一人が良いわ (Ⅱ) 235

2024-01-20 17:47:29 | 小説

そうですよね、私も一人暮らしが、性にあってて、好きですね。

奥の席にいた見慣れないご婦人が、二人の会話に、唐突に加わった。

年のころは、60代と思しきグレーヘアーの女性だ。

グレーのニットの襟元から赤いヒートテックが、覗いている。

女性は、マスターの店の近くのマンションに最近、越してきたのだと、自己紹介した。

冬子さんが、「ここのお店のコーヒーとマスターは、お勧めですよ」と、お茶目に言った。

マスターが、「☕が、お勧めなのは、ホントですけど、私は、あまりお勧めできませんよ」と、言ったので、冬子さんとグレーヘアーの女性が、声を上げて笑った。

波野と名乗った女性は、長い間、親の介護をしていたが、その親が亡くなったのを機に、家を処分して、中古のマンションを買ったのだと言った。

マスターが、波野さんのカップに、淹れたてのコーヒーを、注ぐと、「丁度、お代わりお願いしようと思っていたんです。」と、感激している。

冬子さんが、「マスターのこういう所が、なのよね」と言った。

 

 

 

 

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