鮎川俊介の「幕末・明治の日本を歩く」

渡辺崋山や中江兆民を中心に、幕末・明治の日本を旅行記や古写真、研究書などをもとにして歩き、その取材旅行の報告を行います。

2008年 夏の北海道西海岸・取材旅行 「稚内 その5」

2008-10-03 05:54:57 | Weblog
いよいよ、「2008年 夏の北海道西海岸・取材旅行」報告の最終回となりました。結果として、8月下旬から延々と一ヶ月以上にわたって書き連ねてしまうことになりました。兆民が、初めて本州(内地)から北海道に上陸した函館の地から、小樽→増毛→留萌→苫前→風連別→天塩→稚内へと、左手に広大な日本海を眺めながら旅したコースを、100年以上も後になって辿る取材旅行の報告でした。私は、「馬子」に曳かれた「道産子」の背中ではなく、「ナビ」を備えた「レンタカー」の運転席に座って移動したのですが、それでも、地点は絞られているもののそれなりの距離を歩き、多くの方々との出会いを経験しました。この現地の方々といろいろお話が出来たということが、今回の取材旅行の何よりの収穫でした。思い込みを廃して、現地で長らく生活をされてきた人たちに、じかにいろいろとお聞きして確認していくことの大切さというものを痛感しました。かけがえのない歴史(ヒストリー=人生)を背負った人たちの物語を傾聴することの大切さ、というものです。北海道(およびそこに住まう人々)が直面している現実、特に小泉構造改革以後の北海道が直面している問題とは、北海道に限ったことではなく、日本全国津々浦々の地方において直面している問題であり、また都市部においてすら直面している共通の問題だと思われました。しかしそういった中でも、達者(たっしゃ)に、また健気(けなげ)に、日々の生活を送っておられる人たちがたくさんいることを知って、私自身も勇気付けられた思いがします。少々肌寒い毎日が続きましたが、雨に降られることはほとんどなく、天気にめぐまれた4泊5日の旅でした。 . . . 本文を読む