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【アメリカが平和に向かう世界で破綻を免れる手はコレしかない?】中国もロシアもアメリカ陣営だ⑨

2020-01-29 00:03:31 | 世界共通

前回からの続き)

 前回、冷戦はとっくに終わったにもかかわらず、世界の現状は平和からは程遠く、相変わらず戦争や対立そしてそれらの脅威に満ちたまま、と書きました、たしかに(とくに日本の?)メディアが伝えることに日ごろ接している限り、そのように感じられることが多いかと思います。しかし、本当はそうではありません。こちらの記事でご紹介したように、じつは戦争の犠牲者はいま、どんどん減ってきているのです・・・

 このあたり、本稿の文脈に基づくと、どの国も、もはや戦争をしたり軍隊を所有したりする国力を維持できなくなってきたことの結果の反映と考えています。日本を含めて財政運営に苦労していない主要国はないし、オイルマネーで兵器武器を買い漁ってきた産油国や「敵役」を演じる(?)反体制勢力も石油価格の低下が予測される今後はその余裕を失うでしょう。それに、かつてと違って現在の戦争は領土などの相手の財産を奪う手段にはなり得ません。であれば、合理的に考えて、利益を生まずにコストばかりかかるこれらに充てるおカネなんて出せないわけで、その結果、戦争や紛争そして戦死者が減少し、世界が平和に向かっている、ということかと思います。

 となってくると苦しいのはアメリカです。その理由は先述のとおりです。このまま世界がますます平和になって、「用心棒代」(?)としてのジャパンマネーが入ってこなくなれば、金利上昇圧力を抑えきれず、やがてアメリカは強烈な資産デフレ、あるいはQE乱発に起因するハイパーインフレといった国家存亡の危機に直面しかねません。

 けれど・・・アメリカにだってわずかながらも希望はあります(?)。平和になれば、いまの巨大過ぎる軍事費をリストラできるためです。Wikipediaに記載されたストックホルム国際平和研究所の統計によると、2018年のアメリカの軍事費は6490億ドル(GDP比3.2%、1ドル109円換算で約71兆円!)と、核大国ロシアの軍事費614億ドルの何と10倍以上!という、いまの世界の上記実態に照らせば明らかに超過剰、つまりリストラ余地も膨大なスケールになっています。これをたとえば2000億ドル(同国GDPの1%弱)にまで圧縮できれば、差し引きで年4500億ドルもの財政支出が節約でき、そのぶん日本などの外国からの借金を減らせて、アメリカは金利上昇懸念を和らげることが可能になります。

 軍事費をいまの3分の1以下に縮小・・・って、そんなに削って大丈夫?って気になりますが、そのスケールでさえ現状のロシアの3倍以上もの支出レベルを維持できるから、アメリカのロシアに対する軍事的優位は揺るぎようがありません。そもそもロシア、そしてそれ以上に中国は、上記したように、アメリカの経済そしてその通貨ドルに依存しているので、これを敵視するなんて考えられないし、むしろこうしてアメリカが強くなってくれた方が―――米財政収支が大きく好転し、ドル・米国債の信認・価値が高まる方が―――ドル資産を後生大事に抱える中ロ両国もまたハッピーでしょう(?)。

 別な言い方をすれば、これ以外に・・・軍事費の大幅カット以外に、平和に向かう世界でアメリカが破綻を免れること―――金利上昇を食い止めること―――は、まず無理だ、と考えています。

(続く)

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