楽しみにしていた
「駅路」
松本清張原作で
向田邦子脚本。
演出は「北の国から」の杉田成道
実はこの話、以前
「最後の自画像」(77年)というドラマで見ている。
脚本は向田邦子で、この時の演出は和田勉。
なので、どうしても二作を比べてしまった。
キャストを比較してみると、
石坂浩二(杉田版)=山内明(和田版)
十朱幸代=加藤治子
深津絵里=いしだあゆみ
役所広司=内藤武敏
大口兼悟=目黒祐樹
木村多江=吉行和子
高岡蒼甫=林ゆたか
松本清張(老人役)=唐十郎
など・・
どちらも錚々たる面子。
ただ、今回のドラマは
大晦日の「紅白歌合戦」や、
昭和天皇の崩御ニュースなど、
「昭和の終わり」をドラマにからめたものになっていたのが大きな違い。
和田版のほうは
ぐいぐいサスペンス風に見せていって、
最後に登場人物それぞれの哀しみが浮き彫りになるという構成だった。
今回の杉田版は最初から最後までたっぷり情緒的で
ゴーギャンやら戦争やら
色々な要素を盛り込んだため、焦点があちこちに飛んだ。
昭和を意識してか、
谷村新司などの「歌」もドラマにかぶったが、過剰な演出だったと思う。
和田版はまんま、昭和の香りだよ~
・・って、1977年のドラマなので当たり前~~。
俳優さんたちの熱演は見ごたえがあった。
十朱幸代の嫌味な妻(スッピン風場面もアリ!)、
「不幸が良く似合う」木村多江、
役所広司ももちろんよかったが
ザンネンだったのは
石坂と深津の恋愛に酔えなかったことだ。
何か違和感が・・
久しぶりの子供向きじゃないドラマで楽しめたけど
エンドロールにも終戦の映像を
もってくるのはどうかなあと思った。
見ているほうとしては、気持ちの置き所に迷ってしまう。
*関連記事
●「最後の自画像」
ブログランキングへ応援オネガイシマス
「駅路」
松本清張原作で
向田邦子脚本。
演出は「北の国から」の杉田成道
実はこの話、以前
「最後の自画像」(77年)というドラマで見ている。
脚本は向田邦子で、この時の演出は和田勉。
なので、どうしても二作を比べてしまった。
キャストを比較してみると、
石坂浩二(杉田版)=山内明(和田版)
十朱幸代=加藤治子
深津絵里=いしだあゆみ
役所広司=内藤武敏
大口兼悟=目黒祐樹
木村多江=吉行和子
高岡蒼甫=林ゆたか
松本清張(老人役)=唐十郎
など・・
どちらも錚々たる面子。
ただ、今回のドラマは
大晦日の「紅白歌合戦」や、
昭和天皇の崩御ニュースなど、
「昭和の終わり」をドラマにからめたものになっていたのが大きな違い。
和田版のほうは
ぐいぐいサスペンス風に見せていって、
最後に登場人物それぞれの哀しみが浮き彫りになるという構成だった。
今回の杉田版は最初から最後までたっぷり情緒的で
ゴーギャンやら戦争やら
色々な要素を盛り込んだため、焦点があちこちに飛んだ。
昭和を意識してか、
谷村新司などの「歌」もドラマにかぶったが、過剰な演出だったと思う。
和田版はまんま、昭和の香りだよ~
・・って、1977年のドラマなので当たり前~~。
俳優さんたちの熱演は見ごたえがあった。
十朱幸代の嫌味な妻(スッピン風場面もアリ!)、
「不幸が良く似合う」木村多江、
役所広司ももちろんよかったが
ザンネンだったのは
石坂と深津の恋愛に酔えなかったことだ。
何か違和感が・・
久しぶりの子供向きじゃないドラマで楽しめたけど
エンドロールにも終戦の映像を
もってくるのはどうかなあと思った。
見ているほうとしては、気持ちの置き所に迷ってしまう。
*関連記事
●「最後の自画像」
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>ザンネンだったのは
>石坂と深津の恋愛に酔えなかったことだ。
>何か違和感が・・
これには同感です。ラストの回想シーンが「父と娘のいたわりあい」みたいで、ちょっと…。
それに、「向田邦子脚本」というのを前面に押し出していたはずなのに、「昭和の終わり」を舞台に設定していたがために、
>焦点があちこちに飛んだ
というのは、本当に仰るとおりです。これは、小塚が「昭和の男」だったことを、過剰に思い入れたっぷりに描いたせいもあるのでしょうが、そうすると、作品としてはやや観念的になってしまいます。
清張作品は、『砂の器』『影の地帯』などの長篇であれば、贅肉をそぎ落として映像化する技量が試されますが、『顔』『張込み』などの中短篇はむしろ肉づけの仕方が課題となりますね。この「肉づけ」は、勿論よい方にも転じますし、悪いほうにも転んでしまうので、かなり大変な作業なのでしょう。
『駅路』も後者に属する作品でしょうが、今回のドラマはブラボーさんの仰るとおり、様々な要素をちょっと詰めこみすぎたんじゃないか、という印象を受けました。とは言え、あの名役者ぞろいなので、重厚な作品にはなっていて、一応の満足はしています。
実は、『最後の自画像』は未見で、ある人にその存在を教わったことはあるのですが(和田勉演出作品には、清張本人も出ているのですよね。『天城越え』ではお遍路さん役でしたね)、ブラボーさんの記事を拝読し、ますます見てみたくなりました。
NHKアーカイヴで再放送してくれることを願いたいものです(『ザ・商社』や『天城越え』も確かNHKアーカイヴで見ました)。
コメント有難うございます。
ごらんになりましたか!
私もこのところまた清張ブームで・・(笑)
今年は色んな作品が観られるみたいなので
出来るだけ観たいと思っています。
おっしゃるとおり
清張作品の肉付けは大変な作業だと思われます。
どこを膨らませるかによって
大きく変わってしまいますね。
今回は全部を膨らませた(?)
欲張ったドラマになっていたと思います。
クオリティも高く
その意気込みには敬意を払いたいところですが
最後の砂浜シーンにはちょっとしらけました。>父と子・・には同感!(笑)
それと脚本「向田邦子」としながらも、
同時に
脚色;矢島正雄の名があるのが
ひっかかっています。
そういう観点からも
『最後の自画像』
私ももう一度観たいです。
和田勉がノリに乗っていた時期ですね。
「けものみち」も
ダイナミックで面白かった記憶があります。
「ザ・商社」は未見ですが
「天城超え」はシャープで、
映画とはまた違った面白さが
ありましたね。
清張さんが出演していると
どんな扮装をしていてもバレバレですよね(笑)
昭和を舞台にしたドラマも多いですが、
今の時代を映した
面白い大人のドラマも観たいものですね。
話が逸れるんですが
記事中の出演者に十朱幸代の名前があって
ふっと思い出したんですが
私が太宰治の小説を初めて読んだのは
「ヴィヨンの妻」が十朱幸代と山本学の主演で
30分のTVドラマ化された事があって(遥か昔です!!^^
それを観て凄く原作が読みたくなって
すぐに文庫本を買ったのが太宰治の作品を読んだ最初です。
太宰治が得意な女性の独白体の文章にも
ぐいぐい惹きこまれて読んだ覚えがありますが
最後の行の
「私たちは生きていさえすればいいのよ」という言葉の、
多分解説文か何かの文章が頭に残っているんだと
思いますが。。。明るい虚無感というような空気が
何にもわかっていない年代ながらその頃の自分の
気持ちにしっくりと合いました。
それから○十年も経って!!
今の私の方がその頃よりずっと
明日もきっと幸せ、と思って生きています。
真夜中にホントに申し訳ありません;;
ではではブラボーさん今日も幸せな一日を!!
おやすみなさぃませ(ペコリ)
そのドラマザンネンながら
観ていませんが、山本学と十朱幸代だったら
原作者に失礼の無い
見ごたえのあるものだったでしょうね。
その時その時の気持ちに
しっくりくる作品は
心の奥に深く響きますよねえ。
私も昔読んだきりなので
また読みたくなりました。
名作は読むたびに新しい発見がありますね。
実は私の祖父は、
叔母に言わせると
「太宰そっくりだった」らしいんですけど
幾分妄想が入っていると思われます(笑)
確かに物憂げに頬杖をついている写真は
ありますけど・・(笑)
>それから○十年も経って!!
>今の私の方がその頃よりずっと
>明日もきっと幸せ、と思って生きています。
いいお言葉ですね~~