(前回からの続き)
これまで述べてきたことをふまえると、8割以上の人々が中国に親しみを感じていない(アメリカに親しみを感じる)という外国観のもとでは、日本のメディアの論調が中国に対してはネガティブ、そしてアメリカにはポジティブなものになるのはもっともだと思います。
しかし実際の両国の状況、とりわけ経済状態は、中国はもちろんながら、アメリカもまたネガティブとみるべきでしょう。そのネガティブぶりについては本ブログのあちこちで書いているところですが、本稿に関連付けていうとその本質は一回目で述べた中国のそれと同様、つまり資産バブルの果てに制御不能な規模にまで膨らんだ不良債権と巨大債務。もうこれはおそらく、米連邦政府の手に負えない―――米経済の生命線である金融システムを救済するに等しい額の公的資金を米当局は用意できない―――くらいの、とほうもないスケール感のはず・・・。
・・・となるとアメリカに残された手は、次期の米大統領候補ドナルド・トランプ氏が一瞬(?)唱えたような「債務減免(部分的デフォルト)」(日本!などからの借金を踏み倒すこと)か、FRBによる量的緩和策(QE)を何度でも繰り出してバブルを永遠に膨らませていく資産インフレ策か、のいずれしかないが、どちらにしてもドルの価値は暴落するため、米経済は大混乱に陥り、アメリカの世界覇権は崩壊へ向かうことに・・・
・・・みたいに考えていくと、日本の主要メディアは、中国経済のフラフラなさま(?)を揶揄することで、知ってか知らずか、アメリカ経済の危険な側面をも指摘していることになりそうです。繰り返しますが両国の危うさの因子は同じ―――巨大バブル(の崩壊がもたらす資産デフレの危険性)なのだから。
でもそれらは前述の理由などにより、「アメリカも中国同様、バブリーでヤバい」なんて、けっして言えないし書けないわけです。前回の記事で綴ったとおり、「バブル」はいまのアメリカでは絶対の(?)禁句ですからね。である以上、わが国の安全保障を請け負ってくださっているアメリカ様に対して、そんなストレートな物言いが何かと憚られるのは当然です(?)。
もっとも、日本人ではなく、当のアメリカ・・・のトランプ氏はナニをポロッと口にしちゃって、それがもとでたたかれているわけですが、わたしが推測するに・・・