令和3年5月31日(月)
今日で5月も終わり。今月初めには八十八夜を迎え、新茶の真っ盛りでしたが、既に一番茶の生産がほぼ終了したという報道がなされていました。そのタイトルには「県産一茶生産最低水準」と記され、ここ数年は茶業が回復することなく厳しい状況が続いていることに、茶農家ではない私でも静岡県に住む者として落胆してしまいます。特に、私の周囲には茶業を生業としている農家も多く、彼らの苦悩に共感します。それでも、彼らは新茶ができると笑顔で私を訪れ、貴重な新茶を届けてくれるだけに、大変申し訳ない気持ちにもなります。
記事によると、今年の茶生産状況は、当初は気象条件に恵まれ、「史上最速」のペースで生育が進んだが、新茶取引が始まった4月頃には気温の低い日が続いたことで記録的な大減産となった昨年と同水準となる見通しとも書かれています。
厳しい状況に追い打ちをかけているのは、新型コロナウイルス感染症が昨年に引き続きこの新茶シーズンに影響を与え、高値で取引される新茶商戦が大きなダメージを受けていることや、農家の高齢化や担い手不足といった慢性的な課題があります。
課題解消に対しては、生産性向上のための高効率化、高付加価値化(ブランド化)や海外輸出などもあり、また担い手不足を解消するための農業関係者以外からの営農進出などの定番対策はありますが、それが現場に浸透しているようには感じられません。
とはいえ、若い担い手が新しい発想を含め様々な茶づくりやマーケッティングへの進出などで、注目する効果を上げているところもあり、必ずしも悲観的ではありません。その状況から茶業にとっても大きな節目となる時期にさしかかっているのかもしれません。
6月には県知事選挙が控えています。私が支持をする候補予定者も、茶業振興に対しては大きな関心を持っており、そのための政策への取り組みも明らかにしています。この大きな政治的な節目に、県内茶業がどのように回復していくのか、期待を寄せています。