実家へ行ったら「ちょうどいいところへ来た」と、父が悪巧みしているような笑顔で迎えてくれた。
弟の娘が結婚相手を連休に連れてくるという。そのため、座敷の障子が何年来ほったらかしにしてあったので、張り替えようということになった。
すっかり破り終えて、貼るだけの状態になっていた。糊を洗面器に溶くのは、いつも的張りをしているせいでばっちりというか、誰でもできるというか。
慎重に端を合わせて、母とふたりで転がしていると横から父がやかましい。おまけに、手を出したところは、曲がってやり直しとなった。
母は、職人のように慎重だったが、カミソリで切る技は私の方がうまくいったように思う。カッターより、このカミソリの切れ味のよいこと。
両親は、孫の結婚相手がどのような人なのか、嬉しくもあり心配でもあるようだ。連休は、弟もインドから戻って、全員で実家へ集合し、せっかくだから夜は山代温泉へつかるということ。
ついでに、縁側のカーテンが古くなっているので、替えるように言うと「後3年しか生きられんのに・・」と、目標は90歳か。そういえば免許書き換えに行く時に大騒ぎしていた。目が見えるか、剥奪されないか。それでも、書き換えがすんだら嬉しそうで、これで90まで車に乗れると安堵していたが、周りは不安だ。