一人が良いわ ・・・。  234 

2024-01-17 17:30:47 | 小説

朝は、冷えるわね。

冬子さんが、いつもの席から、マスターに、話しかける。

「そうですね」マスターは、答えた後、焼きあがったトーストを皿に載せ、冬子さんの席に、運んでくれた。

「今回は、娘さんの所、長く行ってらしたんですね」

おしぼりで手をふきながら、「もっと、早く帰って来たかったんですけど、娘に引き留められて、中々帰れなかったのよ。」

「きっと、冬子さんの事が、心配なんですよ。」マスターに言われ、冬子さんは、「娘の気持ちは、ありがたいと思うのよ、でもね、一人が気楽なのよね。」と、深いため息をついた。

マスターも、冬子さんの気持ち、独り者の、私には良く分かりますよと、言った。

傍から見たら、一人で、寂しくないのかとか思われるかもしれませんけど、結構、自分には、あってるんですよね。

冬子さんは、コーヒーをゆっくり飲み、トーストを、小さくかじった。☕

 

 

 

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