彦四郎の中国生活

中国滞在記

最近の中国の「雑誌」「インターネットやテレビ」より―金正男暗殺・全人代・日本天皇訪越南

2017-03-12 21:42:36 | 滞在記

 中国国内で発行・販売されている『VISTA―看天下』という雑誌(週刊誌的)がある。第375号と記されていたので、かなり長い年月にわたって発行されて週刊雑誌なのだろう。値段は10元(約170円)。先週末に買って記事を読んでみた。さすがに中国政府に対する批判的記事は掲載されていなかった。(※掲載すれば発刊が禁止される可能性もある)  しかし、この雑誌 なかなか見応えのある週刊雑誌だった。国際的な記事なども豊かに掲載されていた。この375号の特集は、「金正男暗殺事件」だった。中国のテレビでは、この事件に関する報道は事件後1週間あまりは報道はされず、その後報道されることはあっても、15〜20秒ほどの瞬間的な報道に抑えられている。

 記事を見てみると、日本に関係したものといえば、①安倍首相とトランプ大統領の会談の様子 ②安倍首相の妻「安倍昭恵」夫人の「瑞穂の国記念小学院」の名誉校長就任問題や国有地払下げ問題など ③アニメキャラクター「初音」(※中国の若者にも人気がある)に関する記事などがあった。ヨーロッパ各国の右翼政党台頭の記事は「新極右的野望」という見出しだった。国内外の文化面や政治経済問題や事件など、多方面の記事が掲載されている。

 「金正男暗殺事件」は、「金正男離奇遇刺記―那些震惊世界的暗杀」という特集の見出し。「世界が震撼したあの暗殺事件」というような意味となるだろうか。実行犯のことや事件の概要などもけっこう詳しく書かれ、父である金正日とともに撮影された子供時代の家族写真や彼の息子の写真なども掲載されていた。

 3月5日から毎年3月の時期に10日間ほどの日程で開催される「全人代」が始まった。全人代とは、「全国人民代表者大会(全人代)」のことで、中国の国会にあたる。全国各地から集まる代議員数は3000人あまり。この代議員は国民の選挙で選ばれるというわけではなく、ほとんどが中国共産党の中央・各地方組織の推薦を受けた代議員であるという。さまざまな問題が分科会なとも設置され話し合われるようだ。今年の全人代では、国防費の昨年比7.6%増(17.28兆円)の提案、経済成長目標を6.5%前後とする経済政策、習近平主席を「党中央の核心」とすること、経済格差是正や購買成長経済策のために2020年までに山間地方や都市に住む出稼ぎ工人を地方都市に新たな住宅を建設し、1000万人を移住させる方針などが全体会で提案された。

 バスの通勤途中、テレビでは連日にわたって この全人代の様子を頻繁に報道していた。全人代がより国民のために議論をしているということを国民に印象づけるための報道内容を、昨年よりもかなり工夫していることが垣間見られる報道内容だった。(例えば、地元から選出されている代議員の紹介など)  経済格差など、中国大衆の不満がけっこう大きいものがある中、「国民の声を配慮している、より国民に身近な中国共産党政権」ということの演出を工夫しているマスコミ報道対策の強化を感じた。党政府に対する批判的内容の報道はまったくなされないのも日本とは違うところだ。(※もちろん、「こんな問題が現在あります。全人代の各分科会でそのことについて議論し改善をすすめていきます」という報道はされる。)

 今年の秋(11月)には、五年に1度 開催される「中国共産党大会(党大会)」が開催予定だ。この大会では、党中央委員205人、党政治局員25人、党常務委員7人と党主席が選出される。前回は2012年に開催された。

 1週間ほど前、中国のあるインターネットの記事には「日本天皇訪越南」という記事があった。天皇・皇后のベトナム訪問の記事が 数枚の写真と共に掲載されていた。

 

 

 

 

 

 


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