平成30年5月31日(木)
富士山南麓の治山治水と富士山に一番近い国道整備について、関係自治体が一体となって早期に事業が進展し完成するよう、国や県などに要望活動を行う期成同盟会という組織の総会が開催され、関係自治体の首長や担当部署幹部、国や県の窓口となる部署の担当者と関連地域選出の国会・県議会議員が出席しました。
「富士治山治水期成同盟会」は富士市と富士宮市で構成され、富士山南麓の砂防事業と河川改修等整備の促進、急傾斜地崩壊対策事業の強力な推進のため、予算の大幅な確保により、事業の推進を図るものです。
富士山は大沢崩れを象徴するように、大規模な崖崩れ等の災害が発生する可能性があり、また、富士山火山噴火の可能性も指摘されています。富士山砂防は国が直轄事業として行っているもので、その専従組織として富士砂防事務所が富士宮市内にあります。
(富士治山治水期成同盟会総会開会前の様子)
(配付された資料)
これらの事業は膨大な予算や高度な技術を必要とするものもあり、市だけで取り組むことは困難です。そのためには国や県の後押しが欠かせません。期成同盟会を立ち上げ、毎年、国や県に対してその事業の必要性を訴え続け、予算確保に努めています。このことは、全国の自治体が取り組んでいることで、厳しい国家財政において少しでも多くの予算を確保するためには、行政と政治が両輪で働き掛けることが重要となります。政治レベルでは、地方議員と地元選出の国会議員が県(知事や議長へ)や国(関係省庁の幹部等)に機会ある毎に「要望活動」と称して首長達に同行します。
国全体では財政難からかなり厳しい予算配分と聞きますが、このような期成同盟会の活動により、富士砂防事務所関連予算は昨年並みの予算確保ができたということでした。
私の地元では、沼川水系の治水対策が大きな課題で、小潤井川や江尾江川の改修に着手できたのも、この活動の賜と言えます。
「国道469号(富士南麓道路)建設促進期成同盟会」は、静岡県北駿地域(小山町・御殿場市・裾野市)から富士山南麓地域(富士市・富士宮市)を通り、山梨県峡南地域(南部町)を結ぶ国道469号の建設促進を働きかける組織で、沿道の自治体で構成されています。
この国道は、多くは狭いながらも現存する道路ですが、一部はルートが明確になっていないところもあります。この道路は、静岡県・山梨県の両地域活性化に果たす役割が大きく、災害発生時には緊急輸送路としての重要な機能を果たします。この期成同盟会は設立が昭和59年頃ですから、30年以上も要望活動を進めてきたことになります。この事業も国の財政が厳しい中、予算獲得に苦労していますが、それでも毎年少しずつ進捗があるのは、この活動の成果と言えます。
(国道469号建設促進期成同盟会総会開会前の様子)
2020年開催予定の東京オリンピック・パラリンピックでは、小山町・御殿場市・裾野市に自転車ロードレースのコースが決まり、多くの観光客が国道469号を利用することになるでしょう。オリンピック以後の観光振興にもつなげることが重要で、この世紀のビッグイベントを契機に、一気に国道整備を進展させたいという思いが実現できるよう、期成同盟会の活動は正念場を迎えます。