英アングロ・アメリカン:創業者一族が保有株一部を中国の富豪に売却
11月10日(ブルームバーグ):鉱山会社2位、英アングロ・アメリカンの創業者一族は、保有株式の3分の1を中国の富豪で投資会社Citicパシフィック(中信泰富)の会長でもある栄智健氏(64)に売却したことを明らかにした。
アングロ・アメリカンを1917年に創立したオッペンハイマー家の発表によると、売却したのは発行済み株式の1.13%。これは9日の株価終値ベースで4億1900万ポンド(約940億円)相当になる。同一族は売却後も同社株式を約2%保有する。
今回の株式売却は、中国の鉱山資源確保を後押しするとともに、アングロ・アメリカンにとっては、南アフリカの金・プラチナからグローバルな工業金属の生産への業態変革加速につながる。
アングロアメリカの南米PJ
中南米のニュースサイト、ビジネス・ニュース・アメリカスによれば、英資源メジャーのアングロ・アメリカは11年第2四半期(4-6月)決算の投資家向け電話会議でペルー・モクエグア県のクエラベコ銅プロジェクトについて、水資源の使用許可を得ていないことから、同プロジェクトに関する取締役会決議が遅れていることを明らかにした。25億-30億ドルが投じられる同プロジェクトでは、14年に生産を開始し、フル操業となる16には年間22.5万トンの銅生産を行う予定だった。
プロジェクト開始に向けボトルネックとなっているのが水の使用に関する問題。銅生産には大量の水が使用されるが、同社は必要とされる水を周辺地域から調達する方針だった。これに対し、地域住民の間では灌漑(かんがい)用水などが銅生産に使用されることで、同地域の水資源枯渇を懸念する声が高まっている。
プロジェクト開始に向けボトルネックとなっているのが水の使用に関する問題。銅生産には大量の水が使用されるが、同社は必要とされる水を周辺地域から調達する方針だった。これに対し、地域住民の間では灌漑(かんがい)用水などが銅生産に使用されることで、同地域の水資源枯渇を懸念する声が高まっている。
同社は、地域住民との対話を続け、12年をメドにこの問題を解決したい考えだが、住民との協議が長引けば業績に影響を及ぼす可能性もありそうだ。
(祝出洋輔)
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