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パンダの丸かじり 東海林さだお

いつも通り、食物を擬人化したり、料理について普段とは違った視点で語ったりのエッセイ集。本書の白眉は、落語家春風亭一之輔師匠の巻末解説だ。このシリーズについて「いつまでもあると思うな」と言うコメントを文章にする勇気、あえてそう言わざるを得ないこのシリーズへの想いがすごいと思う。改めて著者略歴を見ると御とし85歳とある。これが書かれたのが平昌オリンピックの頃なので、その時すでに80歳を超えていたことになる。この本を読む直前に、このエッセイが連載されている週刊朝日が100年の歴史に幕を閉じて休刊になるというニュースがあった。まさに、好きな作家や作品について「いつまでもあると思うな」という言葉が胸に刺さる気がした(「パンダの丸かじり」 東海林さだお、文春文庫)
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