水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

何のため(4)

2021年01月07日 | 学年だよりなど
3学年だより(35期生)「何のため(4)」


 志望校に合格して、はれて大学生になれたとする。
「辛かった」受験勉強からは開放される。
 辛い? 今の勉強は辛いですか。だとしたらその理由はなんだろう。
 本当はやりたくないことだから? 結果が出るかどうかわからないから?
 そもそも大学に行こうとする以上、勉強そのものが100%嫌いという人は少ないはずだ。
 やらずにすむならそうしたいと思う人もいるかもしれないが、何らかの努力をして自分を変えていく、できなかったことができるようになる、といった営みそのものを、100%嫌いという人はそうはいないのではないだろうか。
 受験勉強は、微視的に見れば、努力して点数をあげるだけの行為だが、それを積み重ねることで、努力すれば報われるという経験を体にしみこませることができる。 
 努力できる自分に気づければ、自分で自分の人生を切り拓いていけると思えるようになる。
 将来、なにがしかの人間になりたい、なにごとかを成し遂げたいという希望を叶えるために必要なのは、努力できる体質だ。
 そのような体質変化のための営みがスポーツであってもいいし、文化的活動であってもいいが、勉強は極めて有効だ。


~ 小さな目標であっても、何かを達成できたら嬉しいですし、次もまた挑戦してみたくなります。
そして、その経験が積み重なると、頑張れた自分に自信がついてきます。充実した感覚をもつには、達成しやすい目標、つまり今の自分にとっては少し難しいけれど頑張れば達成できるかもしれない目標を設定することが大切なのです。
 たとえば、体育の跳び箱も1段ずつ高くしていきますよね。3段が跳べたら4段というように、ちょっとずつ目標を上げていけばいいのです。
 何の努力もせずに勉強ができる人はいないと私は思っています。
 天才アインシュタインでさえ「天才とは努力する凡才のことである」という名言を残しているのに、私達が努力もせずに何かを達成することは不可能であると思うのです。
 私も、今でこそ1日に10時間程度は勉強できるようになりましたが、最初から長時間机に向かうことができたわけではありません。小学校、中学校、高校と徐々に勉強時間を増やして慣れていったのです。自分のペースで、少しずつ負荷を強めて着実に勉強する訓練をしていけば、必ず長い時間できるようになるはずです。 (鈴木光『夢を叶えるための勉強法』KADOKAWA) ~


 クイズ東大王で有名な鈴木光さんは、国際弁護士になるための勉強に日々時間を費やしている。
 弁護士や医師を目指すなら、学生時代に一日10時間ぐらい勉強するのは普通だ。
 今のみなさんは、一日に10時間勉強することに苦痛を感じなくなっている。
 せっかく得られたその体質は、今後も維持していくといい。
 万が一入試がなくなっても、かりに明日地球が滅亡すると言われても「とりあえず勉強するかな」というメンタルの人は強い。
コメント
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