逝きし世の面影

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アラファト議長 放射性物質ポロニウム210「暗殺」疑惑

2012年07月07日 | 軍事、外交

『パレスチナ自治政府議長(国家元首)の暗殺』

中東の衛星テレビ、アルジャジーラは3日、2004年に(死因は不明とされた)75歳で死亡したパレスチナ自治政府のアラファト議長の死因について、致死性の放射性物質ポロニウムで毒殺された可能性があると報じた。
アラファトは04年10月にイスラエル軍に完全包囲された軟禁状態のヨルダン川西岸ラマラの議長府で体調を崩し、11月11日、搬送先のパリ郊外の病院で75歳で死去。
当初からイスラエル政府による毒殺(暗殺)説が取りざたされていた。
アラファト議長が死ぬ少し前の、2004年3月22日にはハマスの精神的指導者であるヤシン師がイスラエルのミサイル攻撃で爆死している。(巻き添えでボデーガード2名と一般の通行人9名も死亡)
ヤシン殺害をアナン国連事務総長が『不法な暗殺』と非難したが、当時のイスラエルのシャロン首相はイスラエルの安全保障に資するなら『アラファト殺害の選択肢を排除しない。』と公言していた。
妻のスーハさんが、病院から渡された遺品の歯ブラシや衣類などをアルジャジーラに持ち込み、スイス・ローザンヌの放射線物理学研究所が、議長の血液や汗、唾液などが付着した衣服や歯ブラシ、カフィーヤ(ずきん)を分析したところ、毒性の強いポロニウム210が検出された。
アル・ジャジーラはアラファト暗殺犯についての何も触れていないが、当時のパレスチナ自治政府の議長府はイスラエル軍戦車に直接攻撃され全壊に近い状態であった。
電気を止められた議長府内で、辛うじて残っていた議長執務室に立て篭もって籠城していたアラファト議長の周りを、イスラエルによる議長殺害を阻止する目的の欧米人権擁護組織の人々による『人間の盾』が守っているという、最悪の危機的な極限状態だったのである。
この極限状態で体調を崩してアラファトが死ぬ。
直接的な毒殺でなくても、アラファト議長の死に対してイスラエル政府の責任は免れない。
だから8年前のアラファトの死亡時には、多くのイスラム教徒(特にアラブ人)たちは何一つ証拠が無い状態でも『イスラエルによるアラファト暗殺』説が、『真実である』と人々が噂していたのである。
通常の放射能測定装置では検出不能なポロニウム210でのアラファト暗殺が真実であるなら、イスラエル(極右政党リクードのシャロン首相)による暗殺の可能性が一番高いと思われる。
現在、イスラエルの首相はシャロンの後を継いだオルメルトへと変わり、今はアラファト死亡時の2004年当時と同じで極右リクード(ベンヤミン・ネタニヤフ第32次首相)である。
リクード党首のシャロン中将は2000年9月に聖地エルサレムにある神殿の丘の上にある岩のドーム(ムハンマドが昇天した場所でイスラム教の三大聖地のアル・アクサモスク)にイスラエルの武装警察2000人と共に無理やり押し入る。
旧約聖書によると神殿の丘の上にユダヤ教の第三神殿の建設(その為のアル・アクサモスクの破壊)はメシア降臨の絶対条件なのです。
シャロンによるあからさまな『聖地の冒涜』にイスラム教徒の堪忍袋の緒が切れてしまい、怒り狂ったパレスチナ人の抗議行動(第2次インティファーダ)を引き起こす。
イスラエル全体が騒乱状態に陥って当時の労働党バラック政権を崩壊させて、まんまと自分が首相に納まったとんでもない人物(狂信者)が当時の極右政党リクードのシャロンである。
第2次インティファーダ(イスラエルの軍事占領に対するパレスチナ民衆蜂起)では死者数はイスラエル側が1200人に対してパレスチナの犠牲は7倍に上り、合計1万人近い死亡者を出している。

『アラファトのポロニウム210暗殺説の真偽』

アラファトの死亡(ポロニウム210での暗殺?)の2年後の、2006年に起きたのがポロニウム210によるリトビネンコ暗殺事件である。
2007年の後半にイギリスが突然、亡命中の元KGBのリトビネンコ中佐がまったく聞き慣れない(今まで前例が一つも無い)ポロニウム210で暗殺されたと発表する。
当時、国際的な大騒ぎに発展した。
元同僚のルボコイ(ロシアの野党国会議員)を唐突に容疑者(毒殺の犯人)として断定し、ロシア政府に身柄の引渡しを要求した。
イギリス政府は、『証拠が無く、告発は不当である』と容疑者引渡しを拒んだロシアに対して外交官4人を制裁として追放する。
これに対して、ロシア側も報復として英国外交官を追放する騒ぎに発展している。
日本や欧米のマスコミ報道ではロシア人女性ジャーナリスト射殺事件と関連付けて、『元KGB長官だったプーチンなら当然やりそうだ』(ロシアの暗殺説)が、ほとんど『真実である。』かのごとく報道されていたのです。
前代未聞の不思議な事件(歴史上初めての放射性毒物による暗殺)なのだが、3・11を契機に既存の権威(マスコミ)が信用崩壊を起こした現在とは大違いで、この当時はマスコミの報道内容を疑うものが誰一人もいないほど、『既存の権威』の信用度が抜群に高かった。
日本人全員が何の疑問も感じずに丸々『権威ある』マスコミの言い分(ロシアによる暗殺説)を信じたのです。
しかし、この事件は欧米や日本のマスコミの報道姿勢が可也変で、常軌を逸した異常なものだった。

『イギリス発の、リトビネンコ暗殺事件報道の胡散臭さ』

イギリスや日本のマスコミの主張ですが、基本的に『間違い。』か、何かのプロパガンダ(政治的な宣伝・広報、印象操作)ですね。
放射能の持つ科学的特性や客観的事実とは一致しない。
日本中のマスメディアが金太郎飴の如く寸分違わない『同一の主張』を飽きることなく何回も何回も繰り返していたが、科学的真実とはまったく合っていないので、これは悪質極まる『真っ赤な嘘』(プロパガンダ)であると断定できる。
放射線防護学の安斎育朗教授(疑似科学などを科学的に解明するジャパン・スケプティクス元会長)によると、基本的に放射性物質による『毒殺』は非効率で即効性に欠ける。
もちろん放射能は危険ですが、いみじくも枝野幸男民主党幹事長(現通商産業大臣)が福島第一原発からの放射性物質の大量漏洩で、繰り返し繰り返し耳にタコが出来るほど強調していたように『食べても直ちに健康に影響はない。』(短期間、一二回程度なら安全)なのです。
口から出まかせ、その場その場で主張が違う三百代言の枝野の言葉は信用ならないが、『ただちに健康に影響は無い』の部分だけなら真実である。
ポロ二ウム210は、ヘリウムの原子核である(電離作用が大きい)アルファ線を出すが空中で最大3センチ以内しか飛ばず、放射能測定器の内部の窓まで届かないので、通常のガイガーカウンターでの検出は不可能。
しかし、紙一枚でも放射線を遮断でき『持ち運び』が容易なので、服のポケットに忍ばすことも可能。
ルボコイ氏と会食直後に体調を崩したとされるが、口から食べたのなら3ヶ月程度、血液注射で2~3週間後に放射能の影響がでてくる。
リトビネンコの尿から検出されているので腎臓にポロニウムが蓄積されていることが考えられ、それなら血液に注射された可能性が高い。

『不可解なイギリス政府の対応』日本の報道機関の対応も不可解

ポロニウム210での暗殺を『情報戦』として見れば、元KGBのリトビネンコ暗殺事件でのイギリスとロシアの争いは9対1以上の圧倒的なスコアでイギリスの勝ち。
此れはブレア首相とプーチン大統領と両者の印象も大きく影響している。
インチキな理由でイラク戦争を始めたので幾等かは信用を失ったが、今なお民主主義のイギリスのブランドイメージは健在で、イラク戦争さえ無ければ99対0の圧勝のはずだった。
それ程イギリス=民主主義のイメージは人々の間に定着している。
私も『プーチンならやりそうだ』が第一印象ですが、しかしマスコミ報道が、科学的な真実とは程遠く可笑しい。
政治的な宣伝・広報(プロパガンダ)の臭いがプンプンする。
リトビネンコ暗殺事件では英国が典型的な印象操作を行っている可能性が非常に高いのである。
当時の人々がマスコミ報道を少しも疑うことなく、『正しい』と信じた一番大きな根拠とは『マスメディアや専門家全員が同じ主張で、少しの違いも無いから』、だったのです。
しかし、この権威ある存在が『全員が同じ意見で、まったく違いが無い』事実から論理的に導き出せる結論とは何か。
この答えは、2011年3月11日の東日本大震災による福島第一原発事故の以前と以後では、多くの市民の考え方が正反対に変わっている。
3・11で判明した『真実』(膨大な犠牲で購った教訓)では、権威ある存在の全員が同じ賛成意見の場合には、恐ろしいことに反対(少数)意見が抹殺されている(利益共同体内部の談合による隠蔽や偽装である)可能性が、一番考えられるのですよ。
ですから『全員一致』の意見とは、『真実である』可能性も確かに有るにはあるが、『プロパガンダである』可能性の方がより高いのである。

『まず「ポロ二ウム210=ロシア」とのマスコミ報道は完全な間違い(デマ)』

2007年当時の日本のマスコミは異口同音に、『ポロニウム210はロシアしか無い放射性物質である』(だから暗殺犯はロシア以外に有り得ない)と大宣伝していたのですよ。
ウラン235が放射線を出しながら崩壊して最後には鉛になるが、崩壊途中の中間物質がポロニウムである。
ポロニウムを毒物として使った暗殺事件は前代未聞で特殊な話だが、ポロニウム210自体は有り触れた存在であり、何ら特殊な物質ではない。
ポロニウム210の入手では英米やイスラエルなど、国内で原子力機関を所有する国は、暗殺の嫌疑を一方的にかけられたロシアと同等の『資格』があったのである。
それなら当時のマスコミが繰り返し繰り返し報道していた『ポロ二ウム210はロシアしかない』は何かの誤解のたぐいでないなら、真っ赤な嘘か、悪質な印象操作であろう。
しかも、KGBの元同僚のルボコイ氏が第一容疑者になった最大の根拠とは、死去したリトビネンコKGB元中佐が突然体調不良になった当日に会った人物だったからだが、これが一番嘘くさいのです。
『暗殺』のような相手に分からない程度の少量の口からの放射性物質(ポロニウム210)の摂取では、数ヵ月後にしか影響が出ない。
(致死量を超える大量投与であったとしても、放射能の被害は直ぐには影響が出ない)
しかも、口からなら尿からではなく便から検出されるはず。
β線やγ線中性子線による核兵器や東海村臨界事故でも、高温の熱風による被害を除く、純粋の放射線被爆では、被害がわかるまで長い一定の時間が必要でした。
ポロ二ウムに限らずDNAを傷つける『放射能』には、そもそも即効性は無い。
事実チェルノブイリ原発事故の消火作業で致死量以上の放射線を浴びた消防士や兵士達でも、始めの1週間はまったく症状が出ることはなく一見元気そうだったのです。
特に透過力が極端に弱い、α線による短期の殺害は可也難しそうです。
放射線防護学の安斎育郎立命館大学教授によると暗殺犯人は(DNAの損傷により)少しずつ体力を奪って病気死亡を狙ったか、(短期決戦なら)タリウムなどの毒物との併用との考えです。
いずれにしろ放射性毒物の真相は、イギリスや当時の日本のマスコミの論調(イメージ)とは大きくかけ離れていた。

『赤信号みんなで渡れば怖くない』
イギリスは『体調を崩した当日に会食していたから』とルボコイ氏を暗殺容疑者と断定したが、『経口投与』で数ヶ月、血液注射でも数週間 も必要な放射能の科学的特性から、英国の言い分通りの暗殺は絶対に不可能なのです。
核保有国でもあるイギリス当局が、これらの放射能のイロハ的な基礎知識を『まったく知らない』筈が無いのである。
イギリスですが、容疑者と断定したロシアの国会議員をたとえ逮捕して裁判に持ち込んだとしても明らかな冤罪であり、絶対に『有罪に出来ない』ことを承知の上で不思議なロシア叩きのプロパガンダを、世界規模で大々的に繰り返していた。
イギリスのブレア首相の『思惑』とはいったい『何』が目的だったのだろうか。実に不思議である。

『全員で口を揃えて真っ赤な嘘をついた欧米(イギリス)と日本のマスコミの怪』

10年間もイギリスの最高指導者を務めてきたカリスマ政治家のブレア首相は、まったく政治力も人気も無い実務家のブラウンを自分の後任首相に指名して辞任する。
『責任を取る』として2007年6月27日に辞任しているのですが、この時にブレアが辞任理由に上げたのが、2年も前の総選挙での労働党の後退である。
これは、通常『有り得ない』話ですね。
しかも、リトビネンコ暗殺事件でイギリスが行ったプロパガンダも、通常では『有り得ない』異常な出来事だったのです。
そして、この『異常な情報操作』が行われだしたのが、イギリスの実力者中の実力者であるブレア首相の突然の辞任劇と、その後の選挙では絶対に勝てそうにない事務屋(ブレアの傀儡?)のブラウンの首相選出直後からなのです。
カリスマ性があった雄弁家のブレアとは大違いで、このブラウンは演説下手で『絶対に笑わない』政治家として有名だったが、これではイギリスの選挙では勝てない。
ポロニウム210でのリトビネンコ暗殺事件の表面上(マスコミ報道)だけを見れば何とも不思議な成り行きであり、イギリスの姑息なプロパガンダとして見ても稚拙でまったくお粗末である。
情報操作としても『不出来すぎる』欠陥品なので、普通なら誰も信じないレベルなのである。
イギリスが世界規模で行った『ポロ二ウム210での暗殺』との、不思議なプロパガンダの仕掛け人だと思われるトニー・ブレアの真の狙いとは『何』だったのだろうか。

『イラン危機と関連している可能性』今回のアル・ジャジーラのアラファト暗殺報道

パレスチナの絶対的なカリスマ的政治家でノーベル平和賞受賞者でもあるパレスチナ自治政府のアラファト議長の死因について、8年後の今頃になって明らかになる真意とは、いったい『何が原因』しているのであろうか。
パレスチナは国際機関による真相解明の調査を提案しているがアラファト暗殺の真偽は、遺体を掘り起こして調査すれば簡単に判明する。
遺体からポロニウム210が出ればイスラエルの犯罪が明らかになる。
しかし、以前のパレスチナの抵抗運動はアメリカの全面援助による圧倒的なイスラエル軍の力の前に、無残に挫折させられている。
今回の中東の衛星テレビ、アルジャジーラの報道(8年前のアラファト暗殺疑惑)で、もう一度イスラエルに対する抗議行動が再燃するだろうが、彼我の力関係には差がありすぎるので前回と同じ結果しか出ないだろう。
今のパレスチナ内の政治情勢に占めるアラファトの実質的な影響力は皆無で、すでに『歴史上の偉人』程度の話でしかなくなっているのです。
しかも、今の中東の最大感心事といえば、パレスチナ問題ではなくてイラン問題である。
イランの核疑惑(アメリカの軍産複合体のでっち上げの形跡がある)に対してイスラエル軍による奇襲攻撃がイスラエル高官の口から選択肢として、平気で語られているのである。
しかし今年秋の大統領選挙を目の前に控えているバラク・オバマとしてはイラン・アフガンの後始末も出来ない内での、イラクの何倍もある中東の地域大国であるイランとの戦争を望んでいない。
それなら今回のアルジャジーラの大スクープ記事(アラファト暗殺の暴露)の狙いは、イスラエルの現リクード政権のイラン奇襲攻撃の軍事冒険を、過去のイスラエル諜報部の悪事を暴くことで信用を落として、それとなく牽制する意味が大きいと思われる。

『時系列で考察すると、別の世界が見えて来る』

リトビネンコ暗殺事件に付いては当ブログでは『イギリスの悪質な印象操作である』との趣旨の記事を2008年2月1日に書いている。
ところが、今回のアラファト暗殺のアルジャジーラ報道が正しいなら、5年前のリトビネンコ暗殺事件のイギリスの不思議な(絶対に有り得ない)非常識極まる対応の、まったく別の新しい『答え』が出て来る。
平和憲法の日本とは大きく条件が違い、核先進国でもあるイギリスが、ポロニウム210の持つ意味を間違う筈が無いのですよ。
そもそも放射線測定器では観測できないアルファ線しか出さないポロニウム210をイギリスが発見出来たのは、ある程度最初からポロニウムの検出を予想していたからでしょう。
これは今回のアラファト暗殺の発覚(ポロニウム210の検出)でも同じです。
2006年のポロニウム210を使ったリトビネンコ暗殺事件が、広く世界に知られているからパレスチナ側が今回発見出来たのである。
2007年末に、ポロニウムを使ったリトビネンコ暗殺事件が英国によって明らかにされなかったら、今回のアラファト暗殺も発覚していない可能性が高い。
別の見方をすると、イギリス当局はリトビネンコの2年前に死んだアラファトの『死の真相』を、早い段階で正しく知っていた事になるでしょう。
英国諜報機関は、最初から前代未聞の放射性毒物によるアラファト毒殺事件の秘密を握っていたのですよ。
検出不能の毒物によるこれ等の暗殺事件ですが、多分両事件とも同時期の別々の事件ではなくて、同一の犯人による一連の暗殺事件ですね。
何故なら、たんにポロニウム入りの放射性毒物であるなら、ガンマ線も放出すので通常の放射能検査でも検出が可能。
ところがアラファト『暗殺』は純粋なポロニウム210なので、特別な検査でないと放射能の検出が無理なアルファ線だけを出していたと思われる。

『イギリス(ブレア)の真の目的は反ロシアではなく、対イスラエルだった』

2007年の年末に、表面的にはイギリスが無理筋のポロニウム210でのリトビネンコ暗殺でロシアを嵌めた『悪質な印象操作』であるかに見えたのですが、真相はもっと複雑で暗殺話は深刻であった。
アラファトの死はパレスチナにとっては大きな痛手であった。
同じノーベル平和賞受賞者で南アのアパルトヘイトに対する黒人解放運動指導者ネルソン・マンデラ元大統領と同じで、パレスチナ民族解放運動の内部対立を克服出来る唯一のカリスマ政治家であった。
例え重い病気で実権をなくしていても、生存しているだけで今のようにパレスチナがハマスとファタハに分かれて軍事衝突するような深刻な内部分裂する事態には至っていない。
リトビネンコ暗殺事件が起きた2006年当時のイスラエルですが、レバノン侵攻を行ってクラスター爆弾の大量使用など国際的な顰蹙を買っていたが、アメリカの同盟国のイギリスは表立ってイスラエルの蛮行を非難できない。
イギリスなど西欧世界では、恐ろしいことに『反ユダヤ主義』と見られることは即政治生命を失う。
御粗末な時代錯誤の歴史修正主義が平気で語られる日本とは大違いで、『反ユダヤ』のレッテル貼りは、自動的に政治家として致命傷になるし、『アウシュビッツの死亡人数は疑わしい』と語るだけで即逮捕され厳しく罰せられる。
2007年当時はイスラム原理主義のハマスが公正な民主選挙で勝ってガザを実行支配、イスラエル軍の再度の軍事侵攻が心配されていた。
イスラエルは『自衛』を口実にして周辺国を攻撃するばかりか1981年にはイラクの原子炉を爆撃して破壊している。2007年にもシリアの核関連施設の空爆を行った模様である。
それで仕方なく、一見すると『ロシア叩き』と思えるが、暗殺内容を知っているものには『イスラエルに対する厳重な警告』になる不思議な印象操作を行った。
だから、(非科学的な)無理筋のポロニウム210でのリトビネンコ暗殺が、欧米メディアで大々的に宣伝されたのでしょう。
事実、ポロニウム210でのリトビネンコ暗殺が世界に知れ渡って以後、イスラエルによるレバノン侵攻のような外国への大規模な軍事侵攻(暴走)が無くなっているのですね。(占領地では08年、ガザ紛争で地上侵攻して一方的な殺戮を行っている)
ポロニウム210でのリトビネンコ暗殺の発覚(2007年末)以前と以後とでは大きくイスラエル軍の動きが違ってきているのですから、これはこれで面白いですね。
リトビネンコは反プーチンの寡頭資本家オリガルヒの頭目的なユダヤ系のベレゾフスキーの下で働いていたが、知ってはいけない事柄を運悪く知ってしまったので誰にも分からない方法でイスラエルに消されたのしょう。
イギリスの極秘の対イスラエル政策(ポロニウム210を使ったリトビネンコ暗殺事件の暴露)の巻き添えにされたロシア(プーチン)こそいい迷惑である。


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科学的にすぐ分かる恐ろしい時代 (Saito)
2012-07-05 02:16:57
リトビネンコ事件については、当時、米英の報道しか見ていなかったのですが、イラク戦争で鍛えられていたので(笑)、ああまた英国がやってる位に思っていました。しかし、今だったら、嫌でも知ってる放射能の知識で、科学的に変とすぐわかるわけで、実に知識は力です。あまり欲しくない知識ですが。。。

アラファトは、暗殺と分からないように、長期に渡ってやられたのでしょうね。それには、放射能の毒がぴったりなわけですね。おそろしい事です。
歴史的に考えるとまったく別の世界が見えて来る (宗純)
2012-07-05 14:45:40
Saitoさん、コメント有難う御座います。

リトビネンコ事件に付いては当ブログでは『イギリスの悪質な印象操作である』との趣旨の記事を2008年2月1日に書いたのですが、このブログを愛読している読者諸氏までが、完全に『マスコミの主張は正しい』と信じていたのか、反応がゼロ。
コメントが一つも付かずに当時は丸っきり無視されたのですね。
同一の主張をしているブログが、何処にもない。
私一人だったのですよ。
何とも寂しい成り行きなのですが、この『唯一、私だけの主張』というのは、別に珍しくも無くて、慣れっこなのですよ。
私としては、『自分には明確に(何の疑いも無く)はっきりと見えるものが、何故、他の大勢に見えないのか。』の方が余程不思議なのですよ。
偏見さえ無ければ、当然誰にでも見えるのです。
アラファト暗殺のアルジャジーラ報道が正しいなら、今までのリトビネンコ暗殺事件のイギリスの不思議な(絶対に有り得ない。非常識極まる)対応の答えが出て来ます。
日本とは大きく条件が違い、核先進国でもあるイギリスが、ポロニウム210の意味を間違う筈が無いのですよ。
そもそも放射線測定器では観測できないアルファ線しか出さないポロニウム210をイギリスが発見出来たのは、ある程度最初から検出を予想していたからなのです。
これは今回のアラファト暗殺の発覚でも同じです。
2006年のポロニウム210を使ったリトビネンコ暗殺事件が世界に知られているから、発見出来たのであり、リトビネンコ暗殺事件が明らかにされなかったら、今回のアラファト暗殺も発覚していない。
別の見方をすると、イギリス当局はリトビネンコの2年前に死んだアラファトの死の真相を正しく知っていた。
事件の秘密を握っていたのですよ。
検出不能の毒物によるこれ等の暗殺事件ですが、多分両事件とも同時期の別々の事件ではなくて、同一の犯人による一連の暗殺事件ですね。
何故なら、たんにポロニウム入りの放射性毒物であるなら、ガンマ線も放出すので検出が可能。
ところが、アルファ線だけ(純粋なポロニウム210)なので放射能の検出が無理なのです。
2007年の年末に、表面的にはイギリスが無理筋のポロニウム210でのリトビネンコ暗殺でロシアを嵌めた『悪質な印象操作』であるかに見えたのですが、真相はもっと複雑です。
2006年当時のイスラエルですが、レバノン侵攻を行って国際的な顰蹙を買っていたが、アメリカの同盟国のイギリスは表立ってイスラエルの蛮行を非難できない。
イギリスなど西欧世界では反ユダヤと見られることは即政治生命を失うのです。
2007年当時はハマスが選挙で勝ってイスラエル軍の軍事侵攻が心配されていた。
それで仕方なく、一見すると『ロシア叩き』と思えるが、内容を知っているものには『イスラエルに対する厳重な警告』になる。
ポロニウム210でのリトビネンコ暗殺が欧米メディアで大々的に軍事宣伝されたのでしょう。
事実、ポロニウム210でのリトビネンコ暗殺が世界に知れ渡って以後、イスラエルによる大規模な軍事侵攻(暴走)がまったく無くなっているのですね。
ポロニウム210でのリトビネンコ暗殺の発覚(2007年末)以前と以後とでは大きくイスラエルの動きが違ってきているのですから、面白いですね。
リトビネンコは反プーチンの寡頭資本家「オリガルヒの頭目的なユダヤ系のベレゾフスキーの下で働いていたが、知ってはいけない事柄を運悪く知ってしまったのでイスラエルに消されたのしょう。
まずは国語力を (先生)
2012-09-06 10:26:29
ですます調と言い切り調が混ざり、大変読みづらい。
無理に読む必要はありません (宗純)
2012-09-06 14:13:26
不思議ですね。
アクセス数を稼ぐなら1000字程度の短い記事で毎日更新する方が良いらしいが、この『逝きし世の面影』は正反対の考え方のブログなのです。
当ブログは1万字弱の長文で週に1~2回の頻度でしか更新しない。
理由は極簡単で、基本的に漫画で歴史を学んだと勘違いしている携帯中毒の愚か者には読みに来て欲しく無いのですよ。
わざと読者に対してハードルを高くして嫌がらせをしている(選別をしている)のです。
長文で『読みづらい』のは当然であり、それは意識的に行っていることなので、事実には何の間違いもありません。
ここは文法的に正しいことが要求される国語教科書ではなくて、政治ブログですよ。
政治的な正しい判断力や洞察力が要求されるのです。
『である』は★とか!マークと同じ意味で、『政治的』に意味を強調しているのですね。
同一文章の中に『である』と『です』と『でしょう』が混在するのは、書いて内容の強調度の『星幾つ』なのです。

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