
櫻井義秀さんと中西尋子さんの労作。5000円以上する?エラい分厚い。
電子書籍では、該当部分をコピペできない…
300頁に、トンデモない記載を発見しました。トンデモ本です。これは。。
気になるところを取り急ぎメモ。トンデモ部分は、以下の300頁です。
■ 16頁
「自由意志の有無」や「絶対に逆らえない心理操作」を実証することは不可能
…「マインドコントロール」「洗脳」という概念を否定する文脈で
■ 66頁
2003年~は、文鮮明の言葉を集めた『天聖経』が原理講論より重きをなしてきた
■ 71頁
信者は祝福を受けることを最大の目標とする
■ 85頁
1997年のアジア通貨危機は韓国へ深刻な影響→統一教会にも打撃
■ 93頁
霊感商法のマニュアル的な説明
■ 頁不明(失念)
天地正教:川瀬カヨが教祖
■ 167頁
(家庭連合は)カルトや詐欺的集団ではなく、宗教団体
■ 201頁
元信者が勧誘行為の違法性を争って勝訴したのは、1987年の提訴後、2001年になってから(14年は負け続けた?)
■ 203頁
ー統一教会信者は、学歴や出身階層が高く、向学心も強い(欧米での研究データ)
ーアイリーン・バーカー(英国)によれば、「生きる意味や世界の目的といったものを模索していたが自分では見いだせなかった」人が有意に統一教会信者となる
ー入信後、信者たちがそれまでの自己と社会の認識や生活様式を一変させるというところにこそ統一教会信者の特徴がある
ー「育ちの良い素直な青年」が信者になる
■ 241頁
黙祷の反対は通声祈祷
■ 300頁
神慈秀明会(元信者)の集団暴行殺人事件(1995年、福島県須賀川市の「福島悪魔祓い祈祷事件」)を、あたかも統一教会の犯行のように書いている部分あり
…これはひどい! (冒頭の画像です)
この一節だけでも、この本には一片の価値なし、櫻井義秀先生(と共著者の方)の言説には何も価値がない(有害無益)であることが分かりました。
即刻、削除されるべきですね。
これ、トンデモない、名誉毀損的な本です。
トンデモ本です。
学者としての、良心、倫理観、プロフェッショナリズムが、完全に疑われます。
櫻井義秀先生のおっしゃることには、大変失礼ですが、学者としての価値はゼロ、とまで申し上げたいです。。。
■ 328頁
カルト的信仰=組織に依存させられた信仰
…説得的ではない、たとえばキリスト教との違いが分からない
■ 396頁
いかに統一教会といえども、奪う一方では人が離れていく。与えることも必要である。
■ 553頁
統一教会はつくづく不思議な宗教だと思う。(中略)筆者たちの想像を超える信仰生活という意味で感嘆せざるをえないのだ。
■ 553頁
『原理講論』に決定的に欠落している論証、すなわち文鮮明が再臨主であることが何ら証明されていない
…はは。「証明」できたら宗教じゃないってw
____________
その他、これを刊行した2010年には、2008年の米本和広さん『我らの不快な隣人』はもう出ています。
こういう、中立的と思われる人が書いた本(4300人くらいの、統一教会信者の拉致監禁)にも触れないと、信憑性はない。
櫻井義秀先生は霊感弁連にお金を払って、全国弁連からの情報を元にこの本を書いたことを、本書の中でお認めになっています。
それはともかく、300頁の「神慈秀明会(元信者)の犯行をあたかも統一教会の犯行のように書いた」というだけで、この本には(学術的には)一片の価値なし、ということが分かりました。
中立性、客観性がないからです。
左翼のプロパガンダ本、と一蹴させていただきます。
※後記
調べると、この本を著した2010年には、櫻井義秀先生はもう北海道大学の教授になっている。大学教授なのに、こういう中立性と客観性のない記述を公刊されるんですね。。。
調べると、この本を著した2010年には、櫻井義秀先生はもう北海道大学の教授になっている。大学教授なのに、こういう中立性と客観性のない記述を公刊されるんですね。。。
「大学教授の言うことを安易に信用してはいけない」といういい他山の石になりました、勉強になりました!
この『統一教会』も「統一教会についての学術的研究のほぼ唯一にして最高峰」「文句なし」と評価している研究者もいます( https://twitter.com/hotaka_tsukada/status/1546349424632549376 )。
しかし、中山先生もご指摘したところ含めて、本書にはツッコミどころがたくさんあります。
私のツイートで櫻井義秀先生の研究の問題点をまとめているので良ければご参照下さい。
https://twitter.com/4uz3ch4OgUly8Wg/status/1584518541469892609
上記の中で2つはほぼ確実に研究不正と呼べるものです。
ただ、私がアカデミアに失望しているということもあって、然るべきところに訴えても、まず通らないという絶望感があります。
中山先生のご見解も良ければお聞きしたいです。
1の嘘を言う人は1000の嘘を言います。櫻井義秀先生が何を言っても私には信用できません、あの本の300頁の記載からすると。
「1の嘘を言う人は1000の嘘を言います」というのはおっしゃる通りですね。学術において改ざん行為や捏造行為が、レッドカード一発退場になるのはそのためのはずなのですが、櫻井先生の研究を真っ当に批判する人はアカデミアの中にいません。
残念で仕方ないです。