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18510、NECの住宅用蓄電池、12/7、発売、従来半値の20万円/1kw,2~2.5kwが標準、

2012年07月02日 07時38分53秒 | thinklive

来夏の蓄電池供給量は、16万kw、8万世帯分、そんなに低い数字といいたいところだが、業界にとっては大変な数字、大変な価格?

「あの価格で本当に出せるのか」。電池メーカーの間で波紋を呼んでいるのが、NECが7月に出荷を始める住宅向け蓄電池だ。従来の価格の半分以下となる1キロワット時20万円台後半に設定した。しかも初年度で1万台と販売目標も従来より大幅に高く掲げた。パナソニック、ニチコンなども今年に入り量産型の住宅向けリチウムイオン蓄電池を発売した。リチウムイオン電池は鉛蓄電池より小型でも長時間、繰り返し使える。鉛蓄電池は停電時などに向くが、夜間に電力をためて昼間に使うなどの節電対策向けはリチウムイオン電池が適当とされる。

NECは2キロワットの出力の製品を来年夏までに1万台販売する計画で、合計出力は2万キロワットとなる。ニチコンは2.5キロワットを同1万台売る計画。出力5.5キロワットのパナソニック、1キロワットのエリーパワーなど主に家庭向け製品の販売・量産計画台数を示している企業の分を総計すると、13年夏にはこうした蓄電池だけで、約16万キロNECワットの出力を確保できる計算になる。原発1基(100万キロワット)の15%程度に相当する出力だ。ソニーも家庭用の主に非常用電源向け蓄電池などを投入している。

電気自動車(EV)に使うリチウムイオン電池の電力を、家庭に送れる製品も登場しており、この販売計画分も推計に含めた。ニチコンが開発した電力制御装置を使ってEVから住宅に電力供給する日産「リーフ」の場合、最大6キロワットと標準的な家庭の2倍程度の出力を確保している。

蓄電池で夜間電力をためて昼間に使えば、経済的な利点も出てくる。東京電力が6月から始めた時間帯別料金「ピークシフトプラン」を活用した場合、例えば容量が5.53キロワット時のNECの電池をこのプラン(値上げ後)で使うと、深夜料金で満充電すれば約67円で済む。一方、昼すぎのピーク時間帯に電池なしで同容量分の電力を使うと約294円課金される。昼の課金分を蓄電池の分で賄えれば、電池がない場合に比べて1日当たり約227円、1カ月約6800円を節約できる計算となる。経済産業省は今春、定置型リチウムイオン電池の補助事業を始めた。家庭向け補助は機器費用の3分の1で、補助の上限は100万円。200万円前後かかるとされる初期費用の負担感も減る。

住宅やオフィスの節電を支援する機器やサービスも多様化している。電力消費などの状況を「見える化」して節電を促すサービスは効率や使い勝手を競う段階に入った。富士通は電力センサー内蔵のコンセントを発売。つながる機器ごとの電力消費量を簡単にパソコンで確認できる。NTTドコモは電力需給が逼迫しているとの情報を携帯電話に配信するサービスを実施。サイバートランスジャパン(東京)は電力需給に応じ発光ダイオード(LED)照明の電力消費を抑えるシステムを開発した。


≡日経産業新聞 2012年6月25日付掲載≡


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