久しぶりで例の店に行った。
相変わらず店は、ガラ~ンとしていて新聞を読みふけっている常連客が1人いるだけだ。
「これじゃあ、何時つぶれてもおかしくないね」ってマスターをからかったら、そうだねとつぶやいた。
反論してくれたらよかったのに・・・。
「喫茶店は過去の遺物かねえ~。」新聞を読んでた客が言った。
マスターはコーヒーカップの横に空豆をのせた皿を持って来て置いた。
「サービス?」
「八百屋でみつけたからさ。でも、皮ばかり大きくて、中には豆が一つ何ていうのもあった
よ。」
「不順な天候のせいだろうか?空豆の出来も悪いんだね。」
子供の頃、空豆が嫌いだった。
空豆の臭いが足の裏の臭いに似てる様で、大人は何でこんな物が好きなのか不思議だった。
空豆の味は、分かるようになったけど・・・。