彦四郎の中国生活

中国滞在記

吉本タレント依存で、地上波での放送番組内容の低俗化など、日本の民放各局の責任はとても大きい―そして、それを視聴する多くの日本国民‥

2024-01-29 05:33:32 | 滞在記

 12月下旬から吉本興業のドンの一人である松本人志氏への性行為スキャンダル問題報道が続く。週刊文春の1月25日号では、「松本人志 ホテル室内写真と女性セレクト指示書(新証拠入手)」と題された記事。▼元吉本芸人が懺悔告白「事前に女性の選抜会がありました」▼美容師・茶髪NG、人妻(子供なし)・中高の先生・スタバ店員希望「女性たちの告白に<事実無根なので闘いま--す>と言ったきり、ダンマリを決め込む松本人志」‥‥。文春砲第三弾―証拠の数々がヤバイ―報道系放送作家が解説(松本人志が逆に訴えられるよ)」と題されたネット記事も掲載されていた。松本氏の直筆で書かれていた指示書には、ほかに、「黒毛・蔦屋(店員)・マクドナルド(店員)・弁護士・広報(の女)」など、女性の職業に関することがほとんどなので、松本氏の性癖は女性の職業に固執する傾向がみられるようだ。

 最近の週刊誌「女性セブン」には、「活動休止 松本人志と女性食事会に参加 中居の重苦しい沈黙」「松本人志が常日頃"芸能界の親友"というのは中居正弘―中居正広、女性も参加した松本人志を囲む飲み会に参加していた」の見出し記事が掲載された。これから発売される週刊文春の2月1日号には、「タレント実名顔出し告発"松本人志さんから19歳の夏に‥」の見出し記事が掲載される予定だ。これも吉本興業の後輩たちによる女性上納システムでの、19歳女性への無理やりの性暴力行為の一つかと思われる。

(※中居正広氏は、まあ「軽薄なのり」かな。ABC放送で毎週土曜日の午前中に放映されている報道番組「正義のミカタ」の司会者・東野幸治氏やレギュラーコメンテーターのほんこん氏などは、吉本所属だが、とても優れた人材だと思う。同じように報道番組の司会を務める中居氏のは、あまり中身をともなわない「軽薄さ」が目立つ。)

 吉本興業は、昨年12月27日に週刊文春が松本人志氏の性的行為強要を報じた際には、「当該事実は一切なく、法的対抗措置も検討していく」と表明したが、この1月24日には一転して、「週刊文春の記事で、"会合で女性たちが精神的苦痛を被った"と指摘した部分については、真摯(しんし)に対応すべき問題」との表明を公式サイトで行った。

 この表明に先立つ2日前の1月22日、松本人志氏は事実無根として裁判所に週刊文春社を提訴した。1月23日付朝日新聞には、「文春の"性加害"報道 松本人志さんが提訴 賠償5.5億円求める」の見出し記事。おそらくだが、提訴しておかないと世間にもっとカッコがつかないので、まあ、とりあえず形だけでも提訴しとこという感じの苦し紛れの提訴かと思われる。

 まあ、見苦しい男だとも思う。ビートたけし氏などは、「松本は遊び方がせこいよ」と語っていたが、私に言わせれば、「松本人志氏とその取り巻きたちも男の風上にもおけないゲス野郎たち」。そして、彼らが出演する番組を視聴する多くの日本国民たち‥。その熱心な視聴者たちも、日本の民放各局とともに、今回の吉本興業所属の松本氏らの性スキャンダル問題を支えているとも言える。

 フジテレビ系のバラエティ番組「人志松本の酒のツマミになる話」(金曜日午後9時58分)。この番組の1月19日放送内容に関する予告(番組公式予告X)を見た視聴者たちは、ネットに、「面白そう、多分、松ちゃんが面白くしてくれるはず」「松ちゃん観れる~嬉しい!」「やっぱり今週まで松ちゃんいる!」「めっちゃ大物でるやん」「見たいなあ!」「今週で終わりとかやめてね」など、松本人志氏を待ち望み応援するコメントがまだ多いようだ。

 写真:左より3枚目(読売テレビ社長の大橋氏)、4枚目(吉本興業の松本人志氏とのツートップのドン・大崎洋元会長)

 日本での人気タレントの性的スキャンダルに対する、日本の大手テレビ局の反応は「鈍い(にぶい)」ものだったと指摘したのは、フランスの新聞社「ル・モンド」(高級紙)だ。この性的スキャンダル問題に「長い沈黙を保つ」、日本の放送局の態度に疑問を呈していた。

 このフランスの新聞社の記事に対して、次のようなコメントなどが寄せられていた。「各テレビ局が自社の社員を芸能事務所に出向させていたり芸能事務所の株主になっていたりと。日本のテレビ局と芸能事務所は同じ穴のムジナ。自浄作用がないことを海外メディアは知っておくべき。」「ジャニーズにせよ吉本にせよ、特定の事務所関係の人間が全テレビ局の報道番組をほぼ牛耳っていたのは異常。そんな状態でフラットに物事を伝えることができないのはある意味当たり前。少なくともこれをきっかけにテレビのあり方は見直されなきゃいけないし、これで何も変わらないなら、本格的にテレビは終わると思う。」などなど‥。

 この一連の"性加害問題"を巡り、1月17日、大阪・読売テレビの社長(大橋善光氏)の会見が行われた。大橋氏は、松本人志氏が出演する「ダウンタウンDX」についても言及したが、その発言内容に非難の声があがった。その発言とは、「例えば、(当社の)報道番組で、松本さんと被害にあわれたとされる女性が対決してくれるというのであれば、今すぐにでも私は放送したい」という内容。この発言に、「読売テレビってこんなこと言ってんのか。信じられんな。二次加害をオンエアするって、どんな人権感覚してんの」「ダメだこれは、終わってる。真面目に人として終わってる。こんなのが社長‥」などの投稿コメントが寄せられていた‥。

 また、日本民間放送連盟(民放連)の遠藤龍之介会長は1月24日、定例記者会見を行い、ダウンタウン・松本人志氏を巡る「週刊文春」の一連の報道について言及した。だが、見解を求められると、「記事を掲載した週刊誌と吉本興業の言い分が対立していて、先般、(松本氏は)提訴もされた。はっきりしない中でコメントすることは難しい」と述べるだけだった。要するにダンマリだ。この日には、吉本興業は、松本氏を巡る問題について一定の事実を認めていて謝罪する旨の公式報告もしていたはずなのだが‥。

■テレビ朝日で法務部長を務め、昨年11月に退職した西脇亨輔弁護士は、民放各局が担うべき今回の問題の責任について次のテーマ記事をネット記事として解説している。「松本人志の裁判に大きく影響する"吉本の変化"と民放各局の責任―テレ朝の元法務部長の弁護士が指摘」

 その西脇氏の指摘の一つが、「吉本興業の大株主の多くが民放各局」という指摘。「2009年、吉本興業が株式の公開買い付けによって上場廃止した際、その資金を提供する形で大株主になったのは、在京・在阪の民放各局だった。これによって、無数の一般株主と株式市場に見張られていた吉本興業の経営は、テレビ局などの取引先を中心とする限られた株主に委ねられた」というもの。(※私がその株主の実情を調べてみたら次のようなものだった。「①フジTV 12.13%の株主、②日本TV8.09%、③TBSTV8.09%、④TV朝日8.09%、⑤TV東京4.04%、⑥毎日TV2.02%、⑦朝日放送2.51%、⑧関西TV1.01%、⑨読売TV1.01%、⑩TV大阪0.40%」。

 つまり、約50%の株主が日本の民放テレビ局が占めていた。これは何を意味するのかというと、日本の民放各局と吉本興行は株式的にも経営的にも相互依存関係が深く、民放各局は、吉本興業の利益や株式価格を上昇させるためにも、多くの吉本興行タレントを使いまくるという構図が見えてくる。ドンの大崎元会長の「政商」戦略に基づく「日本のテレビ局支配」、テレビ局と吉本興行の相互依存状況が見えてくる。そして、政商としての政治的影響を広げるために特に関係を強めたのが、日本維新の会だった。新型コロナウィルス感染拡大問題の2020年からの3年間、特に関西各民放テレビ局は、維新の会の大阪府知事・吉村洋文氏の出演に力を入れていた。

 この結果、今や、民放各局でのあらゆる番組時間帯で、吉本興行所属のタレントを見ることとなっている。特に、午後7時から10時のゴールデン視聴タイムは、バラエティ番組が多く、番組内容の低俗化・幼稚化・低知性化がこの10年間は特にみられる。それを喜び視聴する日本国民の少なからずの人々の群れ。そのように、日本人は飼いならされたと言っても過言ではない。増長・高慢になった吉本所属のタレントたちの所業の一つが、今回の性スキャンダル問題を生んだ背景となっている。

■この1か月間余り、松本人志氏や後輩芸人たちの性スキャンダルが大きな問題となっている。吉本興行の問題点について、吉本所属の漫才師・西川のりお氏は、1月18日に放送された「ますだおかだのラジオハンター(ABCラジオ)」にゲスト出演し、この性スキャンダル問題について次のように言及していた。「僕も吉本にいて53年、たちますけど、会社の初動ミスでしょう」と指摘、「報道があったとき、事実無根って言ったでしょう。無根というのはゼロということ‥‥」などと、吉本興業の対応を批判した。吉本興行所属の6000人余りのタレント・漫才師・芸人たちで、西川のりお氏以外の人たちから、このような吉本興行への意見はとんと聞くことができないのは、残念でもある。辛口批評のほんこん氏などにも語ってほしいのだが‥。

 昨年の前半は、ジャニーズ事務所のジャニー喜多川氏の性スキャンダル問題が発覚し社会問題となった。だが、このジャニーズ芸能事務所よりも数十倍も日本人の低俗化・知性の低下に影響を及ぼしているのが吉本興業だと思う。その意味で、「吉本・維新が、日本を根底からダメにしてきている」という一連の記事をこのブログでも書いてきている。

■吉本興行所属の芸人やタレント(約6000人が所属)には、とてもまともな、優れた芸人が多いのも事実。タレントとして優れている人も多い。だが、最近の若手のタレントたちのようすを見ていると低俗な人がとても多い。まあ、吉本興業の芸人養成学校で大量粗悪芸人?タレント?を乱造、そんな若手タレントたちが、あらゆる日本の民放番組に出まくっているのだから、日本人の知性の低下への影響は大きいと思う。

 1912年に創業された吉本興行の歴史。2017年10月から18年3月にかけて、NHk朝の連続テレビ小説「わろてんか」でも放映された。(主演:吉本せい役は葵わかな・夫役は松坂桃李) 優れた芸人たちをたくさん抱えてもいた2000年あたりまで。その後、吉本興業所属の芸人たちは粗悪な人たちが増産されはじめ、2009年に大崎洋氏が社長に就任、「政商」路線の確立で株式上場をやめ、大手テレビ局を株主の中心として、日本のテレビ界を支配し、増長していった。

 NHKの長寿番組の一つに「鶴瓶の家族に乾杯」という番組がある。私も長年よく視聴していた番組だが、10年ほど前から視聴したくなくなった。理由は、笑福亭鶴瓶氏のいやらしさが目立ち始めたからだ。この旅番組の中で、ちょっと美しい女性に対しての、いやらしいような言動は視聴していていやになる。吉本興行所属のタレントたちが世間にもてはやされてきたこの10年の流れと、吉本所属の鶴瓶氏のいやらしさか目立ち始めた時期とは対応もする。要するに、「俺たちの笑い?は人気があるんだ」という勘違い、増長・傲慢さを感じてしまう。

 

 

 

 

 

 


1 コメント

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Unknown (切れ爺さん)
2024-01-29 22:54:29
記事に全面的に賛同します。吉本興業は十数年前に、全国47都道府県に吉本のお笑いの拠点を設けて、主に若手の芸人を現地に住まわせ、笑いに留まらず様々な活動をさせています。そこで当地のローカル局や地方紙にも食い込ませ、全国で大衆支配の実権を、「低俗」をテーマに握らせるのです。無論これらを通して、地元のローカルタレントは排除され、背後の政治勢力と友に大きな影響力を行使することにつなげることになります。各地の人たちは背後の狙いも知らず、その影響下におかれて・・・
 私もこの件について書くつもりにしていたのですが、咲きを超されたようです。ただ、吉本にも「まとも」芸人がいます。彼は常に解雇を覚悟して舞台に立っています。もちろん、各TV局は一切取り上げません。

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