tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

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アメリカ主導で動き始める法人税増税論議

2021年04月10日 15時30分30秒 | 経済
アメリカ主導で動き始める法人税増税論議
レーガン減税以来、世界で法人税の減税が一般的になっていましたが、その動きが逆転する可能性が見えてきました。

今日のNHKのNEWS WEBでは、バイデン大統領が、国際的に事業を展開する巨大企業100社ほどに売上税を課すという提案をしたことを伝えています。

GAFAへのデジタル課税が論議されている中で、その議論を改めてリードすることを狙った提案との解説ですが、同時に、法人税の減税競争を終わらせ、法人税率の引き上げを国際的なものにすべきというバイデン政権の動きも報じています。

折しも、G20では、アメリカの新財務長官イエレン女史が出席、持論である「底辺への競争(法人税引き下げ競争)はやめるべき」 という提案をされたようで、法人税の国際協調による引き上げの方向を7月までに確認するということになったようです。

バイデンさんの主張かイエレンさんの主張か解りませんが(恐らくお二人の意見ピッタリ一致で)いよいよ法人税引き上げの時代に入るようです。
これをレーガン税制の巻き戻しとすれば、所得税のる新税率の強化にまで行くことになるのでしょうか。


バイデンさんは、200兆円の経済対策や、8年間に220兆円のインフラ投資の財源として、法人税増税をお考えでしょうし、法人税率の引き下げ競争をやるべきではないというイエレンさんの主張は極めてまともなものと考えられますから、これは早急に推し進められるのではないでしょうか。

G20では麻生さんも、法人増税に賛意を表したようですが(但し難しいよといったとか)、世界経済の正常化のためにはこれは大変結構なことと考えるところです。

本来なら、ここで トービン税の議論が出てくるべきではないかと余計な事まで考えてしまうのですが、、経常赤字のアメリカは、多分マネーゲームで稼がなければならないという事情もあり、その辺りをどう考えているのか、これは読めない所です。

ついでに言えば、これまでアメリカがデファクト・スタンサードとして広めてきたキャピタルゲインとインカムゲインを区別しないという政策について、オーソドックスな理論家と思われるイエレン財務長官がどう考えているのか聞いてみたいところです。

この問題はこれからも確り追っていきたいと思う所です。

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