川塵録

『インテグリティ ーコンプライアンスを超える組織論』重版出来!

コンプラを変え,会社を変え,日本を変える!

是々非々(ぜぜひひ)

2023年05月05日 | 言葉
是々非々(ぜぜひひ)。

正しいことは正しい。
悪いことは悪い。
と、そのまま認めること。

 私情を交えず、公正に善悪を判断すること。

____________

って辞書的な意味。アッタリマエ、と思われますが、実はこれが難しい。

国民みんなが右を向いているときに、「え、正しいのは左では?」とは言いにくい。

過去にもありました。

国民みんなが神州不滅! 八紘一宇!って言ってたときに、「小日本主義」を唱えたのは、独り東洋経済主幹の石橋湛山だけだった。

いまもそう。

国民みんなが左を向いているときに、「え、正しいのは右じゃね?」とはなかなかいえない。

私が今関わっている宗教案件もそう。

今は世間の風向きもだいぶ変わってきましたが、特に昨年、みんなが「解散せよ!」と叫んでいたころ、「え? 解散の要件、満たしてなくね?」って声を出した人は(ほぼ)いなかった。

本来なら、知的な階層は、「いいものはいい」「悪いものは悪い」と言わなければならない。

そうなっているのだろうか。

昔から、 いいものはいい/悪いものは悪い と言って、「是々非々」の態度を取った稀有な方が、米本和広さん。

家庭連合を、一方で激しく批判し、反家庭連合(弁護士紀藤正樹先生ら)をも、激しく批判する。

まさに「是々非々」の方。

こういう方の書いた立派な本が、Amazonで693円で読めるのですが、ネットTwitterとかを見ていると、米本和広さんに言及する人はとても少ない。

 
安倍元首相殺害犯人が、犯行前日に手紙を出した相手でもある。このへんが報道されないのにも、なにか恣意的ないやらしさを感じる。

家庭連合に関しては、「献金の加害者 ⇔ 被害者」って構図Aばかりが報道される。

でも、この本のように、「拉致監禁の加害者 ⇔ 被害者」って構図Bもある。

構図Aばかりを報じるのではなく、その背後にある構図B(たとえば、青春を返せ裁判の97%は、被害弁連側が、拉致監禁の被害者を原告に仕立てた)までをしっかり調べて書く。

それが「是々非々」ってこと。島薗進教授とか櫻井義秀教授は、この「構図B」を知りながら巧妙に無視してきた。何十年も。

だから「是々非々」ではない。党派性がある。是々非々の反対は党派性。だから是々非々ってのは、「中立で、公正」ってこと。

櫻井義秀さんが、いま旺盛な執筆活動をされている。でも彼は、是々非々ではないので、何を書いても説得力がないんですよね。これはかつて書きました(神慈秀明会の文脈で)。


櫻井さんは、最新刊の『統一教会』でも、後藤徹さんの件(拉致監禁)は触れていないし、、

是々非々ではない学者ってのは、曲学阿世の徒。全面講和論を唱えた東大の南原繁総長が、吉田茂からこう攻撃されました。

水俣病が話題になった1960年代にも、「チッソの責任なし」という意見を書く曲学阿世の御用学者がいました。

そうそう、弁護士の業界である、「第三者委員会報告書」。これも第三者とは名ばかりで、御用学者的なヒドい報告書もあります(だから久保利英明先生が格付け委員会とかで頑張っている)。

こういう曲学阿世の徒は、百害あって一利なし。その辺は別稿で。

 
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 時計の振り子の揺り戻し | トップ | 後藤徹という十字架 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

言葉」カテゴリの最新記事