読書日和

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「ルームシェア 友達以上、恋人未満」宇木聡史

2013-04-20 20:34:39 | 小説
今回ご紹介するのは「ルームシェア 友達以上、恋人未満」(著:宇木聡史)です。

-----内容-----
19歳のフリーター、高井詩織は、飲み会で終電を逃したことをきっかけに、水元蓮という20歳の大学生と知り合う。
ひょんなことから蓮の部屋に”居候”することになった詩織は、予想以上に快適な蓮との暮らしを、戸惑いながらも満喫していた。
そんなある日、詩織は蓮の母親からある知らせを聞き……。
趣味も性格も正反対なふたりが織り成す、「友達以上、恋人未満」のキュートな恋の物語。

-----感想-----
飲み会で終電を逃したことをきっかけに始まる恋の物語。
高井詩織はその飲み会(合コン)の場に居た人から、水元蓮の家を頼れと言われてやってきたのでした。
蓮は何とも変わった性格で、突然やってきた詩織にも嫌な顔ひとつせず泊めてあげていました。

当初はもう二度とここに来ることはないだろうと思っていた詩織でしたが、ちょっと事情が変わってしまい、再び蓮の家を頼ることに。
しばらく居候させてくれと頼む詩織。
ここでも嫌な顔ひとつせず、淡々とした感じの蓮。
実にクールで、そしてちょっと変わった人でした。
そんなわけで蓮の家での居候生活が始まっていきました。
蓮の家(マンションの一室)はとんでもなく広く、その一角をルームシェアして借りることになりました。

この物語は「会話から紡ぎ出される物語」といった感じです。
詩織と蓮の会話が圧倒的に多く、この二人の会話は読んでいて面白いです。
終始淡々とした蓮と、蓮の淡々ぶりにあれこれ突っ込みを入れていく詩織。
性格が正反対なだけに会話も何だかおかしな感じになるんですよね。
二人の会話が面白く、非常にサクサクと読める物語でした。
そして思わず笑ってしまうような場面も結構ありました。
数学が得意で理系の蓮は「理論的には」という言葉をよく使っていて、あまり使うものだから途中から詩織にも「理論的には」と使われてもじられていました(笑)
あとは謎の数学の理論を一人で熱く語って詩織に白けた目で見られたりもしていましたね。
でもおそらく他の誰よりも思いやりの心を持っていて色々なことに気を回してくれる、それが蓮という人でした。

「友達以上、恋人未満のキュートな恋の物語」ということで、非常にサクサクッと読めるのがこの作品の良いところだと思います。
会話のテンポが抜群に良かったです。
本格恋愛小説のようにドロドロしたものがないので読んでいて気も楽ですね。
軽めの恋愛小説が読みたい人にお勧めの一冊ではないかと思います。


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