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むかしむかしあるところに死体がありました 青柳碧人

勧善懲悪の童話の世界と誰もが疑わしいミステリーの世界を融合させた軽いタッチのミステリー短編集。言い換えれば、理屈の通用しない童話の世界と論理的な推理が肝要なミステリーの世界が上手くミックスされているのと同時に、理屈抜きでエンターテイメント本としても楽しめる作品。まだまだ童話はたくさんあるので、続編が楽しみだ。。(「むかしむかしあるところに死体がありました」 青柳碧人、双葉社)
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探偵AIのリアルディープラーニング 早坂吞

書評誌などで非常に高い評価を受けている本書。買ったまま積ん読にしていたら、もう続編刊行というニュースが入ってきたので、慌てて読むことにした。確かに本書は、色々な意味で画期的な作品であると感じた。AIの知識はほとんどないが、AIがかつて抱えていた問題点がどの様なものであったのか、そして今の科学技術がそれをどの様にして乗り越えてきたのか、本書を読むととてもよくわかる。しかもその経緯がミステリーの謎解きに上手に使われていて、思わず唸ってしまう内容だ。ちょうど少し前に読んだ世界中で話題の「三体」に匹敵する画期的な作品であると感じた。(「探偵AIのリアルディープラーニング」 早坂吞、新潮文庫)
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落語 三遊亭白鳥独演会

即位礼正殿の儀の日に合わせて行われた独演会。超満員の盛況振り。本人からの要請で詳しく書くことは控えるが、自分の昔の新作落語をこのおめでたい日に合わせて改変したような内容で、心の底から楽しめた。
①秘密の花園
②隅田川母娘(ご即位お祝いバージョン)
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生物学探偵セオ・クレイ アンドリュー・メイン

初めて読む作家で、どういう話か全く知らないまま読み始めた。題名にもなっている生物情報工学者の主人公の視点で描かれているので、犯罪の被害者に対する主人公の罪悪感のようなものの吐露があると、何だかそれに裏があるのではないかと思ってしまったり、登場人物の全てが疑わしかったりで、終始ハラハラドキドキの展開で、特に後半はタイムリミットサスペンス並みの怒涛の展開だ。作者は、プロのマジシャンと作家の二足のわらじとのことだが、本作中主人公が見せる科学的思考による推理の面白さはただ者ではない気がする。既に続編が刊行されているとのこと、翻訳の出版が待ち遠しい。(「生物学探偵セオ・クレイ」 アンドリュー・メイン、ハヤカワ文庫)
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三体 劉慈欣

翻訳小説として史上初めてヒューゴー賞長編賞受賞と話題になったSF小説の翻訳。中国の文化大革命時の知識人迫害から始まり、どんなSF世界が展開するのかと思っていたら、何とSFの王道ファーストコンタクトものだった。そういう話だったのかとわかった後も話は次から次へと緊迫の場面が続く。ゲーム小説のような擬似体験あり、異世界もののようなバカSF要素あり、科学的知識を駆使したハードSF要素ありで、最後まで面白さ全開だった。SFには少し苦手意識があるが、さすがに世界を熱狂させた作品。三部作で続編は来年刊行とのこと。心から待ち遠しい。
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音楽 シンディーローパー

自分より4歳年上のロックシンガー。昔よりもパワーアップしたようなステージにはビックリだが、個人的にはもう少ししっとりした感じの方が良いかなと思ったりした。最後の3曲は、タイムアフタータイム、ガールズジャストワナハヴファン、トゥルーカラーというヒットメドレー。なかでも、タイムアフタータイムは、感動的な演奏だった。
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落語 林家彦いち独演会

古典落語に飽きてきたので、新作落語を中心に聞くようになってきた。演目は、彦いち本人が3本、ゲストの柳家三三が1本で、いずれも新作落語。三三の演目が一番新作らしいはちゃめちゃさだった。最後に春風亭昇太が登場してSWA の復活を発表。会場が大いに盛り上がった。
①保母さんの逆襲 彦いち
②神々の唄 彦いち
③掛け声指南 三三
④自殺自演 彦いち
⑤エンディング 彦いち、昇太

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暗黒ディズニー入門 高橋ヨシキ

子どもから大人まで、全ての人に夢を与える「ディズニー」の作品や施設。その頭に「暗黒」という言葉がついているのだから、これは一般には知られていないディズニーの商業主義であるとか現場のブラック企業振りといった暗部を暴露した「告発本」のようなものかと思って読み始めたのだが、実際は全くそうした本ではなかった。当然、あまり知られていない実情を語る部分に「知らなきゃよかった」的な記述が多少あるのは確かだが、大半は、ディズニーの映画とアトラクションの進化史だ。記述の中で特に印象的なのは「ディズニー」という企業と映画技術の進歩との関係、映画史そのものの分かりやすい解説だ。世界の最先端を行く日本のアニメがかつてこうした流れをずっと追いかけてきたんだと思うとある種の感慨を覚える。本書に登場する映画で実際に見たことのある作品は数本しかないが、「トゥモローランド」とか「ダンボ」とかいくつかの映画を見てみたくなった。(「暗黒ディズニー入門」 高橋ヨシキ、コア新書)
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デブを捨てに 平山夢明

下品で悪趣味と言ってしまっては身もふたもないが、本当にいそうなどうしようもない人間とバカバカしいがありそうな話に、読み手は終始何かを試されているような気分にさせられる。自分とは全く縁のないように思えるが一歩間違えればそんな世界に片足を踏み込んでしまいそうな世界をどこまで想像できるか。バカバカしいと笑って済ませられるかどうかを試されている。そうした危ない気分になればなるほど、日頃から如何に自分が予定調和的な小説に慣れてしまっているかを思い知らされる。(「デブを捨てに」 平山夢明、文春文庫)
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講談 神田松之丞

なかなかチケットが取れないので名古屋まで来て観ることにした。今回も女性客が多い。会場の手前で物販とサイン会。面白そうな本があったので、買ってサインをしてもらった。演目は、源平盛衰記、役者もの、忠臣蔵の3編。完全な独演会で、迫真の話芸を堪能した。9月26日
①扇の的
②淀五郎
③南部坂雪の別れ
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