竹取翁と万葉集のお勉強

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後撰和歌集 巻17 歌番号1215から1219まで

2024年05月06日 | 後撰和歌集 現代語訳 巻17
歌番号一二一五
原文 於无奈乃以止久良部可多久者部利个留遠安比者奈礼
尓計累可己止飛止尓武可部良礼奴止幾々天
越止己乃川可者之个留
読下 女のいと比べがたく侍りけるを、あひ離れ
にけるが、異人に迎へられぬと聞きて、
男のつかはしける
 
原文 与美飛止之良寸
読下 詠み人しらす
 
原文 和可多女尓遠幾尓久加利之者之多可乃飛止乃天尓安利止幾久八末己止可
和歌 わかために おきにくかりし はしたかの ひとのてにありと きくはまことか
読下 我がためにをきにくかりしはし鷹の人の手に有りと聞くはまことか
解釈 私の事情のために貴女を妻として招くことが出来なかったのですが、その言葉の響きではありませんが、私には手許に置き難かったはし鷹が今は人の手に有ると聞きましたが、それは事実でしょうか。(貴女はもう人の妻となったのですか。)
 
歌番号一二一六
原文 久知奈之安留止己呂尓己比尓川可者之多留尓
以呂乃以止安之加利个礼八
読下 くちなしある所に乞ひにつかはしたるに、
色のいと悪しかりければ
 
原文 与美飛止之良寸
読下 詠み人しらす
 
原文 己衣尓多天々以者祢止志留之久知奈之乃以呂八和可多女宇寸幾奈利个利
和歌 こゑにたてて いはねとしるし くちなしの いろはわかため うすきなりけり
読下 声に立てて言はねどしるしくちなしの色は我がため薄きなりけり
解釈 声に出して言い立てて言いませんが、はっきりしています、お願いして頂いたこのクチナシの花の色合いが薄いのは、貴女の私への関心の薄さの現われなのでしょうね。
 
歌番号一二一七
原文 堂以之良寸
読下 題知らす
 
原文 与美飛止之良寸
読下 詠み人しらす
 
原文 堂幾川世乃者也加良奴遠曽宇良三川留見寸止毛遠止尓幾可武止於毛部八
和歌 たきつせの はやからぬをそ うらみつる みすともおとに きかむとおもへは
読下 たきつ瀬の早からぬをぞ恨みつる見ずとも音に聞かむと思へば
解釈 たぎつと言う、その瀬の流れが名前とは違い「たぎ(急流)」のように早くはないことを残念に思います、この目で見なくても、せめて急流の瀬音だけでも聞きたいと思うと、(さて、貴方の姿も、声も、私には届きませんが、いつ、来るのですか)
注意 古今和歌集「逢うことは玉の緒ばかり名の立つは吉野の河のたきつ瀬のごと」などを引用する。
 
歌番号一二一八
原文 飛止乃毛止尓布美徒可者之个留於止己飛止尓
三世个利止幾々天川可波之遣類
読下 人の許に文つかはしける男、人に
見せけりと聞きてつかはしける
 
原文 与美飛止之良寸
読下 詠み人しらす
 
原文 美奈飛止尓布美々世个利奈美那世可者曽乃和多利己曽万川者安左个礼
和歌 みなひとに ふみみせけりな みなせかは そのわたりこそ まつはあさけれ
読下 みな人に文見せけりな水無瀬河その渡こそまづは浅けれ
解釈 他の人に私からの文を見せたの野ですね、その言葉の響きではありませんが、踏んで見せたのなら、水無瀬川のその渡りは、まずは、浅かったのですね、でも、その言葉の響きではありませんが、どんなにうれしくても、恋文を人に見せる貴女の振る舞いは浅い(軽率)ですよ。
 
歌番号一二一九
原文 徒久之乃志良加波止以不止己呂尓寸美者部利个留尓
堂以尓乃不知者良乃於幾乃利乃安曾无乃満可利王多留川以天尓
美川堂部武止天宇知与利天己比者部利个礼者
美川遠毛天以天々与美者部利个留
読下 筑紫の白河といふ所に住み侍りけるに、
大弐藤原興範朝臣のまかり渡るついでに、
水たべむとてうち寄りて、乞ひ侍りければ、
水を持て出でて、詠み侍りける
 
原文 飛可幾乃遠宇奈
読下 ひかきの嫗(檜垣嫗)
 
原文 止之布礼者和可久呂加美毛志良可者乃美川者久武万天遠以尓个留可奈
和歌 としふれは わかくろかみも しらかはの みつはくむまて おいにけるかな
読下 年経れば我が黒髪も白河のみづはくむまで老いにけるかな
解釈 年を経て重ねたので私の黒髪も白髪となり、その言葉の響きのような白河の水を汲むのも、腰が丸い輪のように曲がるまで年老いてしまいました。(若い娘の給仕ではなく、すみません。)
 
原文 加之己尓奈多可久己止己乃武於无奈尓奈无者部利个留
読下 かしこに名高く事好む女になん侍りける
解釈 檜垣嫗は、筑紫の白河の地の有名で風流な女主に仕えてい
コメント
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