若者に農業指向? 農林業人口構成を見ると
テレビ最近の若者には農業指向の人達がいるといった話をしているのを聞きました。
聞いてみれば、そういえばそういう事もあるんだろうな、などと感じられるような気がします。高度成長期の若者があこがれた、東京でのサラリーマン生活、本当にそれが若者の一般的な理想でよかったのかな、と感じる人も多いのではないでしょうか
ネットを使えば、どこにいても同じ仕事が可能になり、会社もリモートワークを奨励する世の中です。それも多分コロナ禍の中だけという事ではなく。コロナ後も一般的なものとして残るという見方も多いようです。
海浜、高原、田園、どこでも同じような「知的」生活が出来、田舎の住環境は、都会よりずっと優れている、生活費も大分安い、何で都会がいいのという人もいる・・・。
また一方では、職業についての日本人の意識は変わってきたようで。大昔の「士農工商」ではありませんが、均質的な概念としてのサラリーマンより、専門の腕を持ったプロフェッショナルの方がよほど魅力的と考える人は多いでしょう。
植木等の「サラリーマンは気楽な稼業と来たもんだ」から、職人魂、プロ魂の方がよほどカッコいい、と思う子供も若者も少なくないでしょう。
もう一つ、日本食が文化遺産になりましたが、日本の食べ物は、どんどん美味になり、テレビでもシェフ、料理のプロは大人気、そして、その食材探しも興味津々、果物だけでなく、野菜にもブランド物がいっぱいで、農業は昔とは全く違ったイメージの産業・職業になっています。
一方で、年々減る日本の農業人口、有り余る農地・耕作放棄地、時代遅れの農地法・農振法、上がらない食糧自給率。これは何とかしなければと考える若者がいても当然でしょう。
そんなことを考えながら、総務省の「労働力調査」(失業率で有名な統計)で農業人口の動きを見てみました。
農林業関係の労働力の推移(単位万人)
>
(総務省:労働力調査)
就業者の部では自営業主と家族従業者の数が解ります。雇用者の部では雇用者の数が解ります。
まず、青い柱の自営業主の数はほぼ一貫して減少です。当然、赤い柱の家族従業者の数も減少です。これは、従来型の家族経営での農家の姿でしょう。
それに引き換え、緑の柱の雇用者の数は、2010年代半ばから漸増です。これは企業型の農業の経営者と従業員の数です。増えているのが若者ばかりか年齢構成は解りませんが、ご覧のように、農業の労働力構成も変わってきているという事でしょう。
この辺りに、古い土地制度(農地法、農振法)のもとで、なかなか変われない日本の農業も少しづつ変化してきている事が窺えるような気がします。
2020年の緑色の柱の減少は、コロナの影響もあると思われますが、これから数年後、このグラフがどうなって行くのか興味のあるところです。
テレビ最近の若者には農業指向の人達がいるといった話をしているのを聞きました。
聞いてみれば、そういえばそういう事もあるんだろうな、などと感じられるような気がします。高度成長期の若者があこがれた、東京でのサラリーマン生活、本当にそれが若者の一般的な理想でよかったのかな、と感じる人も多いのではないでしょうか
ネットを使えば、どこにいても同じ仕事が可能になり、会社もリモートワークを奨励する世の中です。それも多分コロナ禍の中だけという事ではなく。コロナ後も一般的なものとして残るという見方も多いようです。
海浜、高原、田園、どこでも同じような「知的」生活が出来、田舎の住環境は、都会よりずっと優れている、生活費も大分安い、何で都会がいいのという人もいる・・・。
また一方では、職業についての日本人の意識は変わってきたようで。大昔の「士農工商」ではありませんが、均質的な概念としてのサラリーマンより、専門の腕を持ったプロフェッショナルの方がよほど魅力的と考える人は多いでしょう。
植木等の「サラリーマンは気楽な稼業と来たもんだ」から、職人魂、プロ魂の方がよほどカッコいい、と思う子供も若者も少なくないでしょう。
もう一つ、日本食が文化遺産になりましたが、日本の食べ物は、どんどん美味になり、テレビでもシェフ、料理のプロは大人気、そして、その食材探しも興味津々、果物だけでなく、野菜にもブランド物がいっぱいで、農業は昔とは全く違ったイメージの産業・職業になっています。
一方で、年々減る日本の農業人口、有り余る農地・耕作放棄地、時代遅れの農地法・農振法、上がらない食糧自給率。これは何とかしなければと考える若者がいても当然でしょう。
そんなことを考えながら、総務省の「労働力調査」(失業率で有名な統計)で農業人口の動きを見てみました。
農林業関係の労働力の推移(単位万人)
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(総務省:労働力調査)
就業者の部では自営業主と家族従業者の数が解ります。雇用者の部では雇用者の数が解ります。
まず、青い柱の自営業主の数はほぼ一貫して減少です。当然、赤い柱の家族従業者の数も減少です。これは、従来型の家族経営での農家の姿でしょう。
それに引き換え、緑の柱の雇用者の数は、2010年代半ばから漸増です。これは企業型の農業の経営者と従業員の数です。増えているのが若者ばかりか年齢構成は解りませんが、ご覧のように、農業の労働力構成も変わってきているという事でしょう。
この辺りに、古い土地制度(農地法、農振法)のもとで、なかなか変われない日本の農業も少しづつ変化してきている事が窺えるような気がします。
2020年の緑色の柱の減少は、コロナの影響もあると思われますが、これから数年後、このグラフがどうなって行くのか興味のあるところです。