水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

11月の演奏予定

2023年10月31日 | 学年だよりなど
11月3日(金・祝) 
 音楽座ミュージカル吹奏楽コンサート@草月会館 15:30演奏


11月19日(日)
 埼玉県アンサンブルコンテスト@久喜総合文化会館 サックス3重奏出場


11月20日(月)
 西部地区高校音楽祭@所沢市民文化センターミューズ 12:12演奏


11月23日(木祝)
 農業ふれあいセンターまつり2023@伊佐沼グリーンツーリズム拠点 13:00演奏

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基本力(2)

2023年10月17日 | 学年だよりなど
3学年だより「基本力(2)」




 『大学入学共通テスト 受験案内』の「受験にあたっての主な注意事項」(48ページ)にこうある。




~ エ 試験時間中に日常的な生活騒音等(監督者の巡視による足音・監督業務上必要な打合せなど,航空機・自動車・風雨・空調の音など,周囲の受験者の咳・くしゃみ・鼻をすする音など,携帯電話や時計等の短時間の鳴動,リスニングのイヤホンやヘッドホンからの音漏れ,周囲の建物のチャイム音など)が発生した場合でも救済措置はありません。~




 試験中、リスニングの時間まで含めて、予期しない騒音が起こってもなんの「救済措置」も行わないと入試センターは言う。
 受験には「図太い」神経が必要だ。
 乗り慣れない電車に乗り、はじめて入る建物の、慣れない机で問題を解く。
 自分の机にだけ小さな疵があるかもしれないし、イスがガタガタ動くかもしれない。暖房が強すぎる場所になるかもしれないし、トイレの臭いが気になる席かもしれない。
 岡田稔喜先生が書いていたように、隣の受験生が「貧乏ゆすりが激しかったり、書く音がうるさかったり」するかもしれない。香水のきつい女子だったり、やたら鼻をすすっていたり……。
 地下鉄を乗り間違えて、開始時間ギリギリに到着することになるかもしれないし、急にお腹の具合が悪くなったのにトイレが見つからないかもしれない。
 開始の合図で問題冊子を開くと、過去問からの予想とは100%異なる内容だった、なんてことも「体感的」にはあるものだ。
 ふだん考えられないようなことが起きるのが「本番」だといっていい。
 何があっても動じない人というのは、たぶんいない。
 動揺している状態のなかでも、その時点での最善を尽くそうと思える心が必要だ。そういう図太さを「胆力」とよぶ。
 そういう心を得るための特効薬はない。
 毎日学校に来て、何があっても平然とやるべきことを積み上げていくことでしか作れないのだ。
 毎日学校に来て、ほんの少しずつの負荷を自分にかけ続けることでしか作れない。
 身体の筋肉は急にはつかないことは、みなさんよくわかっているだろう。
 少しずつ負荷を大きくして、筋繊維を破壊し、超回復をしていくサイクルを地道に継続していくしかない。
 心も同じだ。毎日、少しずつ、逃げない暮らしを積み重ねることでしか心は鍛えられない。
 でもある意味簡単かもしれない。毎日学校へ来て勉強すればいいのだから。

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基本力(1)

2023年10月16日 | 学年だよりなど
3学年だより「基本力(1)」




 昔、センター試験の漢文で次のような出題があった。本文中の「易」と同じ意味で用いられている熟語はどれかと問われ、以下の選択肢がならんでいる。
 「 ① 簡易  ② 交易  ③ 容易  ④ 難易  ⑤ 平易 」(1996年本試験より)
 一目して気づくように、本文を読まなくても選択肢だけ見れば解ける設問だ。
 「 ① みかん  ② バナナ  ③ りんご  ④ ぶどう  ⑤ たまねぎ 」
から⑤を選ぶのと同じだと言える。では、次の選択肢なら正解はどれか。
 「 ① 親子丼  ② カツ煮御膳刺身付き  ③ カツライス  ④ カツ丼  ⑤ 壁ドン 」
 現代文でありがちな選択肢だが、これも本文を読まなくても④である可能性は高い。
 正解に必要な要素は「カツ」と「卵とじ」であり①・③は「不足」、②は「イイスギ」、⑤は「無関係」で誤答になるからだ。
 選択肢で解く以上、このような観点で選択肢を絞ることもできるという感覚は必要だろう。
 もちろん、本文を全く読まずにすべてを解ききることはできない。
 あくまでも一つのテクニックであり、選択肢比較をする前に、正解の方向性が見えるようになっている力が必要だ。
 残された時間が少なくなってくると、テクニック的なものに心惹かれ、「簡単に~」「一週間で~」「~はこれだけ」的な参考書や動画に向かってしまうこともある。
 「簡単にお金儲けできる」が1000%詐欺であるように、「三日で偏差値10上がる」はウソだ。
 ただし、逆も危険だ。
 必要な情報を手に入れずにひたすら勉強すること。
 志望大学の入試科目を知らない人はいないと思うが、どんな傾向なのかを把握していない人は意外に多いように感じる。
 解き時も同じで、間違った解き方のまま繰り返していると、マイナスがより強化される。
 「正しい方向の努力」を、「たくさんする」ということ以外に、やるべきことはない。
 それが基本だ。
 木村達也先生は、こう言う。




~ 高3の生徒諸君は受験本番まで間がありませんが、
 ① 今こそ基本を大切にし、
 ② 誰よりもたくさん問題数をこなし、
 ③ 先を見据えて勉強をする、
 という姿勢でラストスパートに臨んでほしいなと願っています。(木村達哉「成績向上のための基本三原則」)~




 基本を大切にする勉強を積み重ねて力をつけ続けること。
 その力を本番で発揮できるメンタルとあわさって「基本力」になる。
 受験に必要なメンタルは、極悪非道の強大な敵に立ち向かっていくような勇気ではない。
 想定外の状況におかれても、精神的にアウェイの現場に行っても、(外見では)平然といつもどおりのことを行えるようになる力だ。

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日常力(2)

2023年10月03日 | 学年だよりなど
3学年だより「日常力(2)」




「秋から実力を飛躍させる受験生」像は? と問われたなら、三十数年の教員経験から明確に言える指標がある。
 多くの先生方の共感を得る自信もある。
 それは「最後までちゃんと学校へ通う生徒」だ。
 これができている人ほど、結果が伴うという事実は、統計的に示すことさえできる。
 和田秀樹先生の指標「6・7」の対策としても、これほど確かなものはないだろう。
 高校での授業も残り少なくなってきた。季節の変わり目でもある。
 「なんとなく」体調がすぐれなくて、「念のため」休んで自宅で勉強することは、一見合理性が高いように思われる。
 しかし、心のどこかで「楽な道を選ぼう」としている自分に気がついていることも多いものだ。
 朝起きる、ごはんを食べる、着替える、駅に向かう、スクールバスに乗る……。
 こんな日常のなんでもない行為にも、小さな壁がある。
 どちらを選択するかの決断がある。
 毎日小さくがんばる方の決断をし続ける人と、小さく逃げる方を選び続ける人とでは、それが積み重なると大きな差になる。
 メンタルを強くするには、時間がかかるものだ。
 毎日、小さな選択をし続けるしかない。
 試合に例えるとわかりやすいだろうか。
 いざという一瞬でどんな判断をするか。
 ボールを蹴るのか、まわすのか。来た球をふるのか、ふらないのか。
 誰にパスをするのか、自分でもっていくのか。打ち切るのか、フェイントか……。
 それは、その瞬間の自分が判断しているのではない。
 その時点の自分を作り上げてきた、何日、何年間、何十年間蓄積してきた自分だ。
 その時の選択が、素晴らしい結果を生んだとき、周りの人は「センスがいい」とか「とっさの判断力は天性のもの」とか評したりする。成長論を知らない人の言葉なのだろう。
 その一瞬のために、どれだけの蓄積があるのかを知っている人、経験している人は、簡単にそんな言葉を発しない。
 試合に勝てるかどうか、結果を残せるかどうか、誰もわからない。誰もが不安だ。
 そういう自分から目をそらすことなく受け入れ、乗り越えていくことにこそ今の意義がある。
 「勝てる」という感覚は、日常の積み重ねの中から生まれる。
 ふだんの生活が、試合の大切な一部だ。
 残りおよそ50日間。皆勤してメンタルを鍛えていこう。それが年明けにいきてくる。

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日常力(1)

2023年10月02日 | 学年だよりなど
3学年だより「日常力(1)」




 和田秀樹先生が「秋から実力を飛躍させる受験生」像として、次の七項目をあげている。




 1 合格最低点まで「あと何点?」が見えている
 2 学校に頼りきらず、やるべき勉強を自分で考える
 3 苦手に執着せず、伸びる部分を優先し、得意に磨きをかける
 4 模試の失点を細かく分析して受験対策に役立てる
 5 本番のリハーサルとシミュレーションを十分にやっている
 6 頑張りを支える生活習慣が確立している
 7 不安な気持ちを勉強の原動力に転化できる




 1~4には、現時点の自分に足りないものを分析し、残された時間のなかで、必要なことをこなしていくだけという勉強の原則が表されている。
 今のみなさんの勉強は、大人が「趣味」としてやっているものとは違い、明確な期限のある課題だ。大人がしている「仕事」と性質が近い。
 就活の際に、その人の仕事能力を測る目安の一つとして受験能力が参照されるのは、そういう意味で筋が通っているだろう。
 5が示す「本番は練習のように、練習は本番のように」はあらゆることにあてはまる原則だ。
 部活動で今も現役の人たちがいるが、限られた時間の中で結果を求めるとき、練習の質の高さが大事なのは言うまでもない。
 一瞬の集中力を発揮させる土台になるのは、6・7で述べられている生活の基盤だ。




~ 秋ともなると、受験生なら誰でも不安を感じるもの。「落ちたらどうしよう」という不安と「受かりたい」という欲望は表裏一体であり、「受かりたい=勉強しよう」とポジティブな方向にもっていける人が、いわゆる「メンタルの強い人」なのだ。……不安なのは自分だけじゃない、ということを知るのも大切だ。  (和田秀樹「秋から伸びる受験生はここが違う!」蛍雪時代)~




 精神を鍛えることが受験の目的の一つだ。
 人生というスパンで考えたら、これこそが一番と言ってもいい。
 受験勉強への取り組みが本気になればなるほど、自分に与えられた時間と現状とのギャップに不安をおぼえることが多くなる。
 それは受験生として、人間として健全な姿だ。
 先が見えない不安さえ、どうなるか楽しみな「わくわく感」に変えてしまえるメンタルに持ち込めるようになったとき、人としてのステージが一段あがっている。
 そんな自分になるためにはどうすればいいのか。
 精神を鍛えるには。

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