次々に明らかにされる過去の醜聞、これにともなって有名人から続々上がる「支持できない!」の声・・・その背後にあるのは、かの国の・・・経済的な混迷ぶり、なのではないでしょうか・・・
大統領選挙が目前に迫る中、アメリカでは共和党の大統領候補ドナルド・トランプ氏の旗色が悪くなっている感じです。実際、民主党同候補のヒラリー・クリントン氏との支持率の差は約8ポイントと、先月末の3ポイントから開いています(トムソン・ロイター調査:10/10時点)。そのおもな理由は、とくに最近になって暴露された同氏の女性やマイノリティなどに対する蔑視的な言動に多くの人々が嫌気してしまったため、でしょう。まあこれらは誰が聞いてもうんざりしてしまうものばかりなわけですからね・・・
かといって、「トランプ氏は女性等を見下すような人物だ」からクリントン氏を支持する、というものでもないと思います。当たり前ですが有権者の大半は、両氏がそれぞれ米大統領としてどのような政策を実施していくのか―――安全保障や外交戦略、そして何よりも「経済」をどうしようとしているのか、を見極め、トランプ氏か、クリントン氏か、あるいは両氏以外の方かを選ぶはずで、「口が悪い」みたいな要素は投票の判断材料の決め手にはしないでしょうから・・・(もちろん、なかには、いくら政策が他候補者のものより良さげでも暴言を吐きまくる人は大統領にふさわしくない!)と考える人々もいるでしょうが・・・
それでも、ここへきて上記暴言のようなネガティブな面が話題になるのはトランプ氏ばかりに思えてなりません。多くの新聞社が同氏不支持を表明し、テレビ討論会では司会者がトランプの発言をしきりに遮るなど(って、クリントン氏が自分の顔に手で触れた時に、らしい?)、米メディア界もあからさまに同氏を嫌っている風情です(?)。さらに先日、米政府はロシアが米大統領選挙に影響を与えるために複数の政治団体にサイバー攻撃を仕掛けたとして、同国を非難するコメントを出しましたが、(真偽はともかく)これまたトランプ氏に不利になる話です。同氏は以前からロシアのプーチン大統領をけっこう評価してきましたからね・・・
といったように、このタイミングでこれだけ悪い情報が出てくると、さすがに「トランプ氏はもう終わりだ」つまり「次期大統領はクリントン氏で決まりだ」みたいな空気が醸成されてしまうかも・・・ってこれ、米国民にとって本当によろしくない状況と思います。このままでは皆さん、もっとも大切な本来の政策論争を十分に聞かされずに投票日を迎えることになってしまうから。そうなれば、誰を大統領に選ぶか、の判断基準が、妄言する人か否か、という、じつに低レベルなものになりかねない・・・