!「早くしろッ!」月は日村にデスノートを渡した。「ありがとう」素の様子で礼を言う日村。「夜神総一郎! 模木完造! 相沢周市! 夜神月! 俺達の邪魔したら、わかってるな?」「お前」月が何か言い出そうとすると、メロは銃を乱射し、日村を含めメロ一味は粧裕を残し逃走していった。
一同は粧裕を連れ、対策室へ戻ってきた。ワタリからニアとメロの人格について聞き、「そんな奴にデスノートが渡った」苦々しく呟く相沢。名の知られている対策室一同は焦っていたが、総一郎は何か考え込んでいた。「メイソンって呼ばれた気がする」粧裕は一人の名前を聞いていた! 月は犯罪者リスト? を検索し、簡単に一味の一人の顔とフルネームを割り出した!「いつ日本に来たか、調べましょう!」勢い込む月だったが、総一郎の腰は重かった。「父さん!」「よし、足取りを追うぞ」月以外は操作に取り掛かった。(コイツは使える)月は端末の画面で顔と名前を確認した。「粧裕、今日はもう帰ろう」「うん」「送ろう」総一郎が送ろうとすると、「僕が送ります」月が代わろうとした。改めて違和感を感じる総一郎。(キラに逆らったヤツがどうなるか、思い知らせてやる)妹を連れ、総一郎に背を向けると暗い顔をする月。総一郎はその背を見ていた。
月は海砂に命じ、デスノートの切れ端でメイソンを操り誰も知らないメロ以外のメロ一味の名前とアジトの場所を聞き出し、魅上にメイソン以外の残りの一味の条件指定付き『削除』を書き込ませた!
さらにもう一つ魅上に命じ、月が対策室に戻ると総一郎のスマホに非通知の着信が入った。ワタリに通話をスピーカーに繋げるよう指示して
     4に続く

デスノート 4

2015-09-07 21:19:59 | 日記
電話に出る総一郎。「キラです」加工音声のキラを名乗る者。「何でキラが父さんに」「キラ」唸るような総一郎。「ノートを、悪人に奪われましたね」魅上がキラに成り済ましていた。「犯人達の人数と居場所をお教えします」魅上は対策室の正義を信じノート所持を黙認してきたが、今回の事態は看過できないと主張してみせた。「今回は正義の為、力を合わせましょう」(いいぞ魅上)人数と居場所を伝え、魅上は電話を切った。
「信じていいんでしょうか?」疑う模木。(何を言っている?)「信じるしかない」我慢できず口を出す月! 月を見ている総一郎。「メロ達以外で知っているのはここにいる人間達しかいない。イタズラ何かじゃない」「けど、どうやって知ったんだろう?」当然疑問に思う松田。(黙って聞いてろ!)「今は、手掛かりがほしいじゃないですか」焦る月を見ている総一郎。「何?」「いや」「とにかく、チャンスだよ」月の後押しで、うやむやにアジトへの突入は決まったが、総一郎は思い出していた。『俺は、キラが憎いよ』月はそう言っていたはずだった。「お前がキラだと名乗る奴のことを信じるとはな」「ほら、今は情報が無いからさ」もう詳細に追求する者もおらず、大雑把にごまかす月だった。
「ハルは?」「さっき出てきました」ハル(日村)とメイソンのいないアジトで残った手下達といるメロは板チョコをかじっていると、中へ催涙グレネードが放り込まれ、特殊部隊と模木達が踏み込むと、同時に手下達は次々と心臓麻痺で死んでいった!「メロ、抵抗するな!」1度立ったメロはソファに座り、ふてぶてしく改めて板チョコをかじった。手下殺害は電話のキラか、デスノートを持ち出していた日村の犯行と想定されたが、総一郎は別の可能性を考え始めていた。
いつものビルの屋上で「アイツの名前を見て、消してくれ」と魅上に命ずる月。
     5に続く

デスノート 5

2015-09-07 21:19:49 | 日記
「神の召すままに」魅上は笑っていた。(ニアだろうが、メロだろうが、Lの足元にもおよばない)月も余裕の様子だったが、魅上が取り調べを行う当日、メロは脱走した! 魅上から連絡を受けた月は総一郎よりも早く何も説明せずに対策室を飛び出して行った。後からメロ脱走を知った総一郎はワタリがメロの暴走に、「まさかこんなことになるとは。私が、そう思いたかっただけなのかもしれませんね」と吐露すると、Lの言葉を思い出していた。『これから何が起きても、目を背けないで下さい』腹を決めた総一郎は「Lは他にビデオを残していないでしょうか?」ワタリに問うた。
「夜神さんに頼まれたら、見せるように頼まれていたビデオがあります」ワタリはLの端末を操作し、総一郎に動画を見せた。「夜神さん、Lです。この3つ目のビデオを見てるということは、夜神さんが真実を知りたくなったということです。たぶん、夜神さんが感じていることは真実です。今起きてることは、全て私の計画通り何です」「計画?」「私の計画を見ていて下さい。気持ちはわかりますが決して余計なことはしないで、今の彼はとても危険です。あなたは、とても素晴らしい警察官だと思います。そして、私にとっては、父親のような存在でもありました」画面を見ている総一郎。「夜神さんには私のようになってほしくないんです」Lはそう伝えていた。それから総一郎は「L」呟きながら、どこかへ車を回していた。
定められた地下駐車場に月は一人で現れた。バイクに乗った者が1台現れた。メットを取ると、ハル(日村)だった。「夜神月。いや、キラ」銃を構えるハル。平然としている月。「お前を殺す!」時計を見る月。「お前は、お前は」様子が変わるハル。「俺を殺すつもりですか? ハル・リドナーさん」ゆっくりと銃を下ろし、よろよろと引き寄せられるように片手を拡げて出す月に近付くハル。
     6に続く