結論から先に書けば・・・「円高ドル安」で99%決まりです(?)。本稿ではそのあたりについて考えることを綴ってみたいと思います。
ご存知のとおり、ミサイル開発とその発射実験等を通じた北朝鮮の挑発行為のエスカレートで、これに安保上の危機感を募らせるアメリカと同国の関係が緊迫化しています。「もし中国がやろうとしないのなら、中国抜きでわれわれアメリカが問題を解決するまでだ!」(If not, we will solve the problem without them! U.S.A.)。11日のツイッターでアメリカのドナルド・トランプ大統領はこうつぶやき、中国が北朝鮮の暴走を食い止められない場合は米軍による単独武力行使も辞さないとの強い姿勢を示しました。実際にアメリカは原子力空母カールヴィンソンを中心とする艦隊を朝鮮半島近海に展開し、かの国を威圧している最中ですが・・・
もっともこれらの米戦力が北朝鮮と軍事衝突する可能性はほとんどないでしょう。これ、アメリカにとっても北朝鮮にとっても、さらに中国にとってもあまりに危険なことだから。万一米朝両国が戦争状態に入ったら、両国だけでなくアメリカと同盟関係にある韓国に巨大な人的物的被害が発生することは避けられないし、日本にだって毒ガス(?)ミサイルが飛んでくるかもわからない(?)。北朝鮮は米軍の猛烈な攻撃を食らって金正恩体制そして共産国家の崩壊は必至。そして中国には・・・大量の難民が国境を越えて殺到・・・みたいな悲惨な事態が想定されるため、少なくとも現時点ではアメリカを含む誰もが軍事オプションを選択しようとはしないでしょう。
ですが、中長期的には未知数です。北朝鮮は・・・ミサイルの性能をさらに向上させて、米本土のワシントンとかN.Y.に正確に飛んでいくような核搭載の大陸間弾道ミサイルを配備したりするかもしれない。そして米英ロのような、核ミサイル発射可能な潜水艦を広く大海に展開する可能性もあり、その場合はさすがのアメリカもそうやすやすとこれらを捕捉できないわけで・・・。となれば将来のある時点で、つまりこうしたリスクが現実化する直前に、これらを取り除くべくアメリカは軍事力行使に踏み切るかもしれない・・・
・・・とまあ、このあたりは何とも不透明で先が読みにくいところですが(って、個人的には、それほどの大規模な戦略的システムを作り上げる前に北朝鮮の現体制は崩壊、あるいは米中ロ等の圧力を受けて野望を断念、のいずれか、のような気がするが・・・)、距離的に近い国ということもあって、わたしたちとしては当面、北朝鮮の動きに警戒を怠るわけにはいきません。そして、これに関して注視すべきポイントのなかには、日本経済そしてわたしたちの生活に大きな影響を与える為替レートも入ってくるわけです。つまり・・・北朝鮮有事!の際、円は・・・冒頭のとおり、対ドルで強くなる―――そう予想する理由などを次回以降、綴っていきたいと思います。