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落語 柳家小満ん 独演会

柳家小満んの独演会。定期的に独演会を開催していて固定のファンも多いとのこと。ちょうど桜が満開の土日だったので、演目もそれに合わせて「花見酒」「花見の仇討ち」の2題。ベテランだから可能な計らいだ。

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ベルリンは晴れているか 深緑野分

本屋大賞ノミネート作品。全編を貫く終戦前後のベルリンの濃密な情景描写が最大の特徴で、しばしば翻訳小説を読んでいるような感覚になり、その裏にある膨大な時代考証の大変さが偲ばれた。また、主人公を含めた登場人物の年齢がとても若い設定になっており、作者の人々が老成せざるを得なかった時代の厳しさを伝えたいという思いがひしひしと感じられた。(「ベルリンは晴れているか」 深緑野分、筑摩書房)

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映画 こどもしょくどう

ストーリーはかなり平凡だったが、主役の子役、準主役の大人たちの熱演が光っていた。

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愛なき世界 三浦しをん

植物の研究に全てを捧げる女性研究者を著者独特の暖かい筆致で描くお仕事小説。本書で一番驚かされるのは、その主人公の研究の内容がつぶさに描かれている点だ。ここで描かれた研究が果たして本当に先進的なものなのかどうかは分からないが、よほど綿密に取材をしなければこのようには書けない筈だ。研究の内容とその進捗状況がつぶさに描かれていることで、主人公の切迫した状況、感情の起伏が読者の心に迫ってくる。(「愛なき世界」 三浦しをん、中央公論新社)

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逃北 能町みね子

日常生活の中で心のリセットとかリフレッシュとか気分転換がしたくなった時に旅行をしたくなるのは一般的だろう。そこでどんな旅をチョイスするか、有名観光地に行って非日常を楽しみたいか、暖かい南のリゾート地に行ってのんびりしたいか、これといった観光スポットもない寒い北に行きたくなるか。著者は北へ行きたくなるという。本書は、その著者がこれまでに旅行した北での出来事や考えたことを綴った紀行文。著者は北へ行きたくなる理由を色々考察して説明してくれているが、同じシチュエーションで絶対に北に行きたくなる者にとっては説明不要な感情だ。私は、生まれは東京だが、一歳の時に北海道に渡り、最初の記憶は雪や氷やソリやスキーのある景色ばかり。特に鮮明なのは、2階から外に出ようとして飛び降りて雪に完全に埋まってしまいもうダメだと思っていたところを誰かに何とか救出された記憶だ。祖父はアイヌの素人研究家で遊びに行くと家中にアイヌの絵が掛かっていたし、父親は雪に関係の深い技術者で中谷宇吉郎の話を時々聞かせてくれた。中高生の時には親元を離れて祖父母に育てられたが、休みの度に両親に逢いに秋田へ夜行列車で行き、スキーをしたり、五能線で青森に行ったりしていた。こうした境遇もあって、自分にはこの本の作者の心情が説明なしで共感できる。ますます著者の文章が好きになってしまった。(「逃北」 能町みね子、文春文庫)

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ひと 小野寺史宜

初めて読む作家の本。相次いで父と母を亡くし1人で生きていくことを余儀なくされた20歳の青年。過酷な状況で人に優しくされたり優しくしたりしながら前を向いて歩き出すまでの一年間。彼が嬉しいのは同情とか金銭的な支援とかではなく、心の交流だということがひしひしと伝わってくる。この著者が書いた本ならば良い本に違いないと何故か思ってしまうような魅力のある一冊。まだ何冊も作品があるようなので、これから一冊ずつ読んでいこうと思った。2019年本屋大賞ノミネート作品だが、これまで読んだなかでは最も賞に相応しい作品だと思う。(「ひと」  小野寺史宜、祥伝社)

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映画 キャプテン・マーベル

純粋娯楽映画。予告編に登場した猫が可愛かったのとアメリカで大ヒットしているらしいので観に行った。ストーリーは突っ込みどころ満載だが、映像の迫力はこれまでに見た映画の中でもピカイチ。世界的に猫ブームなのかも。

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あなたの人生片づけます 垣谷美雨

部屋片づけのスペシャリストが主人公の連作短編集。部屋をただ片づけるのではなく、片づけられない心の問題点を指摘して、自主的な改善を促すというのがこの主人公の特徴。本書を読むと、人間誰しもこれまでの生活パターンを引きずってしまい、それが部屋を片付けられない大きな原因だということが良く分かる。(「あなたの人生片づけます」 垣谷美雨、双葉文庫)

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さざなみのよる 木皿泉

本屋大賞ノミネート作品ということで読了。今回の作品は、短編よりも短い「掌編」集で、前に読んだ作品もそうだったが、さっと読めるのが著者の本の最大の特徴だ。(「さざなみのよる」 木皿泉、河出書房新社)

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熱帯 森見登美彦

千夜一夜物語のオマージュ作品というか、そこからインスピレーションを得た作品というか、いずれにしても同作品の影響が色濃い本作。論理的な謎解きなどを期待しなければ楽しく読書の時間を満喫できる点はいつも通りの著者の作品だが、熱帯の島とか昔を懐かしむ年配者達とか、これまでの著者のイメージとは少し違う感じの部分があって、その意味では新境地の作品と言えるだろう。なお、カバーを外すと「原色の簡単な幾何学模様」の表紙が現れて、作品のなかで紹介されている謎の本が出現するという趣向。物語の内容と合致していて、洒落ている。(「熱帯」 森見登美彦、文藝春秋)

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落語 三遊亭白鳥独演会

絵画展を見るために桜木町に行ったら、たまたま演芸場の前を通り、たまたまもうすぐ開演で、しかも当日券もあるということで、展覧会よりも面白そうな気がして、予定を変更してこちらを鑑賞。落語家の独演会だったが、ほぼ満席。これがとても面白かった。観客の多くが演者のファンか落語のファンらしく、内輪ネタで意味が分からないところも多少あったが、初心者のために色々親切な説明もあって楽しめた。この落語家、舞台の上で人形を使ったり座布団と格闘したりで、かなり破天荒な芸風。根強いファンが多いのは間違いない。ついふらふらと入ったのだが、結果的にすごく良いものが見られて得した気分になった。

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展覧会 千住博展

高野山金剛峯寺の襖絵完成記念の展覧会。目玉の襖絵、大作の瀑図、初期の作品などが並んでいて、小規模だが見応えのある内容だった。個人的には「終着駅」という作品が良かった。

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殺人者がもう一人 若竹七海

一人の女性警察官が登場する連作短編集だが、第1編の途中でで「ええっ?」という予想外の展開にまずびっくり。その後の第2〜5編はバラエティに富んだ面白い作品が続き、最後の第6編目で信じられない結末に。登場人物が悪人ばかりで悪人の展覧会のようだ。悪人と言っても、悪事で快楽を得るタイプ、悪と知りつつ自分が守るべきと信じるもののために悪を厭わない確信犯、人の不幸を喜ぶ偽善者、悪と善の境が他人と違う悪人など、タイプは様々だが、本書を読んでいると、一番厄介なのは最後のタイプだなぁとつくづく思う。(「殺人者がもう一人」 若竹七海、光文社)

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月まで3キロ 伊与原新

初めて読む作家の作品。ほんわかした短編小説集だが、最大の特徴はそれぞれの話の中に自然科学を専門にする人が登場してうんちくを披露する場面があること。自然科学の最新の成果がロマンチックに語られ、それが他の登場人物の気持ちを前向きに動かす。ちょっと今までに読んだことのないような作品集だった。(「月まで3キロ」  伊与原新、新潮社)

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医者の本音 中山祐次郎

現役のお医者さんが、患者が抱きがちな病院や医療に関する疑問に分かりやすく答えてくれる。色々な立場もあって100%本音ではないかもしれないが、風邪の時にお医者さんが効かない抗生物質を敢えて処方する理由、お医者さんへの謝礼の話などはかなり生々しい内容だ。面白かったのは、飛行機内での「お医者様はいませんか」というアナウンスの話。求めに応じて応急処置を買ってでても、ほとんど何もできないし、こうした場合の行為については医療ミス保険の対象外になってしまうとのこと、関わりたくないのが本音というのももっともだ。(「医者の本音」 中山祐次郎、SB新書)

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