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オンライン落語 白鳥彦いち二人会3

新作の名手二人、SWAメンバー白鳥と彦いちによるオンライン落語会の第3回をアーカイブ視聴。前回は白鳥が古典落語の改作、彦いちが新作という組み合わせだったが、今回は二人とも新作。それはそれで良かったのだが、白鳥の「最後のフライト」は何度も聞いたネタだったので少し残念。白鳥は落語を聴き始めてから一番沢山聴いている落語家なのでネタがかぶるのは仕方ないといえばそれまでだが、自身の説明によれば、このネタはどこでも受ける鉄板ネタで、地方の落語会などで落語に馴染みのないお客さんが多いと感じた時にやることが多いとのこと。確かに私が最初に聞いたのも豊田市に遠征して聴きに行った時で、子どもづれもちらほらという会場で大受けだった。今回も、オンラインなので誰が聞いているかわからないということで選ばれたネタなのかも知れないが、あまり頻繁ではがっかりしてしまう。一方の彦いちは、話の前半の伏線を後半になって次々に回収していく見事な構成の話で楽しめた。次回4回目は8月末とのことだが、次は是非新鮮なネタを聴きたいと思った。
①林家彦いち 記憶椅子
②三遊亭白鳥 最後のフライト


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ワイルドサイドをほっつき歩け ブレイディみかこ

在英日本人作家のエッセイ集。著者夫婦の知り合いであるイギリス中年男性との日常生活の中での交流、その中年男性たちの生き様を明るいタッチで描写したエッセイが並んでいるが、そこで明らかにされるのは、イギリスの階級論、世代論(プラスお酒談義)をベースにした深い考察だ。イギリスにおけるEU離脱問題の本質が世代と階級の桎梏であるということが非常にわかりやすく解説されている。どのような階級、どのような世代が離脱に賛成し反対しているのか、目から鱗の連続だ。また、イギリスで、スピリチャルな要素を強調した「コンマリブーム」が起きているというのも初耳。とても面白くて為になる一冊だった。(「ワイルドサイドをほっつき歩け」 ブレイディみかこ、筑摩書房)
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オンライン落語 三遊亭白鳥独演会

すっかり慣れてきたオンライン落語会。三遊亭白鳥のオンライン独演会を聴くのは2回目で、古典落語の改作と新作落語一席ずつとトークを堪能。「火焔太鼓」は古今亭志ん生が作り、息子の志ん朝が大切に磨き上げた作品ということで、まくらやトークでの志ん朝師匠との数々のエピソードがとても面白かった。新作落語の方は演者が売れない時代に工事現場でアルバイトしてしのぎ、仕事がない時にはドラクエをやっていたという経験をもとに作った新作とのこと。独演会ならではの演者にスポットを当てた内容を満喫した。
①白鳥版火焔太鼓
②地下鉄親子
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落語 コラーゲンはいごうまん春風亭一之輔

人気の落語家春風亭一之輔と体験ドキュメンタリー漫談のコラーゲンはいごうまんの二人会。10年続く会とのことだが、自分はこれが2回目。会場の横浜にぎわい座は、事前に指定席を間引いて販売するなど対策がとても良く、安心して観ることができた。他の会場での落語会もぼちぼち再開しているところがあるが、チケットを購入した時に席を間引いて販売していなかったところは対応が十分かどうか行ってみないとわからないのでまだ自粛している。春風亭一之輔の演目は浪曲の古典、コラーゲンはいごうまんはコロナ禍で仕事のなかった129日間の自らの体験を語る漫談という不思議な組み合わせ。落語の方はあまり好きでない古典だったが、古臭いと感じるはずの話がこの人が演じると何故か時間が経つのを忘れて聴き入ってしまう気がするし、漫談も自虐ネタが嫌味に感じられない不思議な世界を体験した。終了後に二人が会を再開できた喜びから涙しているのを見てこちらもジーンときてしまった。次の日程(来年)も決まっているようだが、その時までにコロナ事情が改善していればいいなと心から思った。

①春風亭一之輔 
  紺屋高尾
②コラーゲンはいごうまん 
  激動のコロナ300日
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オンライン落語 柳家喬太郎独演会

柳家喬太郎の落語2席をオンラインで視聴。新作落語を期待していたが、2席とも古典落語だった。ライブの独演会が相次いで中止になりオンライン視聴をし始めたが、オンライン落語では新作中心の落語家も古典落語をやるケースが多い気がする。新作落語の名手は、東京でやる時は実験的な新作をやるが、地方などでは古典落語とか新作でも大人しい演目をやる場合が多いという話を聞いたことがある。オンライン落語の場合も、誰が聞いているかわからないので、無難な演目を選ぶということなのかもしれないが、独演会であれば落語ファンというよりもその落語家のファンという人が多いはずなので、実験的な新作をどんどんやって欲しい。特にこの時期新作を考える時間が多かったはずなので、それを披露して欲しいというのが正直な感想だ。またオンライン落語で落語の合間のトークもコロナ関連の話が多いのが気になる。この期間色々苦労があったりしたのは理解できるし、その話が面白くないわけではないのだが、もうそろそろ普通の感じで落語を楽しみたいのになぁと思ってしまう。
①粗忽長屋
②首ったけ
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美術展の不都合な真実 古賀太

美術に関する様々な経歴を持つ著者による「美術展」の舞台裏を分かりやすく解説してくれる一冊。題名に「不都合な真実」という刺激的な文言が使われているが、内容はさほど過激ではない。戦後になって成功した大きな美術展の歴史、東京を中心とした多くの美術館の役割分担、美術展における新聞社の役割など、色々な基礎知識が学べるとてもためになる内容だった。特に、昨年見に行ったフェルメール展の舞台裏などはなるほどという感じだったし、あいちトリエンナーレの事件の本質が、『毒のある内容を含む現代美術展を地域振興と取り違えてしまったことにある』という記述も確かにそうだなぁと納得。(「美術展の不都合な真実」 古賀太、新潮新書)
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オンライン落語 扇辰喬太郎彦いち同期会

文春オンライン落語会をアーカイブ視聴。同期の人気落語家3人の競演で、内容はホストの柳家喬太郎が2席とゲスト2名が一席ずつの計4席。やや長時間だが十分に落語を堪能した。柳家喬太郎の2席は爆笑という話ではなかったがそれなりに楽しめた。林家彦いちの古典落語「青菜」は、たまたま数日前に桂宮治のオンライン落語で聴いたばかりの話だったし、彼の新作落語を期待していたのでややがっかり。入船亭扇辰の「匙加減」は黄門様のような悪を懲らしめる話で聞きごたえがあった。
◯柳家喬太郎 酒の粕
◯林家彦いち 青菜
◯入船亭扇辰 匙加減
◯柳家喬太郎 同棲したい
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オンライン落語 桂宮治独演会

オンライン落語もこれで4回目、だいぶ慣れてきた。好きな時間に家でねころびながら、好きな落語家や気になる若手の落語をまったりと聴けるというオンラインの良さをようやく享受できるようになってきた気がする。今回は、落語会で一度だけ聴いたことがあり、笑点でも観たことがある落語家のオンライン配信を視聴。内容は有名な古典落語が二席だったが、前半の1時間はほぼ50分が雑談で落語本編は10分くらい、仲いり後の後半45分はしっかり40分落語という構成。古典落語は、あらすじも知っているし、前半くらい短い方がかえって良いなぁと個人的には思った。雑談はかなり破天荒でこんなはちゃめちゃな若手がいたんだとびっくりした。
①お血脈 
②青菜
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落語 白鳥彦いちの新作ハイカラ通り決勝戦

本当に久しぶりの生の落語会。このご時世色々不安もあったが、横浜にぎわい座のソーシャルディスタンスをしっかり守った運営もあり、十分楽しめた。内容は、新作落語の若手精鋭4人による競演だが、いずれの演者も新しい落語の将来を予感させるような大変素晴らしい内容だった。個人的には、神田鯉栄の「雨のベルサイユ」が作者本人よりも面白くかったのと、三遊亭粋歌の「新しい生活」で大笑い。この2人が特に良かった。なお、横浜にぎわい座の2月以降のコロナ対応は他の施設に比べて群を抜いて迅速かつ適切だったと思う。3月4月の公演はどこよりも早く中止を決定したし、何よりも5月初めの7月公演予約開始の時点で座席の半分しか予約を受け付けないなど、実に先を見越したもの。それが今回いち早く開催が可能になった最大の要因。
(演目)
神田鯉栄  流れの豚次伝 雨のベルサイユ
古今亭駒治 ロックウィズユー
三遊亭粋歌 新しい生活
滝川鯉八  長崎
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友だち幻想 菅野仁

2年前くらいに色々な有名人がTVで本書のことを言及して話題になったがずっと積読になっていた一冊。2年経った今読むと、周りの空気を読んで閉塞感に陥っている若者の現状分析、それに対する大人からの助言という内容は、ごく普通の共通認識のようなもので、特段真新しいことは書かれていないようにも思える。この本の影響で世の中の流れが変わったということなのか、2年前にこの本のようなことをはっきりと述べた本がなかっただけなのかはよくわからないが、今のスタンダードに合致した一冊であることは間違いないだろう。(「友だち幻想」  菅野仁、ちくまプリマー新書)
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化学探偵Mr.キュリー9 喜多喜久

ずっと読み続けているシリーズの第9作目。これまでと同じく化学の知識が謎解明につながる5つの短編が収録されている。ワトソン役の主人公が大学の庶務課に就職してから3年。本作では大学で発生する事件の半分くらいを独力で解決するような話もあって、読者はホームズ役のMr.キュリーと一緒にその成長を見守るような感じになってきている。完全に独り立ちするにはまだもう少しかかる気もするが、それまではゆっくりその成長を楽しく見守りたい。なお、5編中で特に印象的だったのは、体調不良を訴える学生の事件。取り扱われている事件が大学内の日常的な事件だけに、防水スプレーの使用上の注意という日常生活に役立つ知見もあって、心に残った。(「化学探偵Mr.キュリー9」 喜多喜久、中公文庫)
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