鈴木すみよしブログ

身近な県政にするために。

鈴川海浜スポーツ公園誕生

2020年11月30日 | 議会活動
令和2年11月30日(月)

 田子の浦港入り口東側に静岡県が整備してきた「鈴川海浜スポーツ公園」が完成し、その式典に参加してきました。南側は駿河湾に接し、北は富士山を望む絶景に囲まれた公園の誕生です。

 この公園は平成17年に「みなとまちづくり基本構想」が策定され、平成21年に港湾計画、平成22年度から本格的な工事が始まりました。
公園を造るにあたり、田子の浦港の浚渫土を活用し、鈴川海岸一帯を、展望とスポーツ、水遊び、休憩などを楽しむことができる海浜のスポーツレクリエーション空間として整備・活用することを目的にしています。

 公園の概要は、整備面積が2.8haで、そのうち芝生が敷かれた多目的広場が1.7ha、遊歩道が1,350m、休憩施設であるあずまやが5カ所、トイレ1カ所、管理棟1棟、駐車場は49台分などとなっています。

(公園概要。配付資料から)


(パークゴルフを楽しむ市民の皆さん)


(富士山を眺める絶景地)

(駿河湾に接している)

 公園管理は地元の元吉原まちづくり協議会と富士市パークゴルフ協会がポートサポーターとして登録され、芝生の管理や運営などに携わることになっています。今回誕生した公園の北側には隣接して富士市が整備したテニスコートやグラウンドもあり、市と県という垣根を取り払うことで利用者の利便性を考えて、これらの団体により一元管理することになりました。

(主催者挨拶をする県港湾担当理事)

(県議代表で祝辞を申し上げた)


(まちづくり団体にポートサポーター認証)


(記念植樹)

 この公園の完成には特別な思いがあります。それは、遡ること半世紀前、高度成長期に富士地域が製紙業を中心として各種産業が最も栄えた頃、大気汚染や水質汚濁といった公害が発生していました。特に水質汚濁は異常なほどで、各企業からは河川に未処理の工場排水が放流され、それは田子の浦港に全て集まり、港にたまった汚泥からは異臭や固形物が堆積するなど、国内でも注目された公害の場所でした。
その後の環境改善により工場から発生する公害は無くなりましたが、田子の浦港の底には、未処理の堆積物が完全に撤去されないまま残っていました。
 この公園を造るにあたり、その堆積物の処理先を検討していましたが、適地として港に隣接する海岸地帯に矛先が向き、安全対策を講じた上で埋設し、さらに覆土して堤防機能を強化し、その跡地を公園として造成したものです。
 富士市の過去の遺産は、長年、公害に悩まされてきた港周辺住民の理解と協力あり、終止符を打つことができました。そして、公園として生まれ変わり、地域住民の健康づくりやまちづくりのために、あるいは、公園を訪れる一般の方々に喜ばれる施設となりました。

 完成式典では県や市長の挨拶の後、地域住民の代表2名と私も県議会議員代表として挨拶させていただきましたが、それぞれが過去の歴史に触れ、当時の苦労を乗り越えてこの公園の誕生があったことを共有させていただきました。
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コロナ感染まん延期中期へ

2020年11月29日 | 議会活動
令和2年11月29日(日)

 新型コロナウイルス感染症の広がりが止まりません。県は新たなステージに入ったとして流行フェーズを上から2番目に重い「感染まん延期中期」として発表しました。

 毎週金曜日に発表されている感染状況は、「警戒レベル4(県内警戒、県外警戒)です。クラスターの発生が増えている静岡市・浜松市はレベル5(特別警戒)相当するとなっています。静岡市、浜松市等でクラスターが頻発し、感染拡大が進行しており、医療提供体制の逼迫が懸念されます。感染流行期は「感染まん延期・中期」ですが、感染拡大を抑止するための正念場を迎えています。県民の皆様には、12月20日(日)までを集中対策期間として、最大限の感染防止行動を取ってくださいますよう切にお願いいたします。歌唱や接待を伴う飲食店でのクラスターが頻発しています。マスク非着用での歌唱や会話など感染防止対策が徹底できない場合は、訪問を自粛くださるようお願いします。」となっています。

 知事は28日に緊急記者会見を開き、本県における感染拡大を踏まえたメッセージを発信しています。その内容は以下の通りです。

 本県の1週間当たりの感染者数は、毎週水曜日までの1週間の単位で、先週は249人、今週は338人となり、特に、静岡市や浜松市などでクラスターが頻発し、感染拡大に歯止めがかかっておらず、大変憂慮している。

 静岡県感染症対策専門家会議の委員の3分の2の先生方からは、本県の医師数が少なく医療提供体制が限られていることから、早めに、本県の感染流行期を「感染まん延期・中期」、国の感染警戒区分「ステージⅢ」相当にすべきとの意見をいただいた。

 県の感染症対策専門家会議の委員の皆様は、県の「病床の占有率」が50%近くになっており、医療提供体制の逼迫状況を強く懸念されているためと考える。医師の先生方の御懸念はもっともと言える。

 感染状況や医療提供体制は、地域によって異なるので、地域の実情に応じた評価が重要だと考える。よって、静岡県独自の判断基準に基づき感染状況を判断したいと思う。

 本県の医療提供体制は、「1週間の病床占有率」が50%近くになり、「感染まん延期・中期」の目安である「現時点での確保病床の25%以上」を大きく上回っている。医療提供体制の確保が何よりも重要であることから、本県の感染流行期を「感染まん延期・中期」に引き上げることとした。

 11 月25 日の新型コロナウイルス感染症対策分科会の政府への提言では、現在の感染拡大を沈静化させるために、感染拡大防止対策が示される一方、仕事、授業、受診等、感染リスクの低い活動を制限する必要がないことも併せて呼び掛けるよう提言されている。

 本県では、こうした方針を踏まえ、県感染症対策専門家会議の助言の趣旨を十分に踏まえ、感染拡大防止と医療提供体制の確保に向け、メリハリの利いた感染防止対策と県民へのメッセージを伝えたい。

 地域別の感染者数では、静岡市、浜松市が圧倒的な多数となっており、特に静岡市の最近のクラスターの頻発には大変な危機感を持っている。本県の警戒区分は、全県を俯瞰して見て、レベル4(県内警戒、県外警戒)だが、静岡市、浜松市は、レベル5(特別警戒)相当であると認識している。

 今後、静岡市、浜松市と密接に連携を取りながら、感染リスクを踏まえた感染拡大防止対策に取り組むとともに、医療提供体制の確保を最優先に目指す。
 感染拡大を抑止し本県の医療提供体制を守れるかどうか、今が大変重大な局面にある。本日から12 月20 日(日)までの約3週間を集中対策期間として、県民や事業者の皆様に、感染防止対策の徹底を切にお願いする。
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令和3年度県要望取りまとめに奮闘中

2020年11月28日 | 議会活動
令和2年11月28日(土)

 今年度もいよいよ折り返しが過ぎ、次年度予算編成に向けて動き出しました。今年は新型コロナウイルス感染症の影響が大きく、全県下に出向き様々な会合に出席して、現場で多くの県民や業界、行政機関等からの県政の現状に対する評価や課題などをお聞きする機会が決して多いとは言えない年でした。
しかし、私の机の回りには例年以上の要望資料が集まり、特に新型コロナウイルス感染症対策を求める要望もたくさんいただき、これを精査して来年度予算にどう反映していくのか、これからの取り組みに大きな責任を感じています。
 要望は11月末までをひとくくりとして期限を設けさせていただいていますが、ここに来てさらに追加要望のため、来庁予定を確認する団体もあり、最後の追い込みに熱意を感じます。

 私たちの会派では、次年度要望にまとめる素材は県内から集まった多くの現場の声であり、それをもとに県政がどのように対応してきたのかを検証し、県政の取り組みについて修正や追加などの提言を要望の中に盛り込んでいく手法です。最初にやらねばならない作業は、要望内容の絞り込みであり、これにはどのくらいの予算が必要かは盛り込まれていません。予算額に対する要望は12月に入り、県の予算編成が始まると同時に強調すべき取り組みに対する予算強化などを求め、折衝を行っていきます。日程的には、12月中旬に知事に対して要望書を提出し、1月下旬までに予算折衝の詰めを行い、2月定例会前にはその成果が知事から報告を受けることになります。この段階では次年度予算として議会承認を経ていませんので、その後の予算審議定例会で決定され、次年度予算として正式に承認される流れとなっています。

 現在は第1段階の要望内容の文書化であり、その最終案を練っているところで、県の各部局との意見交換を交え、来週には原案の提示ができるよう、毎日、県庁での作業に取り組んでいるところです。

 昨日は、県職員と意見交換している時に、「フォアキャスティング」と「バックキャスティング」の話題になりました。
 近頃は、議会内でもよく聞く表現ですが、その多くは「バックキャスティング」です。二つの違いは、変化を生み出していこうとするとき、現状からどんな改善ができるかを考えて、改善策をつみあげていくような考え方をフォアキャスティング(forecasting)といいます。 それに対して未来の姿から逆算して現在の施策を考える発想をバックキャスティング(backcasting)といいます。
 ネット上の説明を引用すると、「バックキャスティングとは、未来の目標や夢から逆算して考える思考方法のことです。 もともとは環境保護の分野で生まれた考え方であり、未来のあるべき姿を決めて共有することで、革新的な事業や偉業などに繋げることができます。 バックキャスティングは、既存の事業や企業を大きく飛躍させるためによく活用されています。
 メリットは、今の状態は考えずにゴールへ到達点するための目標ややるべき行動を決められるため、物事へ前向きに挑戦するきっかけとなったり、自由な発想で取り組んだりできるようになります。
 デメリットは、失敗する可能性があることです。現状を考えずに計画するので、今の状態と離れすぎてしまう恐れがあります。また、理想とする未来は誰も経験することができないので、途中で頓挫してしまうことも珍しくありません。短期的な計画には向かず、成果が出るまで時間がかかることもデメリットの1つです。」と説明がありました。

 今、私たちが取っている手法はフォアキャスティングの発想です。しかし、バックキャスティングの考えがないわけではありません。目先のことだけを考え求めようとしているのではなく、先にある理想を意識しながら、形を作ろうとしているのです。
 一方で、バックキャスティングは重要と受け止めていますが、現状認識や課題の検討が十分でなければ机上の空論で終わることもあり得ます。その意味では、今回の要望の取りまとめに際し、現場の生の声を集約していることは貴重な後押しとなることは間違いありません。改めて、責任の重さを痛感しています。
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県議会12月定例会会期中の感染症対策

2020年11月27日 | 議会活動

令和2年11月27日(金)

 

 いよいよ、来週月曜日から静岡県議会12月定例会が開会となります。新型コロナウイルス感染症による議会開催中の感染症対策は、前回の9月定例会では一旦緩和され、従来の開催方式にマスクや着用や消毒などを徹底することで、議員全員が一堂に会して議論することができましたが、12月定例会においては、ここ数週間の県内感染者数の増加により、警戒レベルも上がったことで、これまで以上に厳しい環境下での開会となります。

 

 1週間前に発表された本県の新型コロナウイルス感染状況について、「警戒レベル4(県内警戒、県外警戒)」(政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会による感染段階・ステージⅡ相当)でしたがその状況は現在も悪化しています。

 本県では、浜松市や静岡市等でクラスターが散発し、感染拡大が進行しており、感染流行期が「感染まん延期・前期」となっています。感染経路不明者数が増加し、市中に見えない感染者がいる可能性があることから、感染防止に細心の注意が必要です。また、東京都、愛知県、大阪府などの大都市地域を中心に、1 日当たりの新規感染者数が過去最高を更新し、感染が深刻化しています。全国で、多人数の会食やマスク非着用での歌唱、大声での会話など、感染リスクの高い行為により、クラスターが発生しています。

 今回の感染期は第3波に相当し、これまでにない感染状況であり、死亡者や重症・中等症者も増加し、収容する病床も確保数の半分近くまで増えている厳しい状況です。

 

 12月定例会では、先日開催された議会運営委員会にて感染症対策として次のように決まりました。

 本会議場では、入室者は無地のマスクを着用し、口と鼻を完全に覆うこととする。質問日は、議員と説明者の入場を必要最小限の人数とする。説明者の答弁は全て自席とする。代表質問及び一般質問においては、質問者の質問終了ごとに議長前演壇及び、対面演壇等を消毒する。傍聴席は座席数の半数とするとしています。

 

 注意事項としては、「感染防止のための対応」には、マスクの着用、消毒や手洗いの徹底、3密(密閉、密集、密接)の回避、検温の実施。「発熱等の症状が出た場合等の議員の対応」では、発熱、呼吸器症状その他感染を疑わせる等の症状がある場合は、自宅待機、症状が悪化した場合は「発熱等受診相談センター」に連絡し必要な支持を受けること。「感染した場合または濃厚接触者に認定された場合」は、議会事務局に連絡し指示を待つことになっています。これらの対応は、「県議会BCP」を改定してその中に明記されているものです。

 

 まずは、感染症対策をしっかり実施し、12月定例会を乗り切っていこうと思います。

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新型コロナウイルス感染症の治療法に県内企業が挑戦

2020年11月26日 | 議会活動

令和2年11月26日(木)

 

 昨日の静岡新聞夕刊に、「新型コロナウイルス感染症の新治療法について臨床研究へ」との記事が載っていました。アミノ酸が新型コロナウイルス増殖の抑制効果があるというのです。

 実はこの記事に注目した理由は、以前に県内の介護施設で発生したクラスターでは、その関係者が「アミノ酸を飲んでいれば感染しない」という思い込みがあって、感染症拡大防止策であるマスク着用などを励行していなかったと聞いていたことを思い出したからです。聞いた時はアミノ酸効果を全く信じておらず驚きましたが、この記事で二度驚きました。

 最初にお断りしておきますが、単にアミノ酸を摂取していれば感染しないということはありません。医学的な根拠を確認するために臨床研究が始まったばかりで、効果が確認され実用化、普及までにはまだまだ時間がかかるということです。

 

 記事によると、県内にある製薬会社で製造しているアミノ酸「5-アミノレブリン酸(5-ALA)に、感染症研究では先駆的な取り組みをしている長崎大学の基礎研究で抑制効果が確認されたというのです。今後は、新型コロナウイルス感染症の新たな治療法につながることを期待し、臨床研究に乗り出したというものです。

 

 5-ALAは、動植物の体内で生成され、生命活動を維持するのに重要な役割を担っています。この製薬会社では世界で唯一5-ALAの大量生産が可能な製造施設を有し、医薬品やサプリメント、化粧品の原料として利用されているそうです。研究者によれば、この施設で大量生産され医薬品分野でも利用されていることから、既に安全性が確保され、安定供給できることに注目しているようです。

 

 創薬研究に取り組む長崎大学では、5-ALAを使い、マラリアの治療薬開発やミトコンドリア糖尿病の臨床研究を進めている事例があり、その研究過程で様々な感染症への治療効果が期待できることが判明しています。その延長線上に新型コロナウイルス感染症治療薬への期待が高まっています。

 

 これまでの細胞試験では、一定濃度以上の5-ALAを加えると感染症を完全に抑えることが判明しているそうで、今後、臨床研究では軽症、中等症の患者に投与して症状の改善やPCR検査で検出されるウイルス量などを検証するとしています。

 

 身近なところでこのような挑戦が行われていることに驚きと期待を感じますが、「アミノ酸が効く」という素人判断が一人歩きし、マスクも着用しないといった行動は絶対に止めていただきたいと思います。

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