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【スコットランド通貨で買えるのはスコッチウイスキーくらい?】ポンド安が再燃させたスコットランド独立論④

2017-04-05 00:01:13 | ヨーロッパ

前回からの続き)

 先述のような事情から、もしスコットランドが二度目の住民投票等を通じて英国から独立を決めたら、その通貨は英ポンドではなくEU共通通貨であるユーロにするべきだ、なんて声が上がる可能性があると考えています。まあたしかに・・・スコットランドが独立国になっても、そのEUへの加盟、ましてやユーロ使用実現は、こちらの記事に書いた事情もあって非常に難しいでしょうが、一方で英国がBrexitしたのだから、独立スコットランドのEU再合流とユーロ使用は前向きに検討してもいいのでは、みたいな容認論(?)がEU諸国の中から出てくるかも・・・(?)

 ・・・とまあ、上記がどうなるかを含めて今後のスコットランドの動きからは目が離せませんが、あらためて感じさせられるのは以下に記すようなスコットランドのおぼつかなさです。本来、独立国というのは自分たち自身の外交権、軍隊、法制、財政、そして通貨(中銀)等を備えているべきもの。にもかかわらずスコットランド(の英国からの分離独立派)は独立を目指すと口に出しておきながら、その通貨は自分たち独自の通貨・・・たとえばスコットランドポンド(Sポンド)などではなく、他人のもの(英ポンド or ユーロ)を使うと言っているわけです。これでは肝心の通貨政策そして金融政策ともに他国(の中銀とか財務当局)に委ねることになり、独立国としての体裁が整うとはいえないわけで・・・。

 ・・・そのあたりがスコットランド・・・経済の弱みなのでしょう。つまりスコットランドは通貨を自前のものにしたら自国経済がインフレで壊滅することが分かっているということ。「同国」経済はいまでさえ事実上の「双子の赤字」(財政赤字&経常赤字)で脆弱なのに、独立してSポンドを導入すれば、当然それはユーロ>英ポンド>Sポンドとなるために、両赤字は急拡大、物価そして金利は高騰し、国家財政も国民生活も大ダメージを被ることになります(?)。せっかく独立してもこれでは・・・ということでスコットランドは他国の通貨を採用することでインフレ(通貨の価値下落)の害悪を回避しようとしているように見えます。

 以前こちらの記事等に、通貨の役割のひとつは「その通貨発行国の財およびサービスとの引換券」と書きました。これに照らすとSポンドはさしずめ「スコッチウイスキー」の引換券・・・って、失礼を承知でいえばその程度の引き換え価値しかありません。スコッチ~が素晴らしいお酒であることは知っています。けれどSポンドで引き換え可能なラインナップはこれを含めてスコットランドには数えるほどしかないはず。であれば、当のスコットランド人を含めた欧州の誰もがSポンドではなく、ドイツ車と交換できるユーロや、この点でSポンドよりはマシな英ポンドのほうを持とうとするのは当然といえます。

続く

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