水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

俺はまだ …

2007年10月31日 | 日々のあれこれ
シズオはなんとなく就職して、15年勤めた会社を辞める。なんとなく「これは自分の本当に生き方ではない」と感じてしまったのだ。しばらくふらふらしたあげく、突然「マンガ家を目指す」と言い出す。もちろん、それまでマンガを書いたことなどない。青野春秋『俺はまだ本気出してないだけ』(小学館)は、そんなおっさんコメディーで、笑えるのだが、身につまされる。たまたま今の学校に雇っていただき禄を食んではいるものの、彼のメンタリティは十分すぎるくらい理解できるからだ。われわれは「自分探し」なんて言葉に踊らされなかった世代ではあるものの、小さいころから「やればできる」という励まされ方はしてきた。「俺はまだまだこんなもんじゃない」とか「ホントはもっとすごいんだぜ」とか、他人に迷惑をかけない程度には自分を課題評価しながら生きてきた世代ではないかという気がする。世代とまでくくる自信は実はないが。自分をふりかえってみて、たとえばコンクールで結果をだせなかったときに、「おれは本業は国語だからなあ」と自己弁護してみたり、「来年は本気だしてみようかな」とか言ってみたりするのは、まさに40歳すぎてふらふらしてるシズオとどれだけ違うだろうか。ファストフード店でアルバイトをはじめ、若い店員と合コンにでかけ、女の子にびみょーにキモがられるのも、他人事とは思えない。はやく続きがよみたい。

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伊奈学園高校秋の演奏会

2007年10月29日 | 日々のあれこれ
形あるものは正直である。川越市民会館に半分くらいのお客さんと、さいたま市文化センター昼夜二回公演満席との差は大きい。そして、その明らかな差と同じだけの差が、うちの演奏会と伊奈学さんの演奏会との差にはある。マーチ「ブルースカイ」には、全国金賞と地区大会努力賞との差がある。たしかにある。音楽にコンクールはなじまないというような話もあるが、こんなわかりやすいものはない。だから目標の設定もしやすい。昨日演奏を楽しみながら、ひたりながら、どうしていいかわからない感覚にもおそわれ続けていた。目に見える部分の差がうまれるには、目に見えない部分の差がその何倍も大きく存在することもわかっているからだ。でも、練習するしかないか。昨日の演奏を最後に引退する3年生のみなさんに拍手を送りながら、その3年の保護者の方にもお疲れ様という気持ちだった。伊奈学園に2時間かけて通学する部員には、もっと早く起きてお弁当を作るお家の方がいて、毎日のように心配しながら駅で娘の帰りを待っていた方もいるだろう。部員たちは当事者だからがんばるのはあたりまえである。そのがんばりに拍手を送りたいのはもちろんだが、それを支えてくれた人に感謝したい。そのおかげで、全国大会で、そして演奏会で、あんな素晴らしい音楽を聴くことができた。部活は一生懸命やればやるほど、のめりこめばのめりこむほど、当事者たちは「自分が一番がんばっているんだ」という意識をもってしまう危険性がある。運動部なんか特にあるんじゃないかな。でもやっている当事者ががんばるのはあたりまえのことなのだ。やらせてくれてるものにいかに感謝の気持ちをいだかせるか。それは顧問の仕事だろう。
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全国学力テスト

2007年10月26日 | 日々のあれこれ
血税70億円が投入された全国学力テスト。基礎はまあまあだが応用が弱いとか、経済的に苦しい家庭の子は学力が低めであるとか分析されているようだ。このくらいの分析でいいなら、70億使わなくとも、私に7000円(いや7万円もらおうかな、最近修理代がかさんでいるから)くれればレポート書いてさしあげるのになあ。結局一番話題になったのは、どの県の成績がよかった悪かったではないかな。でも福井はよかった沖縄が低かったなどということも、センター試験の県別平均点などから十分予想できるではないか。ニュースだったらきっとこんなまとめをするのだろう。「今後この調査をどう活かしていくのかが今後の課題でしょう。」でも、だれも期待してないよね。ていうか、公立の先生方はまたびくびくしてるのではないだろうか。この結果をふまえてこんなことをやってください、というようなお達しがあれば、また仕事が増えるわけだから。中学の国語の問題も見てみた。基礎知識を調べるA問題。「満天の星」を言い換えなさい。「空○○○○の星」の○○に言葉を補わせるのだ。「いっぱい」とか「いちめん」が正解になるのだが、これって簡単すぎないすか。小学校入試レベルじゃないすか。
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ジョイント

2007年10月25日 | 日々のあれこれ
星野ウインドのスタッフの方に来校していただき、第2回クリスマスジョイントコンサートの打ち合わせを行った。いよいよ始動である。そして二ヶ月後には本番を迎える。待ったなしで練習していかないといけない時期ではあるが、なかなかみんなそろわないなあ。常にみんながハイテンションでやる気に燃えている状態なんていうことは、どの学校でもないのだろうと思うものの、もう少しやれるといいなあ。でもトータルとしては、例年のこの時期と比べ悪くはない。文化部というのは、とかく頭をつかいがちだ。つまり、この活動にどんな意味があるのかとか、自分にとってどんな意味があるのかとか、そういうことを考えがちだ。ああだこうだ考えても、たいした答えは見つかったりしないのだから、とにかくやればいいんじゃないかなと思う。大学時代に属していた文化系サークルを思い出すと、年中そういう話合いをしていた気がする。またそういう思想的なことを話し合うべきだ、という空気があった。いまの学生さんはどうなのだろう。
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焼き肉

2007年10月24日 | 日々のあれこれ
守屋前事務次官の週末ゴルフ接待は100回以上にも及ぶ、という報道があったが、それだけ自由にゴルフに行けるオフ日があるということに驚く。土日は部活も学校説明会もないということだ。ゴルフの後に麻雀と焼き肉。ふつうこういうのは、聴かれたら少なく言うよね。奥さんを連れてったこともある、という表現は、奥さんも相当いろんな接待を受けているというように解釈すべきだろう。でも、そんだけ休みがあって、ゴルフ、麻雀、焼き肉三昧というのもどうなのだろう。ほんとうに幸せで恵まれていると言えるのかな。休みはたまにあるから楽しく、おいしいものもめったに食べられないからおいしいのではないだろうか。いくらお金があって、ちやほやされてても、20年後にあんな体形と顔つきになってしまうのなら、接待ゴルフになど行けなくていいと思う。焼き肉はたまぁになら誘ってもらってもいい。もうそんなに食べられないけど。
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ブランク

2007年10月23日 | 日々のあれこれ
試験がおわり、部活再開。本番も近いので、合奏を行う。試験休み前の音にはもどらない。あたりまえかもしれないが、十日のブランクは大きい。上手な人なら、一週間や十日のブランクはそんなに問題にならないのかもしれないし、かえってそのことによって上達につながることもあるかもしれない。楽器をはじめて数ヶ月では、楽器を吹いて音を出すという行為が、自然のものとして身についていないということだろう。「技化」していないのだ。いったん自転車に乗れるようになれば、いったん泳げるようになれば、一ヶ月自転車に乗って無くても、半年泳いでなくても、身体に刻み込まれた感覚は失われない。楽器に息を入れそれを音にするという営み自体がもっと自然に行えるようにならないといけないのだ。
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全日本吹奏楽コンクール

2007年10月22日 | 日々のあれこれ
埼玉県から出場した三校がそろって金賞。全国ベスト11の3つを占めているわけで、さらに今年お休みの春日部共栄さん、西関東で点差がなかった大宮さんがいるわけだから、埼玉「どんだけ~」である。来年のコンクールでは、秋草学園さん、所沢さん、狭山ヶ丘さんといった全国経験のあるバンドや、西関東常連の徳栄さんがノーシードで地区大会に出場される。ひょっとしたらBからAに鞍替えするかもしれない?という噂の超実力校もある。どうしていいかわからなくなってきたぞ。しかも、うちは男ばかりだ。昨日の普門館にステージには、ほとんど男子の姿はなかった。もと男子高の福島県磐城高校もいつのまにか女子が多くなっているし、昔は男子が多かった淀川工科工業高校も今は女子が多い。京都洛南高校が出場しない今年、中学校の全日本大会と同じくらい男子が少なくなってしまった。高校からはじめる男子に道はないのか。いやそんなことはないと思う(思いたい)。プロのオーケストラは男子(おやじ)ばかりではないか。過去のうちのメンバーを思い起こして見ると、この子なら他のどこの高校に行ってもAメンバーとして出場できるだろうと思えるくらい上達した部員が何人かいた。もちろん高校スタートでだ。それをみんなでやればいいだけのことなのだ。でもどうすればいいのだろう …
昨日の感想を少しだけ。
伊奈学園さん … 音のきれいさはまちがいなく日本一。宇畑先生が「うちはパンチがないからひやひやだったんですよ」とおっしゃっていたが、もうそんなレベルの心配をする必要はないだろう(本当はしてないかもしれないな)。しかも音楽性豊かな演奏は、もしライバルがいるとしたら吹奏楽ではなくオケの方ではないかと思った。
栄さん … 去年のトゥーランドットにも号泣したけど、今年もすごかった。これぞ歌、これぞ音楽。まさに横綱。スーパーメガ。もう栄高校さんは予選とか三出とか関係なく、毎年全日本のトリで演奏してもらえばいいのではないだろうか。
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学校説明会

2007年10月20日 | 日々のあれこれ
2回目の学校説明会とはじめての個別相談会があった。ほとんどの方が親子(主に母子)でお見えになる。そして9割方、主にお母様(お父様)の方が熱心にお話になる。生徒さんがいやいや来られてるようには見えないのだが、こういうときは親御さんがお話になるのが普通なのだろうか。まれに中3男子ひとりでやってくるのを見ると、「いいぞ」と思う。数組相談し1時間を過ぎるころには、疲れてはくるが、いくらでも話せるようになり、さあどんどん来て頂戴という状態になる。ランニングハイみたいなものだろう。川東が第一希望で少し成績が不足している生徒さんには、受け持ちの生徒との面談のように(しばらくやってないけど)説教モードに入ったりもする。今年もはじまったこのしゃべくり大会が12月のジョイントコンサート直前まで数回。たくさんしゃべって、来年度も家族を養っていけますように。
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メガ

2007年10月19日 | 日々のあれこれ
習志野高校の演奏会はメガ牛丼というか、アメリカ軍の戦いぶりみたいなものではないかとふと思う。1tの爆弾で充分な戦いに100万t落とすみたいな。ふつうに演奏するだけで、じゅうぶん感動的なのに、歌ったり踊ったり演じたり。埼玉を代表して全国に出て行くバンドも同じだ。普通に演奏すれば十分うまいのに、そこにとどまろうとしていない。毎年新しいレパートリーを開発し、吹奏楽の可能性を追い求めている。全国金賞を繰り返し受賞するバンドなのに、決して守りに入っていない。その姿勢が大事なのだろう。全国大会が楽しみだ。
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メガ

2007年10月18日 | 日々のあれこれ
すき屋の前を通ったらメガ牛丼(650円)ののぼり。ごはん大盛りでお肉3倍だという。高校生にもどりたいなあ。チャレンジしようと気さえ起きなくなった。普通の大盛りさえ今は苦しい。この空腹感なら大盛りは軽いだろう、という状態でもきつくなる。いくらでも食べられた学生のころは財布が不如意で、お金にはそれほど困らなくなったら、身体がうけつけなくなった。人生とは不条理なものだ。でも、今の部員の合宿での食べっぷりを見ていると、われわれが高校生の頃とくらべ、お上品だと感じる。これは育ちの問題なのであろう。
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