川塵録

『インテグリティ ーコンプライアンスを超える組織論』重版出来!

コンプラを変え,会社を変え,日本を変える!

『92歳、広岡達朗の正体』 松永多佳倫

2024年05月18日 | 野球
広岡ファンでもない。西武ファンともいえない。

でも、合気道とかを修め、中村天風の一番弟子みたいな広岡達朗には、自分の世界がある。精神世界がある。

野球界に、こういう人は珍しい。

だから買った。読んだ。

よかった。

広岡達朗はインテグリティある人だ、というのが第一印象。

広岡達朗伝を読んでインテグリティあると評するのは、世界中で私だけだろう。

インテグリティある - 常に完璧を目指している、という意味で。

自分に厳しすぎるあまり、他にも厳しく映っちゃう、というのは、私と似ているかも、と思った。

広岡達朗は、長生きして、いろんなものに勝利した、といいうる。長生きしてまだ健在で活躍しているからこそ、こういう本が出た。

なんでも、起きたら冷水を浴びる、ような節制をしていたらしい。日頃の節制が寿命を導き、こういう本をもたらす。

なんだかんだ言って、「長生きしたもん勝ち」的なところはありますよね、、、

◆ この本の冒頭で、日本刀で藁を切る見本を見せるくだり

 …そうそう、この精神性、武道との親和性が広岡達朗の本質。

◆ 弱小球団を2度も2年半以内に優勝させたのは広岡だけ

 名将とされる野村も森も、1球団でしか優勝させることはできていない

◆ 率先垂範の人。プレーの見本を見せる。だから50歳までしか監督をやらないと公言していた。

 63歳でロッテのGMになるときも、自宅にコーチを招いて、上半身ハダカで、コーチにスローイングの練習をさせた、、、

◆ 新人時代、一日2000本の素振りを自らに課した

◆ 「打撃の神様」川上哲治は、二軍投手を3人引き連れて、多摩川河川敷(私の自宅近く)で、2時間ぶっ続けで打ち続けた

◆ 川上は、戦時中、「銃弾の雨の中を潜り抜ければ、無の境地を会得できて打撃に活かせるのではないか」というアッタマおかしい思考回路をしていた。

 「打撃の神様」ではあったけど、野球の神様でも人間の神様でもなかった

◆ 王貞治はデビューして27打席ヒットなし

◆ 榎本喜八も、荒川道場で、藤平光一から合気道を学んでいた。

 
 ちょっとおかしくなっちゃったみたいな(失礼、人付き合いが下手だった)榎本は、広岡に似ているところがあるな、、、

◆ 王貞治の一本足も、合気道の藤平光一のアドバイス

 …これはあまり論じられないのはなぜだろう

◆ 王は常に「長嶋の2倍」練習することを自らに課していた

 …実際、ホームランもほぼ2倍打った

◆ 広岡は、引退後、1ドル360円の時代に、半年、世界を見て回った

◆ 広岡は、カープのコーチ退団後、猟官のために(巨人のコーチにしてもらいたくって)、確執があった川上哲治宅を訪れた

 …その勇気たるや。「逃げない」人ですね、広岡は。

◆ 「このくそ!」

 この一念が、広岡達朗の原動力であった。

◆ 1978年、ヤクルトの初優勝時、監督の広岡達朗は14回も胴上げされた

◆ 新人の工藤公康が、投手連携練習で気のないボールを投げたら、西武の先輩から「おい、出ろ!」と言われて練習の外に出された

 …すごいプロフェッショナリズム。

◆ 西武の辻発彦の前で、50を過ぎた広岡が守備の見本を見せた。

 辻は「やべぇ、かっこいい~」と思った。

◆ 西武時代、広岡達朗は、選手とともに、1時間も、ランニングをしていた。50歳で、、、

◆ 西武初期、まだグランドもないので、品川プリンスホテルの駐車場でキャッチボールをしたり、高田馬場Big Boxで水泳トレーニングをしたりしていた(!)

◆ 西武監督就任の初っ端、田淵とかをくさした。

 田淵は「優勝してやろうじゃないか。優勝して胴上げして、3回はちゃんと上げて、4回めに監督を地面に落としてやろう」とチームに言った。それでチームがまとまった。

◆ 62?63?歳でロッテのGMに。早稲田の後輩小宮山悟に:

 「その年でそんなに背筋をピンと伸ばして、姿勢良くボールを獲ったり投げたりできるのはもう人間じゃない。妖怪だ」

 と言われた。

____________

私も、広岡達朗にあやかり、妖怪と言われるように頑張ります!


 
 なお、松永さんの文章は、時系列が分かりにくかったり、主語が分からないところもあり、、何度か読み返しをさせられました、、 次回作に期待!
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