平成29年9月29日(金)
県が発行する資料は多種多様で、登庁すると毎日のように直近に発行された資料が置かれています。一応は目を通し、審議などで使う資料は後で熟読することにして、それ以外の目にとまった資料は、時間を見つけて読んでいます。その中には、皆さんに是非ともお知らせしたい内容も多く、このブログでも扱うこととしました。
「次代を担う若者たちによる県民会議」が取りまとめた、「若者が望む社会のあり方」という小冊子が、県の知事戦略局から今月の初めに発行されました。
この県民会議の構想は、2年ほど前に立ち上がり、未来の県づくりをめぐって議論が始まりました。しかし、県内の各団体から選ばれたメンバーは大人ばかりで、未来を創るのは未来の主人公である「若者」であり、若者自身に未来を語ってもらおうというのが構想の発端だということです。
平成28年1月に、24名の社会人と学生による「若者による県民会議」が開かれ、最初は意見交換にとどまりましたが、2回目以降はグループ討論形式となり、その結果を報告し合いました。また、今年2月には、公募により15歳から30歳の参加者を募り、東・中・西部の3箇所でワークショップを積み重ねる方式となりました。
新しい時代を創造することは若者の役割で、日本でも選挙年齢が18歳以上に引き下げられ、民法もそれに同調するとしています。若者の出番はもっと増えることに主眼を置いたこの会議には、大変、意義があります。
冊子では冒頭で、「あなたにとって豊かさや幸せとは何か」と問うています。景気が良かった時代の経験のなく、阪神淡路大震災以降の大きな震災を目の当たりにし、そして人口減少時代を迎えました。
景気回復よりも人々を豊に、しあわせにさせてくれるものは何か。人口や税収が減少しても、地域の営みや生活が充実したものになる仕組みはないだろうかという視点で、議論を進めたといいます。
この会議では、“こうしてほしい”という要望型ではなく、“やってみよう”という「提案・行動型」を目指したということでした。また、興味のあるところは、首都圏をはじめとする従来の大都市指向を一旦捨て、静岡県にある未来の魅力を磨き、理想の未来を実現できないかを議論し、取りまとめています。
会議では、私達のような人生の先輩には、理想とする静岡県のために何を残し、託したいかを語ってもらい、それぞれが理想とする未来について対話したいとしています。
本県から離れても、ふるさとを想う人や、本県に移住したい人に対し、「帰りたくなる、住んでみたくなる静岡県」にしていくためには、本県を外から見た視点が貴重であり、幅広い意見を求めたいと記されていました。
アウトプットとして、「理想の社会の実現に向けた12のビジョン」が示されており、なかなか面白い内容となっています。
私は学生時代や社会に出て企業に勤めていた頃、外から地元を見る機会が多々あり、また世代的に良い時代を経験してきました。地元を離れて初めて気付く、ふるさとへの愛着は今も昔も変わりません。議員になって、なお一層ふるさとのことを知り、その将来に関わる立場の責任の大きさを痛感しています。今回、若い人達の提案を真摯に受け止め、これからの施策に生かしていきたいと思います。
小冊子について興味のある方は、発行者である静岡県知事戦略局総合計画課にお問い合わせください。