彦四郎の中国生活

中国滞在記

ほとんど、どこにでも鉄格子がある中国の住居

2015-12-04 05:51:21 | 滞在記

 中国に住み始めて2年以上になるが、住居に鉄格子がある生活にも慣れてしまってきた。最初の頃は、この鉄格子がある光景には驚いた。タクシーに乗ると、ここにも鉄格子がある。タクシーにもよるが、運転席の周りを間隔の狭い鉄格子で客席と隔てているものが多い。人間の腕が入らない程度の狭さの鉄格子。
 宿舎近くの幼稚園には、「全民動員・全力打撃窃盗犯罪活動」というスローガンの横断幕があるが、けっして中国の治安が世界的に悪いというわけでもない。世界的には、アフリカと中南米地域の国々はとても治安が悪いが、この中国に住んで治安的にはまずまず安心できる国だと思うのだが----。なぜ、こんなに鉄格子が多いのだろうか。出入り口のドアや、ベランダと部屋の間のドアは二重扉になっている。

 中国の都市部では、一戸建て住宅に住む人々は少数派だ。庭つきの一戸建てに住む人は、お金がある富豪というイメージがある。もし、日本に来る中国人観光客が、都市部の日本の一戸建て住宅の多さを見たら、「日本人は金持ちが多い」と思う人が多いだろう。そして、中国では高層住宅がとても多い。
 鉄格子を1・2・3・4・5階あたりまで設置する心境は理解ができる。しかし、10階・20階・30階以上のところでも鉄格子をつける心境とは何なのだろう。

 最近では、3・4階でも鉄格子をつけていない住居をたまにみかけるようになった。同じマンション式住宅でも、鉄格子の設置は自由なのだろう。確かに、鉄格子がないと、開放感があると思う。しかし、鉄格子がない住まいは、まだ珍しい。
 10階や20階にも鉄格子をする心境とは、もうこれは「中国人の心理的なもの」としか理解のしようがない。つまり、どんな場所であれ「鉄格子」というものがないと安心感がもてないのかと思われる。その心境は、今までの中国社会の歴史性とおそらく関係しているものなのだろう。このへんの心境の奥深い襞(ひだ)のところは、日本人には理解が難しいところだ。
 中国の人は、財布というものを持ち歩く人がとても少ない。ポケットに紙幣やお金を入れ込んでいる。だから、紙幣はクシャクシャになってしまう場合が多いのだが、これも「財布は取られやすいから---。」という心境が働いているからなのだろう。


 宿舎の近くに、かなりさび付いた車が駐車されていた。「うわ!こんな車でもまだ動くから使っているのか!」と思った。ある意味、感心したのだが、車に近づいてよくそのさびを見て見ると、それはデザインだった。また、ちがった意味で感心した。「こんなデザインをよくするなあ---。」