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心中おサトリ申し上げます 未上夕二

7年前に本屋さんでサイン本を見つけて購入、そのまま未読だった一冊。「野生時代フロンティア文学賞」という賞の受賞作とのこと。毎日心にもないセールストークと上司の中身の薄いお花畑ポエムのような訓示ばかりを言ったり聞いたりしているうちにまともな会話ができなくなってしまったセールスマンの主人公が、何とか自分の言葉を取り戻そうと奮闘するファンタジーだ。それを手助けするのが日本の昔話に出てくる人の心を読むことができる「サトリ」という妖怪。奇妙な設定と、日常生活、自己啓発本、ネットの書き込みなどで耳にする当たり障りのない空虚な言葉への痛烈な揶揄で貫かれた展開を楽しく堪能した。この著者が本作の後どのような本を出しているのかネットで調べてみたら2冊ほどヒット。どちらもお仕事小説のようで読んでみたくなった。(「心中おサトリ申し上げます」 未上夕二、角川書店)
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