*マレーシア検察庁は6億8100万$野ナジブ首相口座への振り込みには不正はないことが分かった、で捜査打ち切り、FBIも捜査続行中、国際検察力とマレーシア国家権力との衝突、今後の展開は見物!
【チューリヒ】スイス検察はマレーシアの国有企業数社の資金40億ドル(約4800億円)が不正流用された可能性があると発表した。マレーシアのナジブ首相への不正送金疑惑がとりざたされている同国の政府系投資ファンド「ワン・マレーシア・デベロップメント」(1MDB)周辺の取引をめぐって捜査が大きく進展したことになる。
スイス検事総局は捜査の結果、資金が不正流用されたことを示す「重大な兆候」が見つかったと発表、さらに、犯罪が疑われる4つの案件について捜査を行っていることを明らかにした。検事総局によると、不正流用された疑いのある資金の一部はマレーシアの元政府職員や、アラブ首長国連邦(UAE)の現職の職員や元職員が保有するスイスの口座に送金されていた、
UAE、マレーシアのナジブ首相、1MDBの代理人にコメントを要請しようとしたが、現段階で連絡が取れていない。
スイス検事総局は「検事総局による犯罪捜査によって、マレーシアの国有企業から資金が不正に流用されたことを示す重大な兆候が明らかになった」と述べた。また、事件は金を受け取る仕組みが複雑で、「複雑な金融構造を用いて実行された一連の組織的な活動が関わっている」と指摘した。
スイス検察当局は公務員の収賄、公職者の不正、資金洗浄(マネーロンダリング)をめぐって、5カ月にわたり1MDBとつながりのある関係者の捜査を続けてきた。しかし、マレーシアでは6億8100万ドルの送金を受けたナジブ首相に不正はなかったとの判断が示されており、政府は今週、首相への送金に関する捜査を中止すると決定した。スイス検察関係者はこの決定が捜査の障害になる可能性があると懸念している。
スイスのミヒャエル・ラウバー検事総長は29日、ウォール・ストリート・ジャーナルに対し、「強い懸念を持っている」と語った。「スイスの金融機関を通じて行われた1MDBとつながりのある疑わしい送金の証拠を見つけており、マレーシア当局と共有することが非常に重要と考えている」
ナジブ首相は個人的な利益のために資金を受け取ったことや不正への関与を否定している。1MDBも不正を否定しており、捜査に協力しているとコメントしている。
スイス検察の関係者によると、同国の銀行システムが違法な活動に利用された可能性があるとの懸念から、検察は1MDB周辺の活動に関心を抱いていた。