図書館近くのコンビニで、久しぶりに星を見た。
イートインコーナーで、サンドイッチを、頬張りながら、コーヒーを飲んでいた。
渚に気付くと、軽い笑みを浮かべた。
「もしかして、お昼ですか?」渚が尋ねると、困ったように、昼を食べ損ねて、と答えた。
コンビニの壁時計の針は、5時を既に、過ぎている。
星の隣に座っていた学生が、気を聞かせて、席をずれてくれた。
渚は、礼を言って、星の隣に、腰かけた。
何時も爽やかな星が、髪が、乱れて緩めたネクタイのせいか、酷く疲れて見えた。
「父の事、本当にお世話になりました。」改めて、お礼を言うと、当然のことを、しただけだからと言った。
「お仕事、忙しいんですか?」渚が、尋ねると、食べかけのサンドイッチを、コーヒーで、流し込むように食べ、少し咽た。
渚が、見かねて、背をさすると、「ごめん」と、言った後、未だ仕事が、残っているからと言って、店を出て行ってしまった。
余所余所しい星の態度に、狼狽え、遠くなって行く後ろ姿を、ぼんやり眺めた。