鈴木すみよしブログ

身近な県政にするために。

静岡空港国際線再開に期待と課題が交錯

2023年09月30日 | 議会活動
令和5年9月30日(土)

 富士山静岡空港は、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、ここ数年国際線がゼロの状態が続いていましたが、コロナ禍が峠を越し海外からのインバウンドも制限が緩和された春頃より、韓国便から再開しはじめ、最近、ようやく中国便も再開になりました。
 台湾便はまだ再開されていませんが、県の関係者や議会関係者も積極的に航空会社などへ直接働きかけ、早期の再開を待ち望んでいます。ちなみに、最近、韓国便は毎日就航が発表され、コロナ禍だけでなく政治的にも両国の関係が好転したなどの要因もあるかもしれません。いずれにしても、今後は再開に向け、更なる動きが期待されます。

 さて、コロナ後の空港再開を巡る動きを見ていたときに思い浮かべたのは、富士山静岡空港が開港し、国内・国際線の路線確保に奔走していた頃を思い出しました。
 私が関わった中で印象深い想い出は、修学旅行生にこの空港を利用してもらおうという企画でした。高校生の修学旅行では、海外に行くケースが増え、県内の高校生や海外の高校生などが、団体旅行として利用することにより、空港活用に活路を見出したいというものです。

 具体的には、もう10年近く前になると思いますが、地元の高校生の修学旅行先に台湾を紹介したらどうかという相談を、台湾と関係が深い方から相談を受け、高校側の意向も確認しつつ、受入側となる台湾側の考えがどうなのか、私が直接現地に出向き、紹介者の仲介で台北市の教育長と意見交換する機会がありました。
 その結果、基本的な考え方は一致し、より具体的にどう進めるか今後の課題として早々に取り組んでいくことになりました。
 以後、双方のご努力により、今で言う「教育旅行」という流れができ、両国内での学生同士の交流を主なテーマとして交流するようになりました。
 ただ、残念ながら就航便発着の時間的な問題や、一度に生徒達が乗り切れない機体サイズなどもあり、利便性の高い首都圏の空港利用に依存していたのも歯がゆい現状でした。

 その後、旅行先は台湾以外にも広がっており、学生達が国際感覚を直に体験できる「教育旅行」の評価は高いと感じています。

 最近の新聞記事でも、本県内へのインバウンド拡大における教育旅行について、コロナ禍を通じたその後の回復基調の状況が書かれていました。観光関係者なども積極的に取り組む姿勢を見せ、今後に期待を寄せているようです。
 一方で、原発関係処理水を巡る問題に反発する国のケースでは、本県空港に就航再開したばかりなのに、キャンセルが多いなどの現状もあり、厳しい面も現れています。時間とともに解消できれば良いのですが、注視していく必要があります。

 近年は、団体客から個人客にシフトし、旅行目的なども多様化しました。県内や周辺地域の魅力発信により、よりこの空港を使うメリットを売り出していく必要があります。そのためにも、議会としても海外関係者との交流も強化し、相互理解を深め往来が増えるよう取り組んでいきたいと思います。
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各地で区民体育祭が始まる

2023年09月29日 | 議会活動
令和5年9月29日(金)

 先週末から始まった市内各地での区民体育祭や秋祭りに参加する機会がありました。新型コロナウイルス感染症の影響もあり、4年ぶりの開催ということで開催に至るまでの地域内での議論や準備などにかなりご苦労されたお話も聞くことができました。

 感染症法上の分類が5類に移行したのは5月。この結果を受けて8月頃の夏祭りなどは、各地でコロナ禍前に近づいた開催を見ることができました。待ち望んでいた久しぶりの行事に、会場を訪れた方々の喜びの顔を見るのが楽しみでした。
 しかし、会場数は増えたものの、実際には規模を縮小しての開催の方が多く、主催者にお話を聞くと、3年間のブランクは開催のノウハウの継承がうまくいかなかったり、意欲が薄れてしまったなどで、何とか規模の縮小や開催方法の見直しなどで合意を得て開催にこぎ着けたという声は少なくありませんでした。
 しかし、そのご苦労もあって、開催してみれば住民の皆さんの喜びなどを感じ、来年に繋げていきたいという気持ちになったといってました。

 5月から半年ほどが過ぎた秋の行事は、もう少し復活の兆しが強くなっていると予想しましたが、先日訪れた様子では良くなっているとは感じられませんでした。
 また、コロナ禍前に届いていた各地からのイベント招待状の数も、明らかに減少しており、11月頃まで続く秋のイベントは中止か規模の縮小がうかがえます。

 先日訪れたある地域の区民体育祭は、半日でプログラムが終わるスケジュールに変更となっていました。恒例だった中学生によるオープニングの聖火ランもなく、この地域の特色が消えています。
 また同日開催された他の地域では、スポーツフェスティバルと名称を変え、いつ誰が来て参加しても良いような緩やかなメニューに変えたと聞きました。
 その他の地域では、町内毎で競うリレー競技が一番の人気でしたが、人口が減少し選手を出せない町内も増えたことから中止としたところもあります。

 秋祭りでは、準備に時間がかかりコロナ禍以前から開催の在り方に様々な意見があったところでは、コロナ禍をきっかけに今後の開催は中止したところもあります。

 話しは変わりますが、先日、民間の政策研究団体が主催するシンポジウムにパネラーとして参加し、人口減少や少子化等の話題についても意見が交わされました。参加者全員が最重要課題と認識し、それぞれの取組についての意見が出ましたが、行政や社会がそれに応じて行動し結果を出すのは簡単なことではありません。そんなモヤモヤを感じつつ、シンポジウム終了後には、ある地域の秋祭り会場を訪れ、盛り上がった住民の皆さんと楽しい一時を過ごすことができました。

 その時感じたのは、地域が一つにまとまり信頼関係を深め、年齢や性別に関係なく郷土愛を醸成できる場としての「祭り」の大切さを実感しました。

 確かに、イベントの企画や準備は大変なことと承知しています。私も長くこのような主催者側にて汗をかいてきたので良く分かりますが、イベント中の住民の笑顔や住民同士のふれあいの場の雰囲気を十分に感じ取って、それまでの苦労が報われてきたようにも感じられます。
 地域の一体感は、行政が作り出せるものではないと思います。それぞれの努力が、今後地域の活性化に影響し現れるのではないか。取組次第での格差も生じていくのではないかと考えます。各地のイベントを巡りながら感じました。
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市内の戦没者慰霊祭に参加して

2023年09月28日 | 議会活動
令和5年9月28日(木)

 富士市元吉原地区の戦没者慰霊祭に来賓として招かれ参加させていただきました。国や県、市などが主催する戦没者慰霊祭は8月15日に開催されていますが、市内各地にある慰霊施設では、春と秋の彼岸の時期に戦没者慰霊祭が開催され、参加人数が限られていることから関係者との懇談なども可能でした。今年は戦後78年が経ち年々高齢化し減少する遺族会の状況は、この集まりの縮小化に拍車がかかっていることを実感させます。




(慰霊祭の様子)

 主催者の説明によると、この地域では戦没者が224柱、現在その遺族会員数は13名ということでした。今回の慰霊祭には8人が参加され、少し高台にある慰霊碑までは体調の関係から、中には階段に上がる手前で参加する方もいて、大切な家族や身内を亡くされたことに、身体が動くうちは参加したいという気持ちが伝わってきます。

 今、ロシアによるウクライナ侵攻を始め世界中で戦争や紛争が続いており、多くの市民が犠牲になっています。今年広島で開かれたG7においても、G7首脳全員が平和公園での慰霊の献花に臨むなど、また平和資料記念館を訪れ、初めて目にする原爆の悲惨さを実感するなど、平和に対する関心も高まりました。

 遺族会の皆さんは、実体験として戦争の悲惨さとその痛みを心に刻んできました。いわば、その体験を語り部として後世に語り継いでいくことができる生き証人でもありますが、長い時間を経てその限界も感じるようになっていることから、遺族会の継続のためにも世代交代が必要となり、少しずつではありますが前に進んでいる地域もあるようです。
 しかし、現実にはその歩は鈍く、このまま消えて行くことに大きな懸念を抱いています。この状況下において、各地にある慰霊施設を市内のどこかに一体化させて、後世に残していきたいという動きもあるようで、そのための行政の理解と支援を求めているという声を聴きました。この思いには賛同し、何か支援ができないか考えていかねばなりません。

 明るい話題もあるようです。元吉原地区では、地元の人が講師になって、地元の小学生を対象とした平和学習が昨年から始まったと聞いています。遺族会とは直接関係していないようですが、地域全体で平和を考える機会が増えることは素晴らしいことで、遺族会の衰退をこのような形で補っていくこともあり得ることと受け止めています。

 かつて、先人達が経験した戦争の悲惨さと平和の尊さを語り継ぎ、住民が平和な世界について考える機会を継続していくことが、犠牲となった方々への慰霊となることを信じて止みません。
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県議会9月定例会代表質問始まる

2023年09月27日 | 議会活動
令和5年9月27日(水)

 静岡県議会9月定例会の代表質問が始まりました。今定例会では、代表質問と一般質問で16人の質問者が登壇し10月2日まで続きます。その後は一旦休会した後、常任委員会での審議が始まり、13日が閉会となります。
 昨日はその初日で、私が所属する会派ともう一会派がそれぞれ午前午後に分けて各会派を代表し質問を行いました。
 今日はもう一会派が代表質問を行い、それ以降は一般質問となり、各議員が県政の喫緊の課題と受け止める諸課題について、当局を質すことになっています。


(9月定例会代表質問始まる)

 感染症の影響から解き放たれ、議場内も傍聴席もコロナ禍以前に戻りました。特に傍聴者は一時期ゼロの時もありましたが、昨日は質問者の支持者と思われる50人もの傍聴者が訪れました。議長席から見える景色は、議員席から見る景色とは大きく異なり、副議長として二回目の定例会を迎え、少し余裕も出てきたように感じます。
 しかし、それも一瞬で、登壇者と当局の熱戦においては、答弁などが生じないか、それぞれの発言に耳を傾け、気を抜くことはありません。この緊張感が少しずつ心地よくなっています。

 さて、代表質問の様子ですが、代表質問の華である「知事の政治姿勢」において、今定例会にも上程された知事の不適切発言に対する「給与の減額条例案」を巡り、知事の責任や進退について論戦がありました。質問者は、知事に対する「辞職勧告」や「不信任案」を提出してきた立場から、その後の経緯や知事の心情の変化などを質し、質問者から唯一の責任の取り方は「辞職」を求めることと強く非難しました。
 この課題につては、今後の一般質問でも取り上げる議員がいて、更なる熱戦が予想されます。

 その他には、来年度以降の本県の防災対策に関する財源確保として導入している法人事業税の超過課税に対する方針や、リニア中央新幹線建設に関するトンネル掘削土の処理に係るJR東海および静岡市との調整について、女性が働きやすい職場づくり、産前からの親準備教育の推進、時流を捉えた観光誘客、介護人材の確保・定着、農業の新たな担い手確保、スタートアップ支援戦略、水災害対策、学校教育のデジタル化、警察官の不祥事対策など、県政の多岐にわたる課題が取り上げられました。

 今日は、代表質問およびその後に続く一般質問全てを、私が議長席にて議事進行を務めることになっており、気を抜くことができません。
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不適切盛土への対応と課題

2023年09月26日 | 議会活動
令和5年9月26日(火)

 令和3年に甚大な被害を発生した熱海市逢初川土石流災害をきっかけに、不適切盛土に関する課題が大きくクローズアップされ、処理に関する規制等が格段に厳しくなっています。

 この問題は先の大災害以前から存在していたもので、その後の県の調査において、同様な災害が発生する可能性のある不適切盛土の存在が明らかになっています。災害になる前に、これらの不適切盛土に対する安全対策等が急務ですが、その責任を負うべき事業者等の中には、現実に向き合うこと無く、県の指導等を無視して危険な状態が続いている現状があります。このような一部の事案が、真面目に事業を行っている事業者等が同列に見られることは大きな問題です。

 安全対策が講じられなければ、県民に危険が及ぶ可能性もあり、県が事業者等に代わって「行政代執行」という対応をとらなければならないケースも増えています。この代執行には県民の税金が投入され、安全対策を講じた後に責任ある事業者等からその費用を回収することになりますが、そこには大きな課題があると感じています。

 先週、不適切盛土等を所管する部署の担当者から、静岡市内にある不適切盛土への対応のため、「行政代執行」に着手する手続の一環として、この不適切盛土の管理者に対して、近々「戒告」を行うとの説明がありました。
 この不適切盛土は、今年4月に問題があるとして、県から「原状回復命令」が発せられていますが、これに従わなかったことから、「行政代執行」に進める手続が行われるものです。
 この状態が進めば、10月半ばには「行政代執行」が行われる予定で、とりあえず危険な状態は回避される見通しですが、この代執行の最後には、管理者から執行に係った費用を回収することになります。
 説明を受けた県の担当者にその可否について尋ねると、手続上の流れは理解できたものの、回収に向けたメドについては今後、財産等の調査を進めるということですが、命令が発せられた4月から約半年間に、万が一に備えた回収のための事前調査などが行われていないことのようであり、このような事態になる事業者等は「逃げ得」になる可能性もあることから、回収のための体制には問題があるように感じられました。
 「行政代執行」は、とりあえず県が立て替えをして危険の回避を行い、後からその経費等を回収する制度でありながら、回収できないとすれば県民の理解は得られません。

 本県ではこのところ、このような不適切盛土による「行政代執行」事案が増えており、その費用は莫大です。県の負担、すなわち県民の負担が増えていることは大きな問題です。今後、議会の場でこの対応について議論を進めていく必要があります。
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